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僕が「松山英樹は世界で勝てる!」と思った理由

僕が「松山英樹は世界で勝てる!」と思った理由

眞山 徳人

ベルギービールをこよなく愛する公認会計士。座右の銘は「できるときに、できることを、できるだけ」。

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こんにちは、今回もお読みいただきありがとうございます。



さていきなりですが、この記事をお読みの方は、どれくらいゴルフをされるでしょうか?

日本のゴルフ人口はご覧のとおり減る一方ですが、それでも日本はアメリカに次ぐ2番目のゴルフ人口を誇る、ゴルフ大国と言える国です。

ゴルフ人口.png

今度の五輪からはゴルフが競技に選ばれるなど、今後が楽しみなゴルフ界。特に若手選手の台頭がここ数年で目立っています。女子であれば宮里藍を筆頭に、上田桃子、森田理香子、堀奈津佳など。男子であれば何といっても、石川遼、池田勇太、そして今年デビューした松山英樹も大活躍しています。

さて、そんなゴルフ界。プロゴルファーというのはいったいどうやって生計を立てているのでしょうか。


  • トッププロは「スポンサー契約」による収入がスゴイ!

ゴルファー(ここではツアープロの方を想定しています)の収入源は大きく分けて3つあります。

  1. 生徒からのレッスン報酬
    競技に参加するツアープロの選手も、収入を安定させる意味でレッスンを行うことがあります。むしろ普段はレッスンをメインにしていて、年間数回のみツアーに参戦する、というケースもあると思います。もちろんトッププロの場合はほぼ毎週試合に出ているので、レッスンをすることは稀でしょう。


  2. 競技主催者からの賞金
    ツアーの賞金は競技主催者から拠出されます。いわゆる賞金王争いというのはこの部分の収入を競っているものです。ツアーによって細かい違いはありますが、基本的に賞金は予選を通過した選手(通常50名程度)に支払われます。その分配率は、優勝者が総額の20%。たとえば賞金総額1億2千万円のツアーなら、優勝者は20%にあたる2400万円を賞金として受け取ります。2位以下の選手は、大雑把に「順位に反比例する」と覚えておけばざっと計算できます。2位なら、1位の半分で1200万。50位なら48万円、というところです。ですから予選通過をこつこつと重ねていれば、賞金を稼ぐことができるわけです。ちなみに横峯さくら選手は、連続100回の予選通過まで後1回、という大金字塔を打ち立てようとしています。すばらしい!

    なお、賞金以外にも、競技主催者や協賛企業から副賞が贈られます。スポーツカーや自社製品1年分というように「おお、すごいなぁ!!」と思うような商品もあれば、中には耕運機など「これをもらって、使いこなせるのか?」という副賞もたまにはあります・・・。


  3. ゴルフ用品メーカー等からのスポンサー収入
    トッププロの場合、賞金よりもこちらの収入のほうがはるかに高額になることがあります。今年から石川遼が「キャロウェイ」というゴルフクラブメーカーと契約したことで話題になりましたが、彼のようなプレイヤーであれば契約金で数億円、さらには専用の練習場やら遠征用の住居も含めた完全なバックアップ体制が敷かれることになります。まさに至れり尽くせり、といったところですが、メーカーが販売したいクラブを試合で使うことになれば、慣れ親しんだ道具を使えずに苦労することもあったり、そうでなくても勝利へのプレッシャーが半端ではなかったり・・・楽なことばかりではないのだろうと思います。

    ちなみに契約を結ぶのは、ゴルフクラブやボールのメーカーだけではありません。ウェアやサングラス等を専用に製造しているメーカーなども、こぞってプレイヤーとの契約を狙っていますし、サンバイザーに有名な企業のロゴが入っている海外のトッププロもいらっしゃいます。


  • スポンサーは選手の「目利き」で勝負

スポンサー企業は当然のことながら、広告宣伝効果を期待して選手に資金や用具を提供します。ですから、「どの選手が活躍するか?」「どの選手に人気が出るか?」ということを見極める「目利き」が非常に大事になります。特にウェアについてはファッション性を追求したメーカーも多いので、例えば女子プロゴルファーの「強さ」だけではなくて「ルックス」も含めて、目をつけた選手にはアマチュア時代から営業をかけるということも多いのだとか。


さて、実は松山選手は「ダンロップ」との契約を結んだのですが、契約先を決める過程で、もとあるウェアのメーカーから契約のオファーがあったことも報じられています。

それが、「ユニクロ」でした。
※実際には契約にはいたっていません

そう、ユニクロも世界のアスリートにアンダーウェアやポロシャツなどを提供して、スポンサー料を支払っているのですが、実はこの「目利き」がとても得意な会社でもあるのです。


たとえば、テニスプレイヤーの錦織圭選手も、数年前からユニクロのロゴの入ったウェアを着ています。彼の今の快進撃は誰もが知るところでしょう。テニスといえば、車椅子テニスの国枝信吾選手もユニクロがスポンサーについています。

ゴルフでは、2013年のマスターズを制したアダム・スコット選手がユニクロのシャツを着ていることで話題になりました。


そう、ユニクロがスポンサー契約を結んだ選手は、世界を舞台に堂々の活躍をしているのです。

そしてそんなユニクロが、デビュー早々松山選手に目をつけました。このことは、松山選手がトッププロとして、近い将来マスターズを制覇できるような器の持ち主であると、太鼓判を押されたと見てもいいのかも!?知れません。


マスターズで過去にトロフィーを戴いた日本人プロゴルファーはまだいません(アマチュア選手の中でのベストスコア「ローアマ」なら、松山選手が獲得しましたが)。彼の今後の活躍を、楽しみに見守りたいと思います。