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2011年8月21日(日)、フジテレビの報道姿勢に抗議するデモがお台場で行われました。僕がゆりかもめで船の科学館駅に到着したのはデモが始まって20分ほどたった午後1時50分頃(遅刻してしまった)。ホームから見えた地上の様子で、お台場で歴史的な事件が起きていることは明らかでした。
お断り1...このブログ記事に書かれたことは筆者の個人的な見解、意見であり、アイティメディアや編集部を代表するものではありません。
お断り2...筆者は韓国に関心を持っていますが(もちろん良い意味で)、特に好きでも嫌いでもありません。韓流ドラマは見ませんし、K-POPも聞きません。韓国には4回行ったことがあります。辛党なので、韓国料理は好きでよく食べます。
この日は仕事もお休みだったので、プライベートでお台場に行きました。家で誰かの生中継を見てもよかったのですが、やはり現場で何が起きているのか自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じたかったからです。
●デモ隊にいたのは普通の人たち
船の科学館の前では、デモの集合場所となった公園からデモ隊が続々と歩き出していました。開始から30分近くたっていましたが、列はまだまだ続いて、3分の2くらい出発したところだったのではと思います。
交差点などは信号ではなく警察官の誘導で渡るのですが、その際に周りの車をいったん止めるため、しびれを切らしたバイクや車がクラクションを鳴らしているのが印象的でした(それ道交法違反だから捕まえなよとか思ったり)。
僕はここから、道路を歩くデモ隊と並走する形でフジテレビを目指しました。デモ隊って意外と歩くの速いんだなあというのが最初の印象。参加者を見てみると年齢は子どもから大人まで幅広く、女性もけっこういました。親子での参加やカップルでの参加。あと犬を連れた外国人の姿もありました。
いわゆる"ネトウヨ"のイメージに沿うような感じの方もいましたが、全体を見ると、若い人が多めかなという意外は、偏りなく集まってるなという印象でした。が、スピーカーを持って叫んでる人の中には、こなれた感じというか、デモ行進をしている"普通な感じ"の人たちとはちょっと違う印象の人もいました。
●何を主張していたか
デモ隊が叫んでいたのは主に以下のようなこと。
「フジテレビは日の丸・君が代をカットするなー」
「フジテレビは韓流ブームのねつ造をやめろー」
「フジテレビは韓流をゴリ押しするなー」
「フジテレビは"韓日"表記をやめろー」
「フジテレビは偏向報道をやめろー」
「我々は公共の電波を取り返すぞー」
ここまでは趣旨に沿っていると思うんですが、以下の2つは違和感を覚えました。
「我々は韓国のドラマなんか見たくないぞー」
「我々はK-POPなんか聞きたくないぞー」
見たいか見たくないか。聞きたいか聞きたくないかはそれぞれが判断すればいいことであって、個人の思想に関する話をここで持ち出すのは違うと思います。本当に面白いドラマなら見たいし、本当に良い音楽なら聞きたいです。ちなみに母も韓流ゴリ押しに憤慨しているのですが、NHKで放送している韓流ドラマ「イ・サン」は面白いからと毎週欠かさず見ています。
デモ隊の中には、僕と同じように違和感を覚えた方もいたんじゃないでしょうか。スピーカーで何を訴えるかは事前に確認しておくべきだったような気がします(した上であの内容だったのでしょうか)。ただ、事前に何度も注意があったこともあり、差別発言や品位のない行動は、少なくとも自分が実際に見聞きした中ではありませんでした。
●デモ隊がフジテレビに到着
フジテレビの周りまで来ると、事情を知らない一般の人がたくさんいて、何が起きているんだと騒然とした雰囲気になってきます。このあたりから、生中継をしている人もちらほら見えてくるようになりました。カメラやスマートフォンを顔の近くに上げたままずっと持っているので、すぐ分かります。中にはノートPCを片手にコメントを打ち込みながらウェブカメラで配信している方もいらっしゃいました。
フジテレビの前(アクアシティの正面)を通ったとき、社屋の奥のほう、関係者入り口の前でカメラマンが撮影していることに気付きました。報道用なのか記録用なのかわかりませんが、今のところデモについての報道があったという話は聞いていません。カメラマンはできる限り被写体に近づいて撮影するものですが、なぜ隠れるように撮影しなければいけなかったのか気になります。
台場駅側にあるフジテレビのイベント会場では、「お台場合衆国」のイベントが開かれていました。その場にいたお客さんやスタッフたちは、困惑している様子でした。急に日の丸を持った集団が大声で何かを叫んでいるんですから、驚くのも無理はないでしょう。ここで気になったのは、こういった人たちに、声がちゃんと届いていたのか、趣旨がちゃんと伝わっていたのかということ。一般の人たちは遠巻きに見ていたので、デモのことを知らなかった人たちに、理解しやすい形での主張方法を考えるべきだったかもと思いました。
●二つのデモが混ざってしまった
フジテレビの正面、アクアシティ側では「チャンネル桜」の街宣車が止まっており、これが大きな音で演説を行っていました。午後1時半からスタートしたデモ隊とは別グループになるのですが、一般の方たちがそれを理解するのは不可能で、そこにいた今回のデモをよく知らないほとんどの人たちが、同じデモ隊だと思ったはずです。
そして、僕はデモ隊の最終組がフジテレビ正面に到達した午後3時頃に帰りました。台場駅からのゆりかもめに乗って帰る途中、お台場合衆国ではアイドルグループがステージに立っているところでした。街宣車の演説は続いていましたので、さすがに同情してしまいました。
多少気になる点(「韓流ドラマは見たくない!」とか)はあったものの、全体的に紳士的なデモが行われており、そして予想以上に集まった参加者。歴史に残るデモと言っても過言ではないだろうと思って帰りました。
が、問題はそこから。(別件で用事があり)帰宅したのは午後6時頃だったんですが、Ustreamを見るとまだデモをやっていて、お台場合衆国になだれ込んだり、君が代を歌ったりしているわけです。自分が参加したデモとはまったく違う雰囲気にびっくりしました。僕が帰った後は「チャンネル桜」主導のデモになったようで、もっとも実際に参加していないので推測になってしまいますが、Ustreamを見る限り、前半とは異なるデモだったように思いました。
●現地に行って正解だったと思えたのが収穫
帰りにTwitterのタイムラインを見ていて思ったことがあって、それは憶測と偏見だけでデモを批判している人が多いということ。(デモに参加した)こういう人たちが戦争を起こすんだとか、右翼が混じってた(らしい)とか、嫌韓デモだった(らしい)とか、自分の主義主張をツイートしたいだけの無責任な発言が多いなあと感じました。趣旨が伝えられなかったデモのやり方が悪いと言ってしまえばそれでおしまいですが。
あと、そんなことしてる暇があるなら被災地に行ってボランティアするべきというツイートも見ましたが、まったく次元の違う話。そんなツイートしてる暇があるなら、被災者のために何かしたほうがいいんじゃないのと思います。過剰自粛の問題から何も学ばなかったのかな。
余談ですが、夕食は中華料理屋でチゲラーメンを食べました(謎)。