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流行語大賞4つは多すぎるから、勝手に1つに絞ってみました

流行語大賞4つは多すぎるから、勝手に1つに絞ってみました

眞山 徳人

ベルギービールをこよなく愛する公認会計士。座右の銘は「できるときに、できることを、できるだけ」。

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こんにちは、今日もお読みいただき有難うございます。

さて、2013年12月1日に、「現代用語の基礎知識選『ユーキャン新語・流行語大賞』」が発表されました。

今回は今までとは異なり、同時に4つもの言葉が「大賞」に選ばれました。

  • 今でしょ!
  • じぇじぇじぇ
  • おもてなし
  • 倍返し

確かに、これら4つの言葉は、いずれも肉薄した流行ぶりでした。

 

しかし、このニュースを聞いたとき、私は率直にこう思ったのです。

「いくらなんでも、4つ全部はないんじゃない?」

 

流行語大賞は狙ってとることが非常に難しく、どちらかというと「ひょんなことから受賞」するケースが多いようです。だからあまり拘る必要も無いのかも知れませんが、それでもやっぱり、「賞」というのは希少性の証ですから、量産してはいけないのだ!と私は思っています。

というわけなので、今回は4つの流行語大賞から、勝手にまーやんが「1つだけ」を選ぶという、いつもと趣向の異なることをやってみたいと思います。

が、もちろんこのブログは「ロジカル」を売りにしていますから、できるだけ論理的な視点を加えるようにします。

 

 

そもそも、流行語大賞の定義は?

流行語大賞を選ぶにあたって、まずはこの賞の意味するところをしっかりと明らかにしてみましょう。

新語・流行語大賞(しんご・りゅうこうごたいしょう)は、その年1年間に発生した「ことば」のなかから、世相を軽妙に映し、多くの人々の話題に上った新語・流行語を選び、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞。

長いので、いくつかポイントを挙げます。

  1. その年1年間に発生した「ことば」
  2. 世相を軽妙に映し
  3. 多くの人々の話題に上った

これらを最も忠実に満足しているのが流行語大賞と言うことです。

今回はこれら3つのポイントに、4つの流行語を当てはめてみることにしましょう。

 

「おもてなし」「倍返し」は選外。

まずは1つ目のポイント。

その年1年間に発生した「ことば」であることが要件になっていますが、4つのキーワードを見たときに、「おもてなし」は少し違和感を感じます。

おもてなしという言葉自体は古来からある言葉ですから、そう言う点では流行語にそぐわないと考えられるわけです。

もっとも、今回受賞したのは厳密には「お・も・て・な・し」という、4つの「・」で区切られた言葉ですから、それ自体は確かにこの1年で発生したものと言えるかも知れません。ただ、あえて理屈をこねると、「・」という記号を使った時点で、今度は「それって『ことば』?」と突っ込みたくなるわけです。

今回は4つから1つへの絞り込みを目的としているわけですから、要件を厳格に当てはめると、「おもてなし」は選外とせざるを得ません。

むしろ、「おもてなし」は今年だけの流行でとどまるのではなく、日本人がずーっと大事にしたい言葉として、心にとどめるべきだと思います。

 

 

残り3つのワードのうち、「倍返し」も物言いをつけたくなります。

この言葉が脚光を浴びたのは、ご存知「半沢直樹」のドラマですが、このドラマはそもそも池井戸潤さんの小説が原作となっています。これらの原作のうち「オレたちバブル入行組」は2004年、「オレたち花のバブル組」は2008年に発表されたものです。

原作でも「倍返し」というフレーズは1、2度使われていますので、この言葉のルーツは2004年、ということになってしまいます。

くどいようですが、今回は4つから1つへの絞り込みを目的としているわけですから、要件を厳格に当てはめると、「倍返し」もまた、選外とせざるを得ません。

 

 

世相を映すという意味では、残り2つは互角。

世相を軽妙に反映するという意味では、「じぇじぇじぇ」という言葉も、「今でしょ!」も、時代をうまく捉えています。

 

インターネットが普及した今、私たちの生活にはつねに「ニュース」「話題」があふれています。話題にはサプライズがつきもので、その驚きを手軽に表現し、共有する手段として「じぇじぇじぇ」という短いワードが、あるわけです。

短いワードというのも非常に大事です。twitterなど、文字数の制約のある中での表現が求められる中、シンプルに感情を表せることが時勢に乗っているという印象を受けます。

 

いっぽうの「今でしょ!」も時勢に乗っかったキーワードだと思います。この言葉は元々は受験生に向けて発信されているものですが、ビジネスマンにとっても非常に使い勝手が良かった。

スピード感が求められる今のビジネス環境では、「いつ?」「いつまでに?」そもそもこれらの疑問文が飛び交いやすいわけで、それへの返し文句として、「今でしょ!」という応じ方が非常にマッチしていたなぁ、と感じるわけです。

 

2つ目の要件では流行語大賞をしぼりきれないので、3つ目の要件で決着をつけましょう。

 

 

話題に上っていたのはどっち?

3つ目の要件は「多くの人々の話題に上った」ということですが、これも非常に判断が難しい所です。

 

まずは表面的ではありますが「じぇじぇじぇ」と「今でしょ」がどれくらい使われていたかを比較してみましょう。

12月3日の朝の時点で、「じぇじぇじぇ」をYahoo!検索すると、30,800,000件。

いっぽうで、「今でしょ!」を検索すると、361,000,000件。

意外にも、1ケタ差を付けて「今でしょ!」が多かったのです。驚きですね。

 

もちろん、言葉はインターネットでのみ使われるわけではありませんので、これが単純に結論とはなりにくいと思います。しかし、日常会話で「じぇじぇじぇ」「今でしょ」どちらを使いやすかったかと言うと、やはり断然後者だったような気もします。

「話題に上った」という点でも、「今でしょ」はその言葉自体が(良い意味で?)一人歩きをしていて、林修先生とか東進ゼミナールという固有名詞は2の次だったのに対し、「じぇじぇじぇ」は言葉そのものではなく、朝ドラが話題に上る結果としての「オマケ」的な言葉だったような気がします。

 

そういうわけで、この2つの流行語を比較すると、「今でしょ!」に軍配。

 

まーやんが選ぶ流行語大賞は「今でしょ!」ということになりました。

おめでとうございます!!(笑)

 

 

余談:「決められない流行語大賞」と現代社会

流行語大賞の2つ目の要件に「世相を軽妙に反映」というものがありましたが、実は今回、流行語大賞が4つ選ばれたこと自体が、ある種の世相を映し出しているような気がしてなりません。

 

少し前まで、永田町では「決められない政治」という言葉が流行っていました。複数の対立する案から、いずれを選ぶのか。政治家でなくても、色々な思惑を抱えた人たちが集まると、甲案でも乙案でもない「折衷案」が選ばれがちです。

子どもたちの世界でも似たようなことが起こっています。成績の上位者を開示しなかったり、通信簿が優劣を判断しづらいものだったり・・・。

今回の流行語大賞は、そんな世の中の有様をそのまま映し出した、そんな結果だったなぁ、と余談ながら思っています。

 

皆さんは、どの言葉を大賞に選びましたか?

あ、・・・もしかして、決められない?