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フジテレビ生野陽子アナウンサーの報道番組移籍のウラ

フジテレビ生野陽子アナウンサーの報道番組移籍のウラ

山森 貴司

早稲田大学商学部卒 元Jスