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ソーシャルビジネスと普通のビジネスの差について考えてみた。

»2012年3月19日
CSR幸福論

ソーシャルビジネスと普通のビジネスの差について考えてみた。

安藤 光展

CSRコンサルタント、ブロガー。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる - 経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。

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‖ソーシャルビジネスとは何か
今日は、ソーシャルビジネスとは何かをお伝えします。
ちなみに、ソーシャルメディアを使ったビジネスではないのであしからず。

まずはソーシャルビジネスの主体、
社会的企業(Social Enterprise)とは何でしょうか。

社会企業(社会的企業)は、
社会問題の解決を目的として収益事業に取り組む事業体のことです。
そして、社会企業が行うビジネスがソーシャルビジネスと呼ばれます。

チャリティーやボランティアなどの慈善活動は、
社会企業が主体であろうが、ソーシャルビジネスとは呼ばれません。
事業活動を通じて得た利益の使い方という点ではベクトルは同じですけどね。

株式会社が定款を非営利団体のもの近く作る所もありますし、
その定義は非常に曖昧とされています。

しかーし、です。
曖昧になりがちとはいえ、まったく原理・原則がないわけではないのです。
そこで、以下にソーシャルビジネスの7原則と呼ばれるものを挙げておきます。

具体的なものなので、改めて考えてみるにはわかりやすいかと思います。



‖ソーシャルビジネスに必要な7つの原則。

1.「ビジネスの目的は貧困問題を解決する、あるいは、人々や社会を脅かす教育、健康、技術アクセス、環境に関する問題、そして利潤最大化を目的にはしないこと」

2.「金銭的、経済的に持続可能なこと」

3.「投資家は、投資金額のみ回収ができる。投資額の回収を越えた場合は無配当」

4.「投資金額が回収された際、会社の利益はビジネスの拡大と改善に当てられる」

5.「環境に配慮されていること」

6.「従業員は、より良い労働条件で相場の賃金を得られる」

7.「楽しんで行おう」


グラミンユニクロより(http://grameenuniqlo.com/


‖ソーシャルビジネスの仕組み
上記に記載の通り、配当狙いの営利のみを目指すスタイルではありません。
それに、組み合わせのパターンもあって、
NPOがビジネス(営利事業)をするのもソーシャルビジネスと呼ばれることもあります。

しかし、法人格が、NPOか株式会社かというのは、
あまり関係なく、ビジネススタイルの中身で判断されるようです。

2000年代後半に「社会起業家」はクズだ!みたいな論調の、
上場会社の社長の発言などもありましたが、
何かの問題を解決しようとするビジネスそのものはすばらしいと考えています。
正直、世の中のビジネスすべてが、そうあってほしい。
幸せな人が1人でも増えるならいいな。



‖結論
ソーシャルビジネスも普通のビジネスも基本的になんら変わらないのです。

非営利セクターは、営利セクターの強みであるビジネスの"手法"を学ぶべきであり、
営利セクターは、非営利セクターが目指す社会的な"目的"を学ぶできであると思うのです。

社会起業が良いとか悪いという、近視眼的な議論はもうよくて、
企業の"あり方"を見直し、ただビジネスに邁進すればいいのかも。

双方の良い視点をまとめ、
社会に貢献すると憚らない企業が増えることを望みます。


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安藤光展

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