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初めて部下を持ったとき、押さえておきたい3つのポイント(2/2)

初めて部下を持ったとき、押さえておきたい3つのポイント(2/2)

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

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(昨日の続きです)

【point2】上司には、部下のいいところを報告せよ

あなたが上司に任命され、何名かの部下を当てがわれたということは、あなたがその部下よりも仕事が出来ると言うことです。

それは紛れもない事実ですので、「部下が仕事ができない」ということを、ことさらあなたの上の上司に報告することはありません。

そんな報告をすると、上司はあなたのことを、「人を批判して自分を大きく見せようとする小さい人間」と捉えたり、「自分に与えられた職務をまるでわかっていない駄目な人間」と思うことでしょう。本当は組織のためを思って注進しているのにも関わらず、です。

むしろ、上司には逐次、自分の部下のいいところを報告すべきです。ありもしないことを捏造して報告せよというのではないですが、部下の行動をよく観察して少しでもいいところがあれば、報告するのです。「彼の後にトイレに入るとロールペーパーの先が折ってある」でも「飲み会を開くと彼の周りは異常に盛り上がる」でも何でもいいのです。

そうすると、あなたの上司は、「ほう、そんなことは気づかなかったな」と思い、素直にあなたの視点を重宝がることでしょう。そして、「そうか。で、そのほかの働きぶりはどうなんだ?君が苦労しているところもあるんだろう?」と聞く気になると思います。

初めから部下の批判を始める報告方法では、「自分をよく見せようとしているんじゃないのか?」と思われてしまいます。この先入観を持たれることは管理職としては最悪です。


【point3】上司は部下のために謝る仕事だと認識せよ

ただの話のわかる先輩と、上司の大きく違うところは、部下のために謝ることがあるかどうか、です。

先輩は、通常、後輩の失敗で誰かに謝ることはありません。だからこそ、極めて無責任な擁護が出来るのです。仮に何故かそういう責任者的な立場にさせられていても、最後には、「自分は彼の上司でもなんでもありませんので、そんなこと言われても困ります!」という反論が出来ます。

しかし、上司にはそれが許されません。

部下の失敗は上司の失敗であり、一切の言い訳は許されません。(...のはずです^^)

逆に言うと、上司の役割とは、部下のやったことで謝る覚悟を持つ職務だと思った方がいいです。

「なんでこいつのせいでオレが謝らなきゃいけないんだよ」と思うと、大きなストレスが溜まることと思います。ストレスは理想と現実とのギャップによって生まれるものです。初めから「上司とは、部下のために謝る仕事」だと思えば、腹も立ちません。

これはただの気の持ちようです。

 


仕事は、基本的に、お芝居のようなものです。「脚本」と「アクター」で成り立っています。

自分の中で、理想の人物像の「脚本」を書き、自分の肉体は「アクター」としてその筋書き通り、かつ精一杯行動するのです。

このあたりについては、

に詳述しています。

ただ「自分が経験したことのない世界」の脚本を書くのは至難の業です。頭のよい人は、それが本能的にわかっているので、敢えて新しい領域の本を書かないよう、避けているのかも知れません。

しかし、上記のような3つのポイントを脚本の中に織り込んでおくと、その役所(やくどころ)はとりあえずかなりデキがよく深いものに感じられると思います。

また、若い人でもできそうなお話で、かつそれほど人格的に破綻してもいないでしょう。

人格が破綻している脚本を書いてしまうと演じるアクターの方が精神的に壊れてしまいますからね。

きっと、はじめての管理職としては、このあたりを押さえていけばまずは十分だと思います。