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030.【雑感】大企業病について
»2012年4月27日
IT雑貨屋、日々のつづり
030.【雑感】大企業病について
1967年生まれ、神奈川県横浜市在住。ひょんな事からIT業界に努めて四半世紀、嫁と子供2人、あとメス猫一匹を抱えて、日々奮闘しているエンジニア(??)です。趣味はバイクと読書。IT業界の事、仕事の事、趣味や日々の雑感などについて、これから書いていきたいと思います。
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仕事に忙殺されているうち、気がつくと桜も散り世は春爛漫という感じになってますね。通勤電車の中でも新社会人らしき人達も、少しだけ顔つきが変化している様に感じたりして。
佐藤@IT 雑貨屋です。
しかしニュース等を見ていると、東京電力なんかは大企業病なんだろうなあ~と感じることもたびたびですが、特に日本の大企業は、ガラパゴス化していたりして、そんな処を「大企業病」と揶揄されるのかもしれません。
私なんかはよくも悪くも、この年齢までベンチャーと言われる中小企業を幾つか渡り歩いてしまい、どちらかと言えば仕事が如何に会社にお金をもたらし、失敗したときのペナルティーが実際どんなものかを肌身に滲みながら二十年以上、社会の中で生きてきました。しかし大企業に勤める社員の中には、そういった感覚があまり無い人も多いようですね。東京電力の原発に対する一連の対処や、漏れ出てくる社員の言動からそれを感じることが度々あります。
話変わって日本の携帯は「ガラパゴス携帯=ガラ携(今はフューチャーフォン)」と呼ばれます。何故かと言えば、日本国内のユーザーニーズに追従した結果、世界にはない機能拡張をしたからですが、同じように企業に於いても大企業ほどガラパゴス化しているのではないか?と思うのは、私だけでしょうか。
企業にはそれぞれ「企業文化」というのがあります。私のように様々な企業を渡り歩くと、鼻が利くようになるのか解りませんが、仕事の進め方や社員・管理職・監督職の方たちの言動からも、それは容易に感じてしまいます。
よくあるのは「お客様目線」といいながら、その実は「社内目線」の指向が強く、結果、会社としてのアウトプットがイビツで奇妙な物になってしまうと言う事がありませんか?東京電力でいえは先日の損害賠償申請書なんかは良い例です。
本来ならば被災者目線が必要なんですが、結果としては複雑な物でしたよね。(この場合、お客様とは少し違いますが)
では何故この様な奇々怪々な事になってしまうのかについて、私なりにですが少しだけ考えてみました。
以前にある大手ソフトウェア会社の女性マネージャーと仕事をしたことがありますが、その人は会社が五人位の創業時から在籍していた人でした。私が会った時には既に会社は二千人規模の企業でしたが、仕事で移動中に以下の事を話していました。
「会社が立ち上がった頃は"世の中に面白いモノを出してやろう"と、寝食も忘れて仕事に没頭する人ばかりたったけど、最近、特に新卒の人は仕事の内容より福利厚生で集まるのよね。残業は月何時間とか、休暇は取れるのかとか。逆に仕事でこうしたい!っていう人が殆ど居ない。」
まあ当たり前と言えばそうなのですが、要はビジネスマンというか、エンジニアの前にサラリーマンとして会社に入ってくる人の多さに溜め息していました。
まあ職場の福利厚生を見て就職してくるのは当たり前の話で、それ自体「悪」ではありません。ただこの時、このマネージャーが問題視していたのは、仕事の本質を見ずに、企業組織の都合を重視する社員が増えてきているという事です。
仕事には必ず「お客様」がいて、そのお客様に何かしらの価値を提供することで、その対価として売上が上がるのですが、やもすると本来あるべき姿より、組織の中の都合を重視するという事が、サラリーマンの中には、どうしても出てきてしまいます。
会社のトップであれば、いまの時代は危機感を持っていて、それを乗り越えるべく様々な方策を打ち出します。しかしそれが組織の中に落ちると、例えば事業組織の思惑やら、それぞれの幹部社員の思惑もあり、また会社が大きければ社員も「自分の会社は倒産しない」という感覚もあるのか、組織内の保身に走ったり。
そして気がつくとお客様の為というよりも、組織の都合が強力に醸し出されたプロダクトがリリースされ、結果として企業の信用や能力を落とすことになっていってしまう。
まあ全てがこうではありませんが、こういったケースは結構あるのではないでしょうか。
私が思うにこういった事の要員の一つ(もちろん全てでは無いと理解していますが)に、日本独特の雇用意識が影響しているのではないでしょうか?いわゆる「終身雇用制度」です。
一度大きな会社に入ってしまえば、仕事上、どのようなミスをしても解雇には中々なりませんし、その一方で大きな成功しても、その見返りというのはあまりありません。その結果、仕事の目的を達成するという事では無く、仕事そのものが目的となり、会社の中での立場を重要視する姿勢が知らず知らず身についてしまい、結果としてよく言う「ヒラメ族(組織の上しか見ない・見えない)」になってしまう事が多いのでは無いでしょうか?
一方、世界はというと、アメリカなどでは雇用も基本的には「契約」の上に成り立っています。だから決められた期間に、求められる成果を出すべく、社員とは言っても意識が違います。
これから日本のビジネスの世界も「グローバル化」という波に、いやがおうでも飲み込まれていく時代となります。今よりも多くの海外の企業も日本の中に参入してくるでしょう。また社員として海外の人も日本の中に流入してきます。
その中で日本の企業や日本人は、はたして生き抜いていく事が出来るのでしょうか?
以前に聞いた話ですが、オーストラリアでは多くの有袋類がいたそうです。しかし欧米人がオーストラリアに入植をはじめ、それと同時に多くの動物もオーストラリアに入ってきた結果、数多くの有袋類が絶滅したと言います。
これと同じように、今まで日本の市場のみを見て独自の企業文化を持ち発展してきた企業も、いつ何時、事業として成り立たなくなってしまうという時代がくるのかもしれません。それを防ぐためにも、やはり仕事に対する姿勢や、いままで「当然」と思っていた自分たちの企業文化についても見直しが必要になってきているのではないでしょうか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
これからもIT雑貨屋をよろしくお願いします。