誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

自分らしく生きる~農家小島さん編~

自分らしく生きる~農家小島さん編~

伊藤 崇

株式会社リヴァ 代表取締役。うつの方への社会復帰支援サービスを展開中。医療、福祉、産業と色々な業界の機関とつながりをつくり、一人でも多くの方が自分らしくハッピーな人生を歩めるような支援を目指している。

当ブログ「うつ病からの社会復帰 自分らしい人生を!」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/liva/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こんにちは、リヴァの伊藤です。

先日、ワールドビジネスサテライトにて放映されました。
WEBでも確認できるようなので、関心ある方はご覧ください。


今回は、弊社が提携しているFAMFARMの小島さんにインタビューをしました。
無農薬にこだわり安心安全をお客様に届けていらっしゃいます。


5122508127_d8a18558dc.jpg
                                  <  FAM FARM園長の小島さん >


伊藤「農家になった経緯を教えてください」
小島「高校くらいから何をやるかを考えだしていました。いま振り返れば、自分でこだわってものを作って、商売するということをやりたかったんだったと思います。色々あってアパレルを目指していたのですが、流行を作り出すことに違和感を覚えました。写真など他の分野もいろいろ検討したのですが、なんかしっくりこなかった。そこで旅に出ようと思ったんです。バイトで金貯めて、1年間アジアを旅しました。日本以外の世界を見たかったんです。そうすれば何か自分の中で変わるかなと。」

伊藤「何か得たものはあったんですか?」
小島「大きく変わったわけではないですが、なんとなく自然の中で暮らしたい、田舎で自給自足のような生活を送ってみたいと漠然と思うようになっていました。考えれば、浅はかな考えではありますが、それに近づくために、イベントに参加してみたり行動をしてました。そんな中で、知人づてで所沢の農家さんを紹介してもらえることになりました。明日からバイトにきていいよ。と言ってもらえ、
自給自足のスキルが身につくし、お金ももらえるからいいかなと思い通いだしました。」

伊藤「では、もう農家でやっていこうと思ってたわけですか?」
小島「いえ、最初は仕事としては、考えてはいませんでした。漠然とした中で、とりあえず畑に近づけるという気持ちだけでした。」

伊藤「農家を目指し始めたきっかけは何かあったのですか?」
小島「バイト先の農家さんが、野菜をどんどん生産して売上を立ててました。そういう仕事を見ていて、これを仕事としてやっていくのは、田舎で一人で自給自足をやっているよりもカッコいいなと思うようになってきました。そして、自分だったら野菜の写真をもっと綺麗にとればもう少し高く売れるのではないか、デザインにもこだわりたいなどこれまで自分が好きでやってきたことも活かせるような気がしたのです。」

伊藤「なるほど。農業はしっくりきたんですかね?」
小島「きましたね。毎日、人が食べるものだし、本当に必要なものです。一生懸命作れば、喜んでくれる人たちがいる。これまで何をやっても疑問を感じ、腑に落ちなかったのですが、農業は自分の中でしっくりきました。バイトを始めて半年くらいでそう思うようになり、1年後には自分の中で決心してました。」

2011-06-22 10.40.41.jpg



伊藤「農家になってよかったことはなんですか」
小島「そうですねえ、自分で考えて、自分の責任で仕事が出来ることでしょうか。野菜は正直です。自分が頑張れば頑張った分だけ、応えてくれる。暦が進むにしたがってやることがたくさん出てくる、天候にも左右されます。その毎日の小さな目標、小さな試練が次々と襲い掛かってくるイメージなのですが、それをクリアしていくのが、面白く、仕事した後の充実感、達成感が味わえることです。」

伊藤「農家になって辛いことはありますか?」
小島「自然が思い通りになってくれない時は、正直しんどくなる時がありますよね。自然に対しては、為すすべがなく受け入れるしかありません。理不尽な自然に対して、うまくやっていくことは楽しいことでもあるがやはり時にストレスはたまりますね」

伊藤「農家という職業は、小島さんにとってなんでしょう?」
小島「天職かもしれない。これに出会っていなかったらどうなっていたと思いますね。とはいえ、身体が壊れたら出来なくなるし、状況によっては続けられなくなることもあるので、他のこともやっていかなければならないことも起こり得るとは思いつつも、一生やっていたい仕事ですね」

伊藤「リヴァの活動に協力しようと思ったのはなぜですか?知らないうつ病の方が畑にぞろぞろ来るということに抵抗はなかったのでしょうか」
小島「農業塾とかだったら断ろうと思ってました。そうではなかったので、なんとなく面白そうに感じたのとお役に立てるのであれば、御社のスタッフも同行ということでしたし、別にいいかなと思いました。」

伊藤「ちなみに、リヴァと活動をし始めて売上なんかに変化はあったのでしょうか?」
小島「人手が増えたことで除草や虫の駆除、種まき・収穫のタイミング等、うまく回るようになり生産量が増えて、おかげさまで売上は2倍くらいになりました。」
伊藤「おぉ、すごい。それは我々にとってもうれしいことです」

伊藤「リヴァの活動を通じて、小島さんの中で変わったことは何かありますか?
小島「自分の畑という感覚にはなりたくない、だって地球にあるもので、人間もその一部に過ぎないですから。そういうことが、自分の中で顕在化したことでしょうか。畑に人がたくさん来てくれて、その方々が元気になっていってくれるというのがうれしく感じるようになりました。自分のものというのでなく、多くの人と共有したいという想いがあります」

伊藤「小島さんにとって自分らしい生き方とはどういうことですか?」
小島「基本的な原動力は、疑問を感じること、悩むことそれに対してどうアクションしていくかを繰り返していくことある意味、ひたすら彷徨うことでしょうか(笑)。ですからいまは、幸いにも自分らしい生き方が出来ていると思います。」

2011-06-22 10.18.29.jpg

伊藤「なるほど。悩みもがき続けることが自分らしい生き方であると。面白いですね。では、そのために心がけていることって何かありますか?」
小島「ひたすら考え、行動することでしょうか。そうは言ってもそんなに行動力があるわけではないのですが、必要な時は行動していたと思います。あとは忍耐力根気これは大切ですね。高校の時に何をしたいか見つからなかった時、6年間の農業修行、そして独立してから と常に忍耐と根気があります。諦めずに考え続け、行動をしたことが今につながっていると思います。」

--------------

小島さんは、とても自然に生きていらっしゃる印象をうけます。自分が何がやりたいかを、自分の気持ちに素直に従い、あきらめずに探し続けたからこそ、農業という天職を見つけることが出来たのだと思います。

農業という仕事は、休みもほとんどなく天候にも左右され過酷な仕事でもあります。
でも、やらされ感ではなく自分で選んだ道だからこそ辛さよりも楽しさ、充実感が上回っているんだろうなと話していて感じました。


今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。