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コンテンツが最後まで読まれないのは「下手」だから

コンテンツが最後まで読まれないのは「下手」だから

ふじいりょう

1976年4月8日東京都生まれ。埼玉の団地育ち。ブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を2004年より運営。エンタメ系出版社、ITベンチャー、広告企画会社でWeb担当し、現在はフリーで活動。

当ブログ「Parsleyの「Webについて知っている二、三の事柄」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/parsleymood/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 お久しぶりです。喘息気味&タスク過多で青息吐息のParsleyです。

 先日、『ITmedia マーケティング』にこんな記事が掲載されていて、なんかモヤモヤとした気持ちになったので、この気持ちを皆様と共有したくてエントリーを書き始めました。30分で書けるかな。

 集中持続時間は8秒:読者にコンテンツを最後まで読んでもらう3つの方法 - ITmedia マーケティング (※全文閲覧には無料会員登録が必要)

 ここで、読者がテキスト記事を最後まで読破させるためには、「フォントをはっきり大きくする」「情報過多にならない」「短くする」の3点が挙げられています。同様の内容のものでも、見やすさとわかりやすさ、そして簡潔であることを強調している場合が多いように感じます。

 しかし。例えばコーポレートサイトの「企業理念」のページは、おそらく3点とも守られているものがほとんどです。が、なかなか読者に伝わらない、という声もあります。というか個人的にも何度か経営者からそんなことを聞きました。

 そりゃ御社のコンテンツに魅力がないのだから仕方ないです、という水掛け論は置いておいて、例えば取引先候補や就職・転職を検討している人に向けた情報が充分に記載されずに、「伝えたいこと」ばかりを盛り込んだテキストとなってはいないか、見なおしてみる必要があるものも少なくないのでは、と思います。あとは単純に、文章が下手すぎて読むに堪えない、という場合もあるのではないでしょうか。

 つまり、いくら上記のような3点が守られていても、コンテンツが無価値ならば読まれないし、大抵のテキストは多くの人にとって無価値であるという前提でいるべきなのです。

 その上で。読むストレスをなくすような構成をすることにより、途中離脱する読者を減らす、ということはできると思います。そのためには、冒頭200字程度で、そのテキスト全体で何が言いたいのかを先にまとめておく事と、3から4程度に見出しを振って、リズムよく読めるようにする事、この2つは最低でも必要。『誠』のコラムなどもこの2つが守られていますが、無駄なページ分割によって流れが切られてしまうこともあるのが一読者としては残念です。

 こと日本に限った話をすると、スマートフォンは意外と長文を読むのに適しているのではないか、と個人的には思っています。PCだとスクロールバーにカーソルを置くことに注意しなければならないですが、スマホなら親指を流すだけで動かすことができるので、巻物感覚でサクサク読めてしまいます。まぁ、これもページを途中で切り替えないといけないような構成だと台無しなわけですが...。

 いずれにしても。多くのテキストは、「読みやすさ」をフォントの大きさやキャプションなどをああだこうだ言う段階でなく、読者に価値を提供できておらず、またシンプルに下手なためストレスフルな内容になっているのでは、と思います。どちらもクリアしているのならば、ちゃんと最後まで読まれるだろうし、逆に読みやすさを追求して無内容のものだと「読んで損した」という気持ちを与えてしまうので、メディアのブランディングとしてはやっぱりよろしくない。

 また、上記3点のうちでいうならば、「90年代のライトノベルかよ」と感じるくらい無駄にフォントが大きいと、一画面で得ることができる情報が少なすぎてストレスになってしまうこともあります。短文でも装飾語が過多で何を伝えたいのかさっぱりだと本末転倒になってしまいますし、伝えるべきことを削ってしまっては何のためにアップしたのか分からなくなってしまうから、程度次第といえるのではないでしょうか。

 何事もそうですけれども、程よい感覚を掴むには場数を踏む以外に方法はありません。私も偉そうにいう程には上手くないので、もっと精進を重ねていきたいところです。