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学ぶ姿勢と変わる勇気

学ぶ姿勢と変わる勇気

マイク 丹治

セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。

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またまた週末が詰まっているので、取り急ぎ簡単な内容で!

先週から今週にかけて、海外の方々とお会いする機会が何度かあったので、感じたことを述べたい。まず、先週米国の元海軍大将と会う機会があった。いわゆる広い意味での安全保障の件でお会いしたのだが、その際サイバーテロとか情報セキュリティなど専門外の話をしたのに対して、極めて適切に答えていたのを見て、さすがに米国のエリートは優秀で、しかも国際感覚はもちろん、組織のトップとしての自覚があると改めて敬服した。

米国全体としては、残念ながら民度が落ちてきていることは否めないが、国を支える人材の中心にこのような人間を育てる仕組みがあれば、まだ先はあるような気もする。わが国の人材の払底に鑑みると彼我の差を感じずにはいられない。ちょうど巨人軍の清武氏の涙の抵抗が話題になっている。事の経緯や彼の姿が適切であったかどうかは別にして、そもそもナベツネと言われる人物が、これだけの長期にわたり最大のマスコミの一つを牛耳り、更には政界や財界にも発言力を持ち続けるということが、良く考えてみると異常だ。それほどわが国は変わる、或いは変える勇気がないということで、このような社会に未来は期待できない。

一方で、今週韓国から来ている判事と検事の方々4名にお会いした。それぞれ比較的若手の方々で、日本の大学で1年のプログラムで研究をされているのだが、その対象項目が例えば裁判員制度だったり検察審査会だったり、要は自国と違う仕組みなのだ。つまり、今や製造業などを含めて日本を凌駕する分野も少なくない国であるのに、わが国の制度に一部学ぼうという気持ちがあることに、新鮮さを感じた

また、今日はインドの最大の弁護士事務所のオーナーとお会いしたが、まだまだ日本とのビジネスは決して多くないのだが、3か月に一度は日本に来て、いろいろな人と情報交換をしていると言う。日本においてインドに対する認知が低いことを良く理解しており、それに対する意見を様々な人間から聞いて参考にするのだそうだ。

このような各国の人々の努力、更には学ぼうという姿勢を拝見して、日本ももっと学ぶべきところがあるように感じる。ジャパンアズナンバーワンと言われ、一時は世界経済を席巻してその力が未だに残っているかのように誤解している思い上がりを、今一度反省すべきではないだろうか?成長鈍化を円高のせいにし、製造業の優位性を未だに幻想し、だからTPPで、という発想は本当に正しいのか?日本の生産管理や生産技術は今でもそんなに幅広くトップ水準なのか?世の中が大きく変わっていく今の時代に自分たちだけは変化についていけず、井の中の蛙大海を知らず、ということになっていないか?