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社会貢献視点で見る、ブランド・CSR広告の3つのポイント

»2012年11月 6日
CSR幸福論

社会貢献視点で見る、ブランド・CSR広告の3つのポイント

安藤 光展

CSRコンサルタント、ブロガー。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる - 経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。

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‖社会貢献とブランド
社会貢献的側面をもったブランド広告はありうると思いますか?

今回は社会貢献視点をもったブランド広告を紹介したいと思います。

クリエイティブとかデザインで社会貢献という方法ではなく、
ブランド広告(企業広告)であるけれど、
とても社会的志向性が高い広告となってます。

クリエイティブ・レイヤーの方も、
マーケター・広報などの方はぜひ記事を読み進めていってもらえばと思います。

‖ブランド広告の3つのポイント
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1、エクスペリエンスを提供する
社会的メッセージをストリートアートと広告が担う。

TOYOTAベルギーによって行われた、ストリート・アーティストを起用して行われた、
後方注意喚起の広告。

背面に超リアリズムによる、子供が遊んでいるドローイングを描き、
そのメッセージを伝えるという、ストリートアートの手法によるものです。

リアルな絵を見て、ドライバーに事故を疑似体験させる。
この上辺だけのコミュニケーションでないところがポイント。

もちろんブランド広告ですので、
[drive with a rearview camera TOYOTA]という
タグライン(キャッチコピー)と社名も一緒に描かれています。

社会的なアクションをしつつ社名を出す。
社会的価値の高い、ブランド広告です。

参照: TOYOTA - Protect What's Behind You


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2、ブランドの新しい側面を語る
目が見えないハンディッキャップを持った子どもたちが、
カメラをもち、周囲の音や触ってみた感覚から、
感じるままにシャッターを切って行く。

ブランド広告に近い、サムスンのデジカメの映像広告です。
この広告は、今年の世界3大広告フェスの一つとも言われる、
カンヌライオンズ2012では、プロモ&アクティベーション部門でのゴールド受賞。
Spikes Asiaのフィルム部門ではグランプリ受賞。

デジカメは目で見えたものを撮るだけではない。
デジカメの可能性と、ブランドの新しい側面を見せてくれた広告です。

決まりきった世界観ではないモノを提供すること。
これも社会的側面を持つブランド広告と言えそうです。

参照:Samsung Camera INsight(YouTube)

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3、ユニークさ
トートートトト。
トイレで有名なメーカー「TOTO」、
サッカーくじの「toto」のコラボ緑化プロジェクトの名称です。

「社会貢献してます!」、「CSRしてます!」といった、
堅苦しいことはさておき、非常にユニークで話題となったブランド広告。

名前が似ているとか、通常のビジネスにおいて関係なく、
営利企業同士がCSRという名の下に協同プロジェクトをしている点がポイント。
どの企業でもできる、ということではありません。

ブランドをどう見せるか。トートートトトはユーモアという方法をとりました。
上記2つのブランド広告の世界観とは大きく異なりますが、
話題性が高く、いわゆる「バズった」広告となりました。

参照:トートートトト

‖まとめ
いかがでしたでしょうか。

エクスペリエンス、新しい側面、ユニークの3つのポイントは、
社会的意義の高いものだけでなく、
今後のブランド広告のヒントになるのかもしれません。

あなたもどこかで、
社会的意義の高いブランド広告を見かけることがあったら、
3つの視点で広告を切り取ると、
新しいマーケティングの発見ができるかもしれませんよ。

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安藤光展

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