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やっぱり時代の変わり目?

やっぱり時代の変わり目?

マイク 丹治

セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。

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先週はずっと海外だったので、投稿が遅れた。既に新たな週が始まっているので、簡単にコメントする。

まず、いくつか雑誌の記事について。Economistでは、最近の米国のアルカイーダの幹部の殺害について、記載している。"drone"という言葉を使っているが、要はハチ。無人機を使って、ピンポイントで殺戮が出来るところがミソだ。確かに、テロリストなどを排除するのに適しているのだが、考えてみればこのような技術が更に進歩して、簡易に使えるようになれば、簡単に人を殺せるようになる。

そこで、Economistの記事は、次の疑問を提示している。①このような攻撃は戦時法の対象となるのか?②このような殺戮はそもそも合法なのか?③このような方法は、長期的に見て米国の正義と合致するのか?いずれも簡単には答えられない問題だが、相変わらず物理的紛争でしか種族や国家間の衝突を解決できない人類にとっては、重い課題だ。

次に、文芸春秋。東大の佐倉教授が「科学技術の敗北」と題して、コラムを書いている。原発事故のみならず、地震予知、ロボットの投入、被爆リスクの情報開示などに関して、今回の地震を通じて日本の科学技術の機能不全を指摘している。恐ろしいのは、これだけの問題を見せつけられても、相変わらず日本の技術は世界の中で優れている、例えば韓国や中国などの技術は参考にするに足りない、どうせ日本のまねにしか過ぎない、と多くの日本人が考えていることだ。

何度かこのブログでも書いているが、そもそも日本が優れているということになっていた生産管理や工程管理も、かなりの分野で日本の技術は世界一ではなくなっているようだ。中国の新幹線を笑うのは勝手だが、新幹線の分野ではさすがにまだ日本の技術が長じているかもしれないが、同じような大型技術の原発では、結局何が起こっているかすら解明できないことを思い起こすべきだ

米国で、州政府の役人や、大手企業の経営幹部などと話す機会があった。想像力を持たず組織運営が出来ず、右へ左へ政策がブレる直前の総理大臣の話をしたら、ある経営者が「わが国も全く同じだ」と指摘した。IT関連の産業について、これを責任をもって司る官庁が存在しないので、どんどん進化する技術に行政の基準作りがついていかないと言ったら、州政府の役人が「そんなことはわが国でも珍しいことではない」と答えた。

また、国家として重要な施策でも、政治家は政争の具に使ったりするので、結果として実現しないことが多いと話したら、同じく役人が「わが国も同じ」と返した。どうも、米国でも日本でも、これまでの仕組みが徐々に機能不全に陥っていることは同じようだ。もう、時代は大きく転換しようとしているのではないか