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048.【自分の事】納期前のHDDクラッシュ

048.【自分の事】納期前のHDDクラッシュ

佐藤 洋之

1967年生まれ、神奈川県横浜市在住。ひょんな事からIT業界に努めて四半世紀、嫁と子供2人、あとメス猫一匹を抱えて、日々奮闘しているエンジニア(??)です。趣味はバイクと読書。IT業界の事、仕事の事、趣味や日々の雑感などについて、これから書いていきたいと思います。

当ブログ「IT雑貨屋、日々のつづり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/satou55_makoto/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こんにちは。
もう6月が終わり本日から7月になりました。今年も半分を過ぎたという処ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

佐藤@IT雑貨屋です。

NASAの予測によれば、今年の夏は昨年以上の猛暑(いや、酷暑かな?)になるとありました。
我が家ではその対策のための、寝室に新たなエアコンを入れる予定です。

いま使っているエアコンは23年前に私が独身時代に購入たものです。古いエアコンというのは電気代を食う割りになかなか冷えません。現在は寝室に家族四人が川の字で寝ていますので、やはりエアコンを新調せねばと購入を決めました。

さて今日のブログですが、私の過去の業界経験談について書かせ頂きます。

前回書いたのは「045.【自分の事】業務繁多でボロボロに」でしたが、開発者が大量に退職してしまった当時、他社との協業でパッケージ販売が決まっていました。だから私はストレスの症状が沈静化してからは以前と同じ様な状況に戻っていて、日々遅くまでの残業に追いまくられる生活をしていたのです。

今でこそシステム開発には支援システムが多くあります。

作業者の端末はネットワークで接続され、サーバも高機能なものを冗長化して完全性や可用性を高めていますが、この当時は社内ネットワークなどというものはありません。また開発環境にしても、ホストマシンを決めて、最終的にはそのホストマシンにソースコードを移し、コンパイルしてリンクを行い、アプリケーションを構築していました。またそのホストマシンは定期的にバックアップを取ってはいましたが、当時の会社で行っているバックアップ間隔は1週間に1回、週末に行う程度のものだったのです。

ある夜の作業中、私は自分も担当モジュールをホストマシンに反映するために、当該ソースコードをフロッピーディスクに入れてマシンの前に座りました。

「k:(リターン)」
「dir(リターン)」 -このコマンドを解る人はいますかね??-

これにより、本来はハードディスクにあるファイルやフォルダの一覧が表示されるはずです。しかし無応答。

そのうち、画面には「ファイルが見つかりません(正確なメッセージは忘れてしまいました)」という様なメッセージと共に、ディスクをフォーマットしますか?という様なメッセージが表示されてしまいました。

「??なんじゃこりゃ??」

再度、「dir」というコマンドを入れるも、受付すらしません。

「あー!!ハードディスクが飛んでいる!!」

思わず大声を上げてしまったのですが、そうすると発部の上司も含めてPCの周りに大集合。

「佐藤、お前何やった!?」

そんな事を聞かれても・・・答えようがありません。
やった事はファイルの内容を確認する事だけで、他に何もしていません。

「何もしてませんが・・・・」

上司の顔を見ると、少し青ざめていました。
それもそのはずです。協業先への納品を一ヶ月前に控え、翌週には営業にアプリケーションを渡して試験を行うというスケジュールの中、この事件が起きたのは火曜日の夜。前回バックアップは前週金曜日の就業段階。
つまり昨日と今日の2日分の変更や修正内容が吹き飛んでしまったということになります。
上司は直ぐに社長のところへ状況を報告に行きましたが、社長から指示された事は「明日中に内容を復旧させ、来週に予定されている営業渡しのスケジュールに影響の無い様にさせろ」との事。

この当時、実際にコーディングを担当し、ソースコード全般について理解していたのは、4人の開発部要員の中で私と同僚の2名でした。

「今日は家に帰らずに、2人でソースコードを今日の段階まで復旧させること」

これが上司の指示でした。そして上司は自分の使っていたPCの中のソースコードの内容と、同じくもう一人の開発担当者のPCのソースコードの在り処を説明すると、22時にはとっとと帰ってしまいました。

「さて、どうしようか・・・」
私は同僚の中川(仮にこう呼んで置きます。この彼が今後の私の業界人生に少なからず影響を与えましたので)さんに言いました。

「どうもこうも、やるしかないよね。やるだけやってみようよ」

彼はそういうと鼻歌で「マイウェイ」を歌いながら作業に取り組み始めました。その姿を見て「何故に、いまマイウェイを歌うんだ?」と聞くと。

「自分の人生だからねー、自分の思うとおりに生きないと。」

この言葉に思わず苦笑いしながらも、深夜の帳の中、二人で徹夜の作業を開始しました。

そしてPC間のソースを移し変え、コンパイルを繰り返しながら今まで実施した試験要綱を確認し、何とか翌日の夜には火曜日の段階までシステム復旧をする事が出来たのです。

しかしこの作業を通して、少人数の開発部でありながら、実はシステムの詳細を掴んでいるのは私と同僚の2名だけであり、それに寄りかかる事で、今の会社が成り立っている。いや、何とか存続しているという実態を実感したのです。

この続きはまた次回になります。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
引き続きですが、IT雑貨屋をよろしくお願い致します。

20120630.jpg
<雑感追記>
まあこれに近い事は、この後も幾度か経験しましたが、やはり納期前にこういった事が発生すると精神衛生上は良くないですね。

しかし開発環境やサーバに救われた事も幾度かあり、技術の向上を実感したりもしましたが。