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身近なイベントを仕切ってみる〜PTA懇親会
»2011年6月 2日
学びの体験を創造する ~ セミナー事務局考
身近なイベントを仕切ってみる〜PTA懇親会
楽しい学びの場、ワクワクするコンテンツのプロデュースを提供する株式会社オプンラボの代表。 「考える」のではなく「感じる」気づきの場としてのセミナーや研修の企画・プロデュース。強烈な魅力のある個人のコンテンツ作りを得意とする。
当ブログ「学びの体験を創造する ~ セミナー事務局考」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/opnlab/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
学校の保護者会(PTAのようなもの)で関わったイベントを通じて、スムーズなイベント運営のポイントをご紹介します。
数年前、学校の保護者会の役員になり、保護者と先生の懇親を目的としたお昼の食事会を開催するというので、運営の責任者を担当しました。ビジネスでセミナーやイベントを企画・運営していますが、もちろんここではボランティア。
普段、学校や地域のコミュニティとの関係が非常に薄いので、このイベント運営という部分でならお役に立てるかな、という軽い気持ちでイベントの運営責任者の補佐役に立候補(その食事会に一回も参加したことがなかったので・・・)。その後、イベントの運営責任者を決める段階になったら、誰も手を挙げません。あれ?
どうやら保護者会の役員立候補や、こういうイベントの仕事に関する立候補は何人かの仲良しお母さんと事前に打ち合わせをしておいて、ある程度グループで手をあげるらしいのです。
保護者会の役員選定だけでなく、マンションの理事会の理事を決める場に同席したことがある人ならわかると思いますが、責任者がいつまでも決まらず、誰も進行役に視線をあわさないあの気まずい感じが充満。その雰囲気に耐えられず、結局メインの運営責任者に立候補しなおし、その様子をみて同情してくれた人が補佐に立候補してくれて、総勢40名もの保護者と一緒に、200名もの食事会(各種プレゼンテーションあり)を仕切ることとなりました。
◆資料がほとんど無い
まず驚いたのが、その食事会のイベントは何回も開催しているのですが、過去の運営マニュアルがほとんど残っておらず、そして議事録を残せないということ。
食事会といっても、校長先生や教頭先生がスピーチしたり、学年担任の先生が学校の様子を映像でみせたり、先生が席を回って挨拶したりと、いくつか企画がもりこまれているので、タイムテーブルや役割分担表が必要です。
けれども、唯一の資料が前回の司会台本のみ。受付や会場誘導などは、過去に運営に関わった人が説明しています。口頭伝承?
それならば、今回から次の人の記録にもなるので、メモを残しておきましょう、と役割分担や仕事の内容を議事録に残したところ、古株の保護者会役員に、「個人情報保護の関係で、データをすべて削除してください」と言われてしまいます。
「ええっ!各役割の仕事や担当者名を把握せずにイベントを仕切るの?」
でもこんな限られた中でイベントをするというのも貴重な体験。結構実現できるものです。
◆陰のキーパーソンに頼る
新参者が責任者になったといっても、実は裏で長年PTAにかかわって仕切っている古株さんがいて、実際かなり動いてくれています。
「それならあなたが責任者になればいいじゃない」などと決して言ってはいけません。
面倒見がよいので、頼りましょう。一見融通がきかないように見えるのですが、実は学校との窓口になっていて、学校の意見を代弁していて、その人の意思ではどうしようもないことが実際に多いのです。わからないことがあれば聞けばよいのです。
◆ポイントをおさえる
マニュアルなどなければないでなんとかなります。打ち合わせの時は古株さんを通じて、じっくり各担当者に役割を説明してもらいます。個々の担当者は、資料がないので自分が何をやればよいのか必死に聞き取り、暗記しはじめます。
あとは、以下のイベントの際に実施すべきタスク(業務)を洗い出し、前倒しにひとつひとつこなし、参加者のニーズにあわせた楽しい企画を盛り込み、当日はタイムテーブルを厳守できれば、イベントもスムーズにさらりと終了です。
◆事前準備
1. 日程調整(5~6ヶ月前、学校行事なので通常のイベントよりも早く動きます)
重要な人物との日程調整をする(学校行事で重要人物は先生。セミナーだと講師など)
