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029.【自分の事】疾風怒涛の客先作業

029.【自分の事】疾風怒涛の客先作業

佐藤 洋之

1967年生まれ、神奈川県横浜市在住。ひょんな事からIT業界に努めて四半世紀、嫁と子供2人、あとメス猫一匹を抱えて、日々奮闘しているエンジニア(??)です。趣味はバイクと読書。IT業界の事、仕事の事、趣味や日々の雑感などについて、これから書いていきたいと思います。

当ブログ「IT雑貨屋、日々のつづり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/satou55_makoto/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 何か一気に暖かくなってきて、体が少しだけ驚いた感じの体調です。今はコートもしまって身軽な服装で通勤してます。

 佐藤@IT 雑貨屋です。

 さて前回は客先作業の始まりについて書きましたが、今回はその続きです。

 彼の社長の知人、仮にOさんとしておきますが、中々の大物でした。私は当時23歳で役職なし、状況が状況だけに遅刻せず毎日二時間の通勤で頑張ってました。

 しかし一方、Oさんはというと、毎日昼前に客先へやってました。理由は「自社の事務作業があるため」です。まあ規模はともかく、確かに肩書きは「代表取締役」なので、当時の私はそれについては何も言いませんでした。

 とにかく必死にプログラムの作り直しと、Oさんにお願いしてコンパイルを通すことに没頭しました。

 当時の作業環境はシビアでした。なんたって担当10人に端末が5台です。私なんかはプロジェクトの中では「A級戦犯」扱いなので、端末を長時間使用することができません。端末前でエラーの内容を確認している最中でも、社員が来て「どいて!」と言われれば、明けなければなりません。だから作業は必然的に夕方からが本番になり、ビルの決まりの22時には強制退去です。しかし何とか全プログラムを作り直し、コンパイルを完了させるところまでは行きました。。。しかし期日の一週間、タイムアウトです。

 コンパイルは通っていても、実行内容には幾つか不具合があり、連動試験が出来るだけのモノとはなっていませんでした。早速、PMの所へ呼び出されました。

「佐藤さん、貴方の状況は理解しています、しかし当社にも立場かある。今後どうしますか?」

 そんな事言われてもと思いましたが、それは個人的な見解に過ぎません。この時にPM と幾人かの担当社員と打ち合わせをした結果、取り敢えず私の担当分が作成するデータのダミーを幾つか用意して、試験ではそれをバッチ処理で利用して進めることにして、あと二週間の間にプログラムを単体試験まで終わらせ、納品先の工場まで持っていくということになりました。

 個人的には首の皮一枚でつながった感じでしたが、何とかあと二週間で終わらせねばなりません。まあプログラムは形に成っているので、不可能ではなく、個人的にはあと一息、そう思いました。

 直ぐに自社へ報告し、そのむねをO氏に伝えた所、彼の顔色は一気に曇りました。

「当初の話では、本日が終了日なのですが、私もやらなくてはいけないですか?」

 当時の私は契約内容は解りませんでした。しかし単体試験と修正作業は手伝って欲しいので、そのむねお願いしてみると、Oさんがボヤきました。

「何だよ、、、金にもならない仕事させやがつて。。。」

 この言葉に、当時の私はさすがにキレてしまいました。一体誰のためにこんな状況に成ってしまったのか!なぜ自分が毎晩終電で帰り、毎朝二時間の通勤でここまで来ているのか!なぜ自分が矢面で苦情を言われているのか!本来であれば、Oさんが一人でクローズすべき案件ではなかったのか!などなど。会議室のなかで激しく詰め寄りました。恐らく物凄い形相だったのでしょう、Oさんの顔が青ざめていました。

「私は明日から一人でもやります。Oさんは御自身で考えてください。契約の事もありますから、それは私の会社と話してください。」

 そう言って、その日はOさんを帰しました。

 兎に角間に合わさなければ、それだけを考えて、その日も一人で終電間際まで作業を続けました、

 翌日の事、朝会社に着くと、少しだけ遅れてO さんも来ました。聞くと私の会社とは話をせず、とにかくあと二週間は一緒に作業するとの事、私は昨日の事には触れず、幾つかの作業をお願いしました。

 それから何とか一週間半で単体試験も終らせて、無事納品。工場において連動試験が後れ馳せながら開始され、私とOさんの客先作業は終了しました。

 当初は一週間といわれていたのが、私が自社に戻ったのは、開始してから一ヶ月経っていました。

 さて、客先作業はここで終わりなのですが、番外編で人騒動ありました。しかしそれは次回に。

 ここまで読んで頂きありがとうございます。