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会社の意志決定に民主主義など無い、とは?
そろそろ脳内ビジネスの話をしようか
会社の意志決定に民主主義など無い、とは?
株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。
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先日のエントリーの中で、会社の意志決定には民主主義などない、大学あたりでそれを教えてもらいたいと述べました。
就職難時代に大学に期待すること。
http://blogs.bizmakoto.jp/noubiz/entry/1673.html
こう言うと、まだ就業していない学生さんの中には、なんだか会社って奴隷小屋みたいなところで夢も希望も何もないな、と思われそうですが、実際そんなに酷い話でもありません。
これを「高等学校の修学旅行先をどこにするか?」という議論を例にとってお話ししましょう。
通常、高校あたりになると、修学旅行の行き先は生徒の自主性を重視して、『民主的に』決定されることが多いと思います。ただ、これはイベントとしては面白いですが、はっきり言ってまやかしです。
大抵の場合、行き先の選択肢は先生があらかじめいくつかに絞っています。
- 北海道の自然を満喫コース
- 京都/奈良の古都を散策コース
- グアムでリッチにバカンスコース
「この3コースには、学校の提携ホテルがあるからどこでも行けるぞ」
「さあ、どれにする?」
「みんなで意見を戦わせて決めなさい」
と、こんな感じです。
学校でも、本当の民主主義を実行すると、先生の予測を超えた結論が出てしまう可能性があるので、厳格なセーフティネットが張ってあるのです。
たとえば
- 韓国延坪島に砲弾の跡を観にいくツアー
とか、
- 軍艦島で肝試し&無人島生活ツアー
などは、それがたとえ民主的な多数決によって決まったとしても、また、予算・日程的に問題なくても、絶対に却下なわけで、そんな結論にならないように、あらかじめの選択肢が与えられるのです。「提携ホテル」があるとか言って。
では、会社の意志決定プロセスはどうでしょうか?
すべての会社でこうとは限りませんが、弊社でこの手の議題に対して、採る意志決定プロセスはこうです。
- 旅行先選定委員会を発足する。委員の選定は、上長が適性を判断して3~4名指命する。それと任意の立候補を数名募る。
- 旅行先にはどんなところがあるか、どこに行けばどんなメリットデメリットがあるか等、委員会でブレストを行う。
- その中でおおよその方向性を決め、まとめる力のある人間1名が数日後までに何案かの叩き台を作る。
- 叩き台が出来たら再度委員会を開き、各案を叩いてブラッシュアップする。
- 意見が出尽くしたところで最終的に上長が、判断を下す。
こんな感じです。
結局、学生の民主主義的会議と何が違うかというと、
「意志決定までの時間を最短にしようという強い意志がある」
「どうせ通らない雑多な意見は始めからカットする」
「最終決断は、上長の責任で下してしまう」
というところです。
乱暴ではありますが、しかし、その効果を見てみれば、変な結論が出ないように張られた厳しい「セーフティネット」は無く、選択の自由度は増していますし、個人の持つ有用な意見が取り入れられる可能性も高いです。
また、最後に、多数決ではなく、上長の責任で決定するというのもミソで、これにより、その結論が万一誤りであったときに、上長の責任で済むわけです。
この手の議論では、どうせ、どの案にもメリットデメリットがあり、数量的な比較などできないのですから、上長が『長年の経験によるカン』で、エイヤと決めてしまえばよいのです。
多数決を取れば、負けた側が面白くありませんし、最終的に失敗だった際には勝った側が責められます。同じ目標に向かっているチーム内でそんな感情が生じることは不毛です。
つまり、会社の意志決定のプロセスは、極めて合理的かつ効率的、効果的にできているだけで、これを「民主的ではない」と表現したのです。
是非、民主的でないものが悪で、何も意見が通らない仕組みだとは、思わないでいただきたいです。
ちなみに、この意志決定プロセスは、意志決定のために許された時間が短くなればなるほど、簡略化され、もっとも短いケースでは、『突然の上長の独断』まであります。しかし、独断は、このプロセスの簡略版だと思えば、納得できませんでしょうか?
、、、確かに、毎回毎回完全な独断ばかりだと、良くないですね...^^