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フレックスは本気でやらなきゃ機能しない
»2013年5月30日
そろそろ脳内ビジネスの話をしようか
フレックスは本気でやらなきゃ機能しない
株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。
当ブログ「そろそろ脳内ビジネスの話をしようか」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/noubiz/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
20年ほど前のこと。
全国に社員数が6000人くらいいる準大手のSIerに一瞬入社したものの、こらえしょうがなくすぐに退社。
大きな会社というのは、仕事がない状態でも数ヶ月放置されることがありまして、それがどうしても耐えらませんでした。。
このこらえしょうの無さというのはその後もずっと続いていて、やることもないのにただ座って終業のチャイムを待つなんていうのがどうにも耐えられません。
そんな時間があれば、早く上がって映画でも見に行きたいと思ってしまうのは私だけでしょうか?
と、そんな私の作った会社ですので、勤務形態は創業から一貫してフレックス。
所定勤務時間は、平日*8時間。コアタイムは11時から15時。です。
「え?フレックス?ノマドとかならまだしも、フレックスなんて今どき当たり前じゃないの?」
と思われるかも知れませんが、なかなかどうしてフレックスが本当に機能している会社というのは少ないものです。たぶん。噂によると。
私はこの制度をきちんと機能させるために以下の5つの点を気にしています。
1.その日思いつきで帰れること
前もって社員が計画を練り、上長にお伺いを立て、承認をもらってやっと15時に帰れる、なんていうのでは全然フレキシビリティがないです。
「あれ?考えたら今日割と暇じゃん」
「なんか今日だるい。納期も余裕あるし、今日は帰って明日から本気出す。」
こんな思いつきで帰れるのがフレックスというものです。
2.裁量労働制じゃないこと
裁量労働制とフレックスは似て非なるものです。裁量労働制だから勤務時間は自由、すなわち結果的にフレックス、なんてことだと、会社から限界までタスクが詰め込まれるのは明らかです。
そうなるとフレックスどころか毎日泊まり込まないといけないくらいまで仕事が溢れます。
「わー、疲れたー。今日は3日ぶりに帰るかー。」
と14時に上がったとしても、そんなの全然フレックスとは言えないです。
3.お客様へ周知する
フレックスの一番のメリットは朝のラッシュを避けられるということではないでしょうか。いや、むしろ6時とかからやる方が気合いが乗るという人は問題ないのですが、普通の人は、朝のラッシュでの体力の消耗を避け、11時頃から業務を開始して、21時くらいまでやって酔っぱらいラッシュの前に上がりたいのではないかと思います。
ここでポイントは、それをちゃんとお客様に言っておくことです。そうしないと10時頃に電話があるたび、「まだ来てないの!?○○さん、ちょっとだらしないんじゃないか」と、お客様を不安にさせてしまいます。
4.社内で周知する
意外と考えられてないのは社内での周知です。
「自分は朝型が好きなので、朝8時から来て夜はなるべく早く帰りたい」という人でも17時頃にまだバリバリやっている社員を残して「お疲れさまでしたー」と帰るのはちょっと気が引けるものがあるでしょう。トータルの勤務時間は変わらないにも関わらず。。
なのでうちでは社内SNSを使って、毎日今日の自分の作業予定を書くようにしています。
【8:00】 ←出勤時刻
-【島田】【A案件開発】4h ←PM名、案件名、予定作業工数
-【神田】【B案件開発】4h
本日16時半頃にあがらせていただきます。 ←文句があれば早く言え
こんな感じです。
こう宣言しておけば、17時くらいに「え!?○○君、帰っちゃったの!?」ということが無い、というか、書込みに気づかなかった方の責任です。
5.仕事が出来る上司・先輩が率先して使う
フレックスは合理的・理性的に考えれば優れた制度です。
とは言っても、やはり自分より仕事が出来る人が自分より長い時間仕事をしているのを横目には帰りにくいものです。その辺の心の機微は汲み取る必要があります。
そこはやはり先輩が積極的にフレックスを利用して見せる必要があります。
ただ、フレックスは、単にラッシュを避けて楽をしたり、平日の昼に映画を見たりするラッキーな制度ではありません。仕事がたくさんある時はしっかり詰めて仕事をする、というところも含めて先輩が上手に活用している、という手本を見せるのがもっとも重要です。
結局、フレックスについて多くの方が勘違いしているのは、それを経営者から社員への報酬だと思っているところです。
経営者は「たまには早く帰らせてあげる」という認識でフレックス退社を認め、社員は「申し訳ないけど取らせていただく」という意識で申請したりします。
これはまったく誤りで、フレックスの本質は労働リソースの最適配分を、一番状況を分かっている社員本人に任せる、ということです。フレックスは権限委譲の一つなのです。
その認識の元に制度を作り、社員の意識を高めていかないとフレックスは形だけの骨抜き制度になってしまうか、ただ勤務時間が短いだけの組織になってしまうと思いますね。
追記
★現在、プラムザではシステムエンジニア募集しています。
今回は、未経験者をメインターゲットにしています。
もちろん経験者も歓迎です!