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CSRと広告賞。

»2011年11月15日
CSR幸福論

CSRと広告賞。

安藤 光展

CSRコンサルタント、ブロガー。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる - 経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。

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CSRと広告賞、直接関係はありません。少なくとも今までは。
昨今面白い動きが多くなってきているので、今回ご紹介したいと思います。



‖そもそも広告って?
そもそも広告とは何でしょうか。読んで字のごとく、
「広く告げる」ことであり、情報伝播・宣伝活動の手法です。

昨今、カンヌをはじめ、世界の広告賞では、
注目されるもののいくつかがソーシャルイシュー(社会問題)を
扱ったものであるのです。CSRというコミュニケーション。
つまり、広告主(企業)がコミュニケーションの一つとして、
CSR広告を制作し、発表するのです。

また広告会社が、NPO/NGOの広告で
賞を取るといったことも今年は多かった印象があります。
ブランディング活動の一環ですね。今までのCSR広告は、
内容も「イメージ広告」で、受ける感じとしては新年元旦の
新聞広告に近いものも多かった印象があります。

そういったモノではなく、「本気」で作ったCSR広告が増えているのです。
母数が増えれば、広告賞などのアワード受賞数も増える。


まぁ、この流れはわかっていたことではあります。
日本では相変わらず、環境広告と呼ばれる「エコ」を
訴える広告訴求が多いですが、本来CSR広告とは、
「企業の文化・理念・製品/サービスについて、
社会風土を踏まえて表現し、本業における社会的意義の訴求、
社会的課題の啓発をする広告」でなければならないと考えています。

日経アメリカ社ロサンゼルス支社CSRプロジェクト主催の
田邉雄氏も同様の表現をしています。
環境広告が悪いわけではないですが、それだけをCSR広告とするのは
いささか乱暴な話しかと思うのです。

CSR/SR広告がいかに重要か。
それは、増え続けているCSR関連の広告賞が物語っています。

世界の流れは止まりません。そういった状況もあり、
日本のクリエイター達も"何か"に気がつき始めているのではないでしょうか。
広告会社も企業サイドからの要望が増える中、
上辺だけのコミュニケーションではなく、
企業の本質を語る対話構築をしていただきたいものです。

それこそ、広告会社もCSRに詳しいNPOとアライアンスを組み、
広告会社自身のCSR構築推進も望みます。
世界の流れを見ますと、広告がソーシャルコミュニケーションそのもの
であると、やっと認識され始めたと感じています。



‖ソーシャルアライアンス
以前、日本的CSRは「ホワイトリスト方式(善を肯定する)」であると、
説明しました。これは日本的CSRが、企業性善説の上に成り立っていたから
とも言えます。ゆえに日本企業はNPO/NGOとアライアンスを組み、
CSRコミュニケーションを進めるのも、CSR広告には欠かせない事かもしれません。

ソフィアバンク代表の田坂広志氏は
「企業はCSRを超えて、ソーシャルアライアンスを進めるべき」と、
言っています。他社と組むことで、

より自社のアイデンティティが明確になるというのはあると思う。
ぜひ、企業はNPOとアライアンスし、CSR広告のシナジーを広げていただきたい。

また、広告会社もNPOとアライアンスを組み、
社会的課題の解決には何をすべきなのか、徹底的に議論をしていただきたい。

僕は、デザインは、「整理し、導くこと」であると定義しています。
コーポレートアイデンティティを確認し、
本業と社会的課題への取り組みを将来へのビジネスモデルとしてデザインする。
これがCSR広告ではないかと。デザインされ、共感を呼ぶCSR広告が、
アワードに評され、より広く告知されることを望む次第です。

もちろん、CSR広告のさらなるクオリティアップも必要ですが、
昨今の広告賞を拝見させていただいて、広告も捨てたものじゃないな、と勝手に感じています。

CSRレポートを数百件制作したなどの実績をチラつかせる
制作会社が相手をするのは中堅・大企業ばかりですが、
それこそ、社員一人の企業でも、
CSRについて話しをできるパートナー(広告会社・NPO・コンサルタントなど)
をみつけ、CSR経営を実践していただきたい。

本来は広告の前に、CSRが経営中枢の概念として理解されていなければ、
広告なんて意味がありません。経営の本質を理解しているからこその、
CSR広告。目的と手段は間違えないように気をつけましょうね。


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安藤光展

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