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就活生とCSRとの関係。

»2011年8月29日
CSR幸福論

就活生とCSRとの関係。

安藤 光展

CSRコンサルタント、ブロガー。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる - 経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。

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今回のお話は「就活生にオススメする、CSRとの関わり方」について。


‖ 最近の動向
CSR(企業の社会的責任)は、企業の姿勢が非常にわかりやすいポイントでもあります。CSRを推進する企業は、従業員に対しても何かしらのアクションをしていることが多く、広い意味で福利厚生が充実している可能性が高いのです。
ちょっと気になった人がいるかもしれませんが、「可能性がある」だけで、特に福利厚生は考えていないという企業もどうやらたくさんあるようです。いわゆる、エコ活動をCSR活動としている企業も多いですが、本業とかけ離れたものだった場合、福利厚生にまわるはずはずだった予算が、CSR予算として消えて行った...なんて例も。


ジェイブロード社の調査では就職活動イベントで、CSRについて興味関心があるかという質問(アンケート)をした際、9割近くが「ある」と答えたという。これで断定できるというわけではありませんが、就活生の多くは、企業のCSR活動に興味があるらしい。これを読むあなたも9割の中に入っていると思います。それだけ注目されている活動であるのに、企業のWebサイトを見ても、中学生の感想文レベルの説明しか載っていない所も多い。いや、むしろWebにCSRの解説がない所の方が多い気がします。


CSRに興味がある学生はどこでその疑問を解消するかといえば、説明会や面談なのかもしれません。しかし、都市伝説では「面談でCSR・社会貢献の質問をすると落とされる」というものがあるようで、面と向かって質問できなかったり、勇気を出して聞いてみたら、人事担当者が自社のCSR活動を説明できず、たいした収穫もないなんてこともあるらしい。面白そうなので、職業を偽って大手の面接受けてみたいな。まー、それは冗談ですけど。



‖ 消費者動向
各種世論調査によると、2005年以降、公共の利益(第三者の利益)に関心が高まってきたそうです。ちなみに、CSR元年(大手企業がCSR活動を本格的に始めた年)は2003年と言われています。当時は環境活動=CSRでしたが、世界の様々な変化によって、CSRも様々な側面が注目されるようになってきたと思います。東日本大震災(以下、震災)がCSRを加速させたのは言うまでもありませんが、実はそれ以前から、公共の利益への関心が高まっていたようです。

震災以降の消費者動向が色んな企業から出てますが、どのレポート見ても、「企業のCSR・社会貢献分野」への関心が上がっているようです。今回の震災でどれほど企業のパワー(CSR活動の影響力)があるか、企業も、一般生活者もよくわかったのではないでしょうか。学生もビジネスパーソンも、所属団体を離れれば、1人の生活者です。自分の所属する団体や、関連・興味のある企業の動向が気になるのは当たり前だと思います。




‖ CSRによる従業員の恩恵
CSR活動による、従業員の恩恵とは何でしょうか?この点も就活生のポイントかと思います。CSR活動を継続し、企業の信頼度が上がれば、売上げ向上による、従業員への賞与配分が増えるかもしれませんね。でも、難しい所なので、ほとんどの場合、体面的にCSRを推進する企業でもES(従業員満足度)が高いというわけでもなさそうです。とあるCSR推進する企業のインターンの子の話しでは、その企業の従業員の多くはCSRにあまり興味がなかったとか...。

CSRはあくまでも、企業の一つの側面にすぎません。本業を通じて、どんな社会を作っていくか。誰のためにビジネスをしているのか。そういった、本来の姿も含めて、企業を判断する必要があるでしょう。まぁ、そう言った本業を通じて社会の役割を担う事こそが、本当はCSRなんですけどね。



‖ CSRな結論
あくまで、CSRはステークホルダー(関係者)とのコミュニケーション・関わり合いの一つの形。妙にこだわるのではなく、それも踏まえつつ、自分の価値観と合いそうかなどで判断したほうがよいかもしれません。学生で、企業活動やCSRのすべてを把握することは不可能です。絶対基準というよりは、現状、参考程度にしたほうがよさそうです。むしろ、「俺がこの会社入って、CSRを充実させてやる!」くらいな意気込みでもよいのかもしれませんね。

企業の広報戦略(コミュニケーション戦略)でCSR的発想を取り入れる、なんてお仕事もしたことありますが、頭のいい学生も多く、知識が先行しすぎているのが印象的でした。あなたが就活生ではなく人事担当者だとしたら、CSR関連の質問は必ずあるとお考え下さい。人事担当者は学生にとって、社長以上に企業の顔です。胸をはって質問に答え、学生を不安にさせないようにしてくださいね。


今回は、とりとめのない話しになってしまいましたが、人事担当者も就活生もがんばりましょうね、とオチがついたところで、また次回。



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安藤光展

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