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うつの再燃・再発

うつの再燃・再発

大森 洋明

REBT心理士。うつ状態から回復した経験を経て、SEからカウンセラーへの転身を図りつつ、カウンセリングを世の中に浸透させようと奮闘中。座右の銘は、菅沼憲治先生に頂いた「生死一期」という言葉。

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(※文章中にうつや自殺などの単語が出てきます。 読んでいる最中に気分が悪くなった場合は、無理をせずブラウザのページを閉じてください。 どうしても内容が知りたい場合には、他の人に読んでもらって後で話を聞くと良いでしょう)

 前回までは症状の重さや自殺に繋がるという、ある程度、頭で理解しやすい危険について書いてきました。
 が、うつにはさらに気を付けるべきな点があります。

 それが、再燃・再発、慢性化です。

 再発とはうつが回復※註1した後に大うつ病※註2の診断基準を満たす症状が再び現れることで、回復より前に大うつ病の診断基準を満たす症状が現れることを再燃といいます。

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 うつは再発率が高く、

  • うつ病を経験した患者の約60%が再燃・再発する
  • 2度目のうつ病を経験した患者の約70%が再燃・再発する
  • 3度目のうつ病を経験した患者の90%が再燃・再発し4度目を経験する

・・・と言われています※註3
 うつ病の有病率の高さは、この再燃・再発率の高さが影響しているものです。

 うつ病を繰り返すごとに再燃・再発の確率が上がっているのを見て分かる通り、初回のうつではストレスの関わるイベントにより誘発することが多いのですが、2回、3回と繰り返すごとにストレスと関係なく再燃・再発するようになっていくのが特徴です。

 前回書いた自殺のリスクは、うつの初期または回復期の自殺の実行に必要となる気力があるときに高くなる傾向があるため、再燃・再発を繰り返すことは自殺リスクが最も高まる期間を行き来(リスクを増大)させてしまうこととなります。

 また、再燃・再発を繰り返すことにより、うつは高い確率で慢性化してしまいます。

 慢性化とは、ご存じのとおり病気が長期化することです。
 語句の意味的には症状が軽くなっていて且つ、長期化することを指すようで、一般的な病気についてはそのような傾向があるようですが、うつの場合は重症のまま長期化することも多いようです。

 再燃・再発を繰り返し、うつが慢性化した場合、その治療は継続療法、維持療法を含め数十年から生涯にわたることも考えられます。

 これまで書いてきたことから、

  • うつにならないための予防
  • うつになってしまった場合は症状の改善
  • 再発、再燃の予防

・・・を行う必要があることが分かると思います。

註1:正常気分が半年程度続いた状態。 資料によってバラつきがあったりするので、もし自分の回復の判断が気になる方は、お医者さんに聞いてみた方がいいかもしれません。

註2:アメリカ精神医学会による診断基準(DSM-IV-TR)の、大うつ病性障害(Major Depressive Disorder)

註3:一般社団法人うつ病の予防・治療日本委員会 (2008). うつ病診療の要点-10 (Report).p.41