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初めて部下を持ったとき、押さえておきたい3つのポイント(1/2)
そろそろ脳内ビジネスの話をしようか
初めて部下を持ったとき、押さえておきたい3つのポイント(1/2)
株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。
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どうも最近、世間一般に管理職という仕事が人気薄のようです。
その気持ちはわかります。
大して給料はアップしないのに、激務となり、責任も増える。しかもさらに上の上司からは
『部下をもっと教育しとけ』
『カネではなく人望で残業させろ』
などと無理難題を突きつけられ、下からは
『もっと上にしっかり言ってください』
『そんなこと言うならやって見せてください』
と責め立てられ...。
これで、進んで管理職をやってみたいと言う人がいれば、相当なMな性格でしょう。
ただ、まあこんなのは、ドラマや週刊誌で取り上げられる極端なケースで、実際のところは、そういう会社ばかりではありません。
管理職を嫌がる人たちの多くは、こんなイメージが先入観として頭にこびりついているのではないでしょうか。
あるいは、先輩の管理職にうまくやれている人がまったく居なくて、イメージがわかないとか。
確かに人をマネジメントするというのは、その前までの『タスクをマネジメントする』『物や情報をマネジメントする』のとはちょっと違うので、ある程度の指針が無いと何から手をつけていけばいいのかわからない気がします。
ということで今回は、『管理職なんてまっぴら御免だ』『オレは一生平社員でいいわ』という、もったいない社員さん向けに、『初めて部下がついたとき』に押さえておきたい3つのポイントをアドバイスさせていただきたいと思います。
人のマネジメントは、これは書き出すと1冊の本では終わらないようなトピック満載なのですが、言ってみれば
- 『バッティングは、右打者なら左手首に意識を集中するといい』
- 『習字は、美しい字を視覚として記憶することが大事』
的なポイントです。
【point1】操作主義こそ最大の敵
まず1点目。これがもっとも重要です。
初めて人の上司に立ったとき、これはおそらく100%近くの人がやってしまいます。
「部下を自分の思いの通りに動かして、今まで一人では出来なかったことをやってやろう」
と。
もちろん私もそうでした。しかし、これでは人は一切動きません。仮に一瞬動いても長続きせず、すぐに離れていってしまいます。
この操作主義のための工夫を試行錯誤する時間が、マネジメントの中で最も無駄ですので、いち早くこのステージを脱出すべきでしょう。
何が操作主義で、何がそうでないのか、意識して自分自身の行動を観察していると、意外と早くそこから抜け出すことができると思います。逆にその視点を意識していないと、なかなか操作主義的な人心掌握テクニックから抜け出せません。
操作主義は、「厳しい上司」「怖い上司」に特有の思想ではありません。「合理的思考な上司」、「社員に甘い上司」、「誉めて伸ばす主義の上司」どんな上司であっても、それに当てはまることがあります。
要は、相手を自分の思い通りに動かし、自分を利する方向で使ってやろうというのが操作主義な人間です。
たとえばもっとも若者受けしそうなタイプの「誉めて伸ばす主義」の上司でも、自分の思い通りに動かして、自分のイエスマンにしてやろうという意図で「誉めるところ」を決定していれば、それは操作主義です。「貸しをさんざん作っておくことで、何かの時には味方になれよ」という意図で「甘やかす」上司もまた然りです。
人は本来、他人の思い通りに動くことが大嫌いです。
「自分の部屋とはいえ、さすがに汚ねぇな。そろそろ片付けようかな。」
と思っていたとき、居間にいる母親から「いい加減に部屋を片付けなさいよー!」と言われたときの気持ちを想像して下さい。合理性とは掛け離れた制御不能な醜い感情が沸き起こりますよね。それが人間というものです。
しかしその本能に逆らって、操作主義に与(くみ)しようとする部下がいます。それはおおよそ以下の3つのタイプに分かれます。
「まだ若く、人の本質を見る目が育ってない人間」
「上司の権力に盲目的に従い、自分の頭で考えない人間」
「上司のその態度を逆に利用してやろうという人間」
(田坂広志著 ・・・「なぜマネジメントが壁に突き当たるのか」 p.222~p.223 あたり。オリジナル表現をブレンドしてます。)
そして、操作主義を行う上司の下につく部下は、上の3つのタイプの人間ではなかったのにも関わらず、次第に皆その性格になっていく傾向があり(そうならないと自我が崩壊するからです)、それが組織を腐らしていきます。
組織は、組織全体の利益が、個人の利益にもつながってしかるべきです。突き詰めれば、きちんとそうなっているはずです。
決しておためごかしではなく、「部下の成長が、本人のためにもなるし、自分のためにもなる、そして組織全体のためにもなる。」ということを心から理解して、そのことを部下に背中で教えてあげる勇気が必要です。
あ、これは、一番難しいお話でした...。私もまだその努力をしているところです。
しかし、向かうベクトルとしては、そういう向きだと思います。その方向性で工夫を重ねていくのが基本です。
(長くなりましたので続きは明日...)