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「星の王子さま バンド・シネ版」刊行記念のトークショー、を聞いたらやっぱり買ってしまいました

「星の王子さま バンド・シネ版」刊行記念のトークショー、を聞いたらやっぱり買ってしまいました

小林 利恵子

楽しい学びの場、ワクワクするコンテンツのプロデュースを提供する株式会社オプンラボの代表。 「考える」のではなく「感じる」気づきの場としてのセミナーや研修の企画・プロデュース。強烈な魅力のある個人のコンテンツ作りを得意とする。

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「星の王子さま」バンド・デシネ版(サンクチュアリ出版)出版記念のイベント 「池澤夏樹トークショー」に行ってきました。青山ブックセンター本店で開催され、約100名入るスペースはほぼ満席。性別を問わず、30代前後を中心に幅広い層が参加していました 。

フランス版コミックのバンド・シネ

BD=バンドデシネはフランス・ベルギーで発達したコミックのこと。
日本のマンガと異なり、大人が楽しめる凝ったお話と凝った絵の芸術的な作品が主流です。日本の漫画のように変形したコマではなく、すべて四角形で描かれているので、切り取って額にいれたくなるくらい、ひとつひとつのシーンが美しく描かれています。

本とは異なるバンド・シネの翻訳

トークショーでは、「星の王子さま」という古典がバンド・デシネで発行されるまでの話をはじめ翻訳の苦労や、原作の挿絵とバンド・デシネ版の絵の比較などが紹介されました。

昔から読み継がれる「星の王子さま」は、単なる子供向けのおとぎ話ではなく、大人になって読んでも読み切れない感じが残る本だと語る池澤氏。

通常新しい形で原作が使われる場合、企画した人が版権を持っている人へ企画を持ち込むのが一般的ですが、今回はサンテグジュベリの遺族がスファールに依頼してバンド・デシネが発行されたそうです。映画監督もする多才なスファールによる星の王子さまは、映画の絵コンテのように考えぬかれた場面が展開していくと池澤氏は解説します。

原作を翻訳したという経緯から今回バンドデシネの翻訳に携わった池澤氏。最初、原作の言葉を差し込む部分が多いので楽だろうと思っていたら、実は大変だったとか。スファール版のやんちゃな王子さまのキャラクターや、絵の流れに合わせて言葉を選び直す必要があるからです。けれども、上質なバンド・デシネの翻訳に関わった楽しさが言葉の端々に伝わってくるトークショーでした。

平積みの星の王子さま関連の書籍につい手が・・

実際に翻訳に関わった作家が本について語るイベントは最強のプロモーションです。イベント終了後、池澤夏樹コーナーにいくと、星の王子さま関連の本が平積みに。挿絵がすべてカラーで入っているみすず書房の「小さな王子さま」(文庫版は挿絵がモノクロ)と「星の王子さま バンド・デシネ版」を自分に購入。出産祝いのプレゼントにもいいな、などと次の購入プランもたて、しっかりイベントの主旨にはまって帰ってきました。