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戦後の復興の前向きな気持ちを思い出そう!
マイク丹治の「グローバル・アイ」
戦後の復興の前向きな気持ちを思い出そう!
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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原発についての経団連の動きや、民主党・自民党の総裁選など、全く意味不明の状況がそこらじゅうに広がっていて、何とも言えないところだ。だが、今日はそういう話題ではなく、少し前向きの話が出来ればと思う。
先週、バングラデシュに行ってきた。自分としては、結構海外も行っているがこの国は始めてである。ただ、1990年代に、中国やベトナム、タイ、インドネシアなどを見ているので、もちろん個々の国ごとに経済の発展状況など違いはあるが、ある意味同じような状況であるのは感じられた。
ただ、アジアの途上国に行くたびに感じるのは、確かにまだ貧しい暮らしだが、着実に経済が伸び、その成果として国民の生活も向上していることから来る、国民の前向きさだ。皆が目を輝かせて、一生懸命仕事をし、それが会社のため、経済のため、国のためになると同時に、自らの家庭の生活の向上につながる、そういう意気込みが感じられる。
そして、このような途上国の姿を見るたびに感じるのは、一つはわが国国内で蔓延する後ろ向きの態度であり、もう一つはそういう発展途上にある地域などに対するわが国の産業などの意気込みのなさだ。
バングラデシュについて、正確な数値を入手したわけではないが、アジアの途上国に行くたびに驚くのは、例えば韓国の人々の積極性だ。もちろん国内市場が限られているとか、日本以上の学歴社会で、一流大学以外の人が国内で有力企業に就職できないとか、という理由もあるのかもしれないが、ともかくも様々な可能性を目指して先進国だけでなく途上国も含めた海外に積極的に挑戦する姿は、きっと戦後のわが国の産業もそうだったのだろうと思わせる。
バングラデシュにしても、他の途上国にしても、多分今の日本人からすれば、まだまだ貧しく、決して清潔ではなく、安全性も疑問があり、滞在するのに快適ではないということになるだろう。
だが、思い起こしてほしい。ついこの前まで、日本だって貧しく、不潔で、危険で不快なところであったはずだ。そして、そのような状態から、国民が一丸となって勉強し、努力し、一時的には世界で最も産業が力のある国となったのだ。
もちろん、何も経済力だけがすべてではない。だが、明らかに日本という国が、これまで世界で評価されてきた領域での競争力を失いつつある中、では我々はどうやって世界においてその存在を示し、世界に貢献し、そして国民の生存を支えていくのか、それを今こそ考え直して、前に向かって進んでいくべき時ではないか?
それが、海外への進出などはもとより、国内においても、ただ内向きで後ろ向きになっていては、それこそ日本という国の存在自体が失われていくという気がする。バングラデシュにおいても、立派な経営者がいて、新たな試みを模索している。そのような試みに、わが国の経験や能力を生かせるところがあるかもしれない。是非、最初からネガティブにならずに、What if?という発想で、様々な可能性を模索する姿勢を取り戻したい。