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良質な不満をそっと抱えよ

良質な不満をそっと抱えよ

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役社長。システムコンサルタント。1998年に28歳で起業し、現在も現役のシステムエンジニア、コンサルトとして、ものづくりの第一線で活躍しつつ、開発現場のチームとそのリーダーのあり方を研究し続けている。

当ブログ「そろそろ脳内ビジネスの話をしようか」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/noubiz/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


以前、


という記事を書きました。

要は、

『人間、不満の無いところに工夫はないから、いつも世の中の不合理に怒り続けよ』

という趣旨です。

しかし、これはいつも不満な顔をし続け、愚痴を言い続けるのを推奨しているのではありません。

だいたい私自身そういう人は大嫌いでして、朝から電車の中とかで『うわ、何この不満顔...!』という人に出くわすと、目に入らない位置にさりげなくポジションを変えます。

そういう負のオーラ満載の人からはどんどん人は離れて行きます。

これだと事業を起こすどころか、日常生活もままならなくなります。

それであれば、毎日にこやかに「おー、こんなサービス出たんだ、スゲー」「新しいiPhone、さっそく予約しちゃったよー」と言っている方がまだましです。

私が大事にした方がいいと言っているのはもっと『良質の不満』です。

『良質な不満』で心を常に活性化させておく

これが大事です。

そのためのポイントは以下のように4つあると思います。



■不満は解決策とセットで考える

不満とは、理想と現実のギャップによって起きます。何か残念な状態に出くわしたとき、必ずそれだけで終わらせず『こうなってればもっといいのに』という理想をセットで考えることです。

そしてその理想状態について、なぜそれが実現できていないのかも、さまざまな方面から検討します。どう考えても、大した障壁がないと結論づいた時、それは良質な不満になるのです。

自分に任せてもらえれば、うまくできるのに! と。


■間違ってても気にしない

『自分に任せてもらえればうまくできるのに!』と思ったことが、あとから『そんなに簡単なことじゃなかった』と分かっても、気にしないことです。情報が少なければ判断が異なるというのは、判断アルゴリズムに不具合があるわけではないです。軸はブレてなくても、知れば知るほど、結論はころころ変わるものです。

よしんば判断アルゴリズムに不具合があったとしても、経験の中で徐々に修正していけばいいだけです。

『ああ、自分はどうしてそんなに浅はかに考えてしまったんだ』などと思わず、判断アルゴリズムの成長を楽しめばいいと思います。


■解決策が見つからない不満は取り除く

『どうしてこうなってるんだよ!』と思ったことであっても、その解決策が見つからないか、あるいはそこには大きな障壁があるという場合、それは不満に思うべき内容ではなく、ただの環境です。地球上では空気中の酸素濃度は20%程度ですが、『なんで30%じゃないんだよ』と言ったところでしょうがありません。

そういう悪質な不満は即座に頭から取り除くべきです。

これができないと、心の中にどうしようもない不満が溜まり続け、顔に不満の相がこびりつき、人を遠ざけます。


■良質の不満を理解できない人の前で口にしない

実は世の中には『良質の不満』というのを理解できない人というのがたくさんいます。そういう人の前でそれを口にすると、『お前っていつも不満ばっかだな』『人生をもっと楽しめよ』と言われてしまいます。

これはせっかく巻き起こった心の活性状態を打ち消してしまう効果があり、もったいないことです。

『夢は他人に語った瞬間にしぼむ』

とよく言われますが、それと同じようなことが起きます。

そういう人の前ではどんなに良質な不満であっても口にしない方がよいです。そういう人が読む可能性があるブログやソーシャルメディアでも言わない方がいいかもです。

ただ、『この人は、こういうキャラだからしゃーないな。別に本気で怒ってるわけじゃないんだね。』という風にみんなから思ってもらえると楽ですので、そういうキャラをあらかじめ宣言したらいいのかも知れません。

ちなみに、私は、あまり人の反応を気にしない人間なので、常に『良質な不満』を言い続けてます。

『節子、それ、良質やない、悪質や』というのがもしあれば、ご指摘いただければこれ幸いです。

それと、他人の『良質な不満』を聞くのも大好きです。ブログや飲みなどで、どうぞたっぷりと聞かせてください。