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意味不明の避難地域解除

意味不明の避難地域解除

マイク 丹治

セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。

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どうも新聞情報では9月に福島の放射能避難地域が3キロ圏を除いて解除されるという話だ。しかし、現実にはメルトダウンが起きていて、地中に汚染が広がっているかもしれないということなので、そのような状態で解除することの意味が全く分からない。

そもそも当初から自主避難のような形式で、行政側は責任回避し、今回の解除も地元行政に最終判断は委ねる想定だという。

確かに、それぞれの地域の復興を少しでも早く行いたいという住民の希望はあるだろうし、通常の災害復旧であれば、出来るだけ早急に元通りにすることが最も重要な政策課題だろう。だが、今回の事象はこれとはまったく異なるのは明らかだ。

ストレステストについても指摘したが、そもそも何が起こっているか未だに関係者を含めて理解できていない状況で、海外の例だけでストレステストを行えば大丈夫だとか、或いは避難地域を解除するだとかいう考え方が出てくること自体、理解の限界を超えている。

もちろん本当に危機的状態かどうかは分からないし、不必要に騒ぎ立てることは決して好ましいことではない。しかし、人の生命がかかっていることであれば、まずは慎重にことを進めるのは当然ではないか?本人たちが戻りたいと言っても、強制的に止めるくらいのことをするべきではないか、と私は思う。

それこそ、避難民の家に帰りたいという言葉や、地元の早急な復興をという声に乗って、責任感ない判断をしているとしか考えられない。これは避難民の生命を脅かす犯罪行為だ言われても仕方ないのではないか?

震災直後からいろいろと発言してきたが、力不足もあってあまり貢献できていないことに忸怩たる思いだ。当時から整理していた復興戦略のメモを添付する。米国の格付け問題とか、若干の環境変化はあるが、概ね5カ月を経た今でも通用すると思っている。識者各位のコメントをお待ちしている。本気で動かないといけない気がしている。

災害復興と日本再生のグランドデザイン20110628.docx