2. 会場確保(4~5ヶ月前)
日程が決まったら、おおよその人数をみこんで会場押さえる
3. 役割分担(2ヶ月前)
受付・会場誘導・司会・運営の役割を整理する
4. 告知(1.5ヶ月前)
お手紙で学校経由で保護者の方に、イベントのご案内をわたしてもらう
5. 人数確定(1ヶ月前)
案内通知に出欠の返信欄を記載し、それを回収する。
6. 企画のつめ(1ヶ月前)
先生などにスピーチを依頼。プロジェクタなど必要な機材を確認し、手配する。
7.タイムテーブル確定(1ヶ月前)
当日の進行、時間割を決め、「役割分担表」、「運営マニュアル」、「進行台本」、「必要なものリスト」、「アンケート」を用意する。
8. 受付の準備(前日~1週間前)
名簿、金庫、名札など必要なものをなるべく前日までに準備する
◇当日運営
1.仕事の最終確認
開始1時間前に集まり、受付・会場誘導・司会・運営それぞれ仕事を確認する。
2. レポートラインの一本化
各役割の責任者に現場の判断をまかすものの、大きな変更があったらかならず運営責任者に報告するよう、レポートラインを一本化します。誰に相談すればよいのかを明確にするだけで、担当者の安心度はぐっと高まります。
3.責任者は役割をもたない
現場はいろいろな要素で、変更の判断、調整の判断をしなければいけません。イベントの責任者はイベント全体をみるために、細かい役割を担当しないようにします。
このイベントの際失敗したのが、うっかり「小林さんはイベントの責任者だから校長先生の誘導をお願いできます?」という言葉で、何気なくその仕事を引き受けたこと。他の人がスケジュールを相談したいときに、すぐに対応できず、判断が遅れてしまいました。
4. タイムテーブルを厳守する
だいたいが、タイトに設計されている学校行事。しかも会場を借りている時間も限られているので、開始時間と終了時間を守ります。
特に、終了時間を延長すると、イベント参加者が次の予定を気にしてイライラしてしまい、イベント自体の満足度が下がります。あともうちょっといたかったな、と思わせるくらいの感じで、決められた時間にさくっと終了することを心がけましょう。
もちろん、この食事会も時間ぴったりに終了。
いろいろな規模のコミュニティで、数十人単位で食事会をするというのはわりと身近なことだと思います。そのようなイベントをスムーズに実現する為の参考にしていただければと思います。
***
株式会社オプンラボ 小林利恵子
http://www.opnlab.com
ビジネスパーソン向けのゆるやかな食事会やカジュアルな勉強会を開催
http://corporate.opnlab.com/ (コーポレートサイト)
企業向けの広報的なセミナー・イベントの企画・運営をお手伝い
数年前、学校の保護者会の役員になり、保護者と先生の懇親を目的としたお昼の食事会を開催するというので、運営の責任者を担当しました。ビジネスでセミナーやイベントを企画・運営していますが、もちろんここではボランティア。
普段、学校や地域のコミュニティとの関係が非常に薄いので、このイベント運営という部分でならお役に立てるかな、という軽い気持ちでイベントの運営責任者の補佐役に立候補(その食事会に一回も参加したことがなかったので・・・)。その後、イベントの運営責任者を決める段階になったら、誰も手を挙げません。あれ?
どうやら保護者会の役員立候補や、こういうイベントの仕事に関する立候補は何人かの仲良しお母さんと事前に打ち合わせをしておいて、ある程度グループで手をあげるらしいのです。
保護者会の役員選定だけでなく、マンションの理事会の理事を決める場に同席したことがある人ならわかると思いますが、責任者がいつまでも決まらず、誰も進行役に視線をあわさないあの気まずい感じが充満。その雰囲気に耐えられず、結局メインの運営責任者に立候補しなおし、その様子をみて同情してくれた人が補佐に立候補してくれて、総勢40名もの保護者と一緒に、200名もの食事会(各種プレゼンテーションあり)を仕切ることとなりました。
◆資料がほとんど無い
まず驚いたのが、その食事会のイベントは何回も開催しているのですが、過去の運営マニュアルがほとんど残っておらず、そして議事録を残せないということ。
食事会といっても、校長先生や教頭先生がスピーチしたり、学年担任の先生が学校の様子を映像でみせたり、先生が席を回って挨拶したりと、いくつか企画がもりこまれているので、タイムテーブルや役割分担表が必要です。
けれども、唯一の資料が前回の司会台本のみ。受付や会場誘導などは、過去に運営に関わった人が説明しています。口頭伝承?
