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「ナマ・池上彰さん」と「一次情報」と「尖閣映像」(後篇)

「ナマ・池上彰さん」と「一次情報」と「尖閣映像」(後篇)

永松 和洋

ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。

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尖閣の映像が外に出てきたこと自身は一次情報に直接接触できる
という点で、大変ありがたいことでした。

政府関係者の一部の人達だけが、見ていて、
我々、一般の国民は、事件の真相について、
また、報道の信憑性について、
自分自身では全く判断ができない状況にあったわけです。

映像が流出した過程やその是非については、
テレビ等での多くの報道がなされていますし、それよりも
映像という一次情報から、今回の事件をどう判断したらいいのかを
考えたいと思います。

映像の内容については、誠ブロガーの
長浜和也さんが詳しくお書きになられているので、
ご参照ください。

結論から言うと、この映像を見る限り、
中国船が100%悪いとは
言い切れないのではないかと思います。

なので、証拠不十分で、
中国人船長は釈放されたのかなとも思ってしまいます。

日本船から撮った映像を見れば、
中国船がぶつかってきたと思いたくなりますが、
中国船から映像を取ったとすれば、
日本船が自分たちの前に立ちはだかって進路を妨害したと映り、
日本船の方からぶつかりに来たと見えることでしょう。

危険を回避する方法は、中国船だけに限らず、
日本船側にもあったように思います。

大変不謹慎で恐縮なのですが、
野球で、ピッチャー投げた球の球筋に沿って(近くに)、
バッターボックスに入って、避けてもないのに、
当たった当たったとアピールしても、
デッドボールは認められない場合もあります。

日本船がバッター、
中国船がピッチャーの投げた球と考えた場合の例えです。

中国船(外国船)の進路上に位置を取るという日本船の行為は、
武力行使を行えない日本ができる最大限の行為という説明も最もだと思います。

ですが、中国側が一切の方便を使えなくなるような状況を作り出さないと
一方的に中国船が悪いとは言い切れないというのが実情のようにも思います。

これがもし、日本船が、中国船から遠ざかるような進路を
とり、速度を緩めていない場合に、
中国船がぶつかってきた というのであれば、
あきらかに、中国船が100% 悪い と言い切れると思いますが、
今回のケースはそれに当たらないと思います。


中国船の前に位置するというのは、
中国船を威嚇(挑発)しているという
行為にも見えてしまいます。その気があるなしにかかわらず。

とにかく、中国船側の立場から見ても、
100%言い逃れができないという状況でない限り、
今回の対応(中国人船長の釈放)は致し方ないように思います。

という、 私の勝手な見解でした。

ここから先の踏み込んだ話は、
日本の国防のあり方にかかわる話になると思いますので、
この辺りでおしまいにしたいと思います。

今回の出来事を通して、もっと、国民目線で、
日本のあり方について、
日常で話すような機会を多く作ることができればと思います。

私の勝手な考えも、屁理屈 だと思う方も
大勢いらっしゃると思います。
ですが、この程度の 屁理屈を くつがえすことができなければ、
中国という過去の歴史をくつがえし続けてきた国に
対抗するのは難しいのかもしれません。

そもそも、日本側は、勿論、尖閣は日本の領土だと主張していますし、
中国側も自分達の領土だと主張しているわけで、
その前提が違う状況のまま、どちらの船が悪いかなんて
議論をしたところで、
話がかみ合わないのは当たり前
で、

どうしたら、中国が日本の領土だと認めてくれるのか
について、考えた方が早いかもしれません。

少し前にある中国人の方の講演を聞いた時に、
ある方が質問されて、
「日本人が中国人に見習うべき点は」 との質問に、
「それは、中国人の したたかさ ではないでしょうか」
とその中国の方は答えられていました。

うーん、確かに、そうなのだと思ってしまいました。

(前編はこちらへ)