それならば、今回から次の人の記録にもなるので、メモを残しておきましょう、と役割分担や仕事の内容を議事録に残したところ、古株の保護者会役員に、「個人情報保護の関係で、データをすべて削除してください」と言われてしまいます。
「ええっ!各役割の仕事や担当者名を把握せずにイベントを仕切るの?」
でもこんな限られた中でイベントをするというのも貴重な体験。結構実現できるものです。
◆陰のキーパーソンに頼る
新参者が責任者になったといっても、実は裏で長年PTAにかかわって仕切っている古株さんがいて、実際かなり動いてくれています。
「それならあなたが責任者になればいいじゃない」などと決して言ってはいけません。
面倒見がよいので、頼りましょう。一見融通がきかないように見えるのですが、実は学校との窓口になっていて、学校の意見を代弁していて、その人の意思ではどうしようもないことが実際に多いのです。わからないことがあれば聞けばよいのです。
◆ポイントをおさえる
マニュアルなどなければないでなんとかなります。打ち合わせの時は古株さんを通じて、じっくり各担当者に役割を説明してもらいます。個々の担当者は、資料がないので自分が何をやればよいのか必死に聞き取り、暗記しはじめます。
あとは、以下のイベントの際に実施すべきタスク(業務)を洗い出し、前倒しにひとつひとつこなし、参加者のニーズにあわせた楽しい企画を盛り込み、当日はタイムテーブルを厳守できれば、イベントもスムーズにさらりと終了です。
◆事前準備
1. 日程調整(5~6ヶ月前、学校行事なので通常のイベントよりも早く動きます)
重要な人物との日程調整をする(学校行事で重要人物は先生。セミナーだと講師など)
2. 会場確保(4~5ヶ月前)
日程が決まったら、おおよその人数をみこんで会場押さえる
3. 役割分担(2ヶ月前)
受付・会場誘導・司会・運営の役割を整理する
4. 告知(1.5ヶ月前)
お手紙で学校経由で保護者の方に、イベントのご案内をわたしてもらう
5. 人数確定(1ヶ月前)
案内通知に出欠の返信欄を記載し、それを回収する。
6. 企画のつめ(1ヶ月前)
先生などにスピーチを依頼。プロジェクタなど必要な機材を確認し、手配する。
7.タイムテーブル確定(1ヶ月前)
当日の進行、時間割を決め、「役割分担表」、「運営マニュアル」、「進行台本」、「必要なものリスト」、「アンケート」を用意する。
8. 受付の準備(前日~1週間前)
名簿、金庫、名札など必要なものをなるべく前日までに準備する
◇当日運営
1.仕事の最終確認
開始1時間前に集まり、受付・会場誘導・司会・運営それぞれ仕事を確認する。
2. レポートラインの一本化
各役割の責任者に現場の判断をまかすものの、大きな変更があったらかならず運営責任者に報告するよう、レポートラインを一本化します。誰に相談すればよいのかを明確にするだけで、担当者の安心度はぐっと高まります。
3.責任者は役割をもたない
現場はいろいろな要素で、変更の判断、調整の判断をしなければいけません。イベントの責任者はイベント全体をみるために、細かい役割を担当しないようにします。
このイベントの際失敗したのが、うっかり「小林さんはイベントの責任者だから校長先生の誘導をお願いできます?」という言葉で、何気なくその仕事を引き受けたこと。他の人がスケジュールを相談したいときに、すぐに対応できず、判断が遅れてしまいました。
4. タイムテーブルを厳守する
だいたいが、タイトに設計されている学校行事。しかも会場を借りている時間も限られているので、開始時間と終了時間を守ります。
特に、終了時間を延長すると、イベント参加者が次の予定を気にしてイライラしてしまい、イベント自体の満足度が下がります。あともうちょっといたかったな、と思わせるくらいの感じで、決められた時間にさくっと終了することを心がけましょう。
もちろん、この食事会も時間ぴったりに終了。
いろいろな規模のコミュニティで、数十人単位で食事会をするというのはわりと身近なことだと思います。そのようなイベントをスムーズに実現する為の参考にしていただければと思います。
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株式会社オプンラボ 小林利恵子
http://www.opnlab.com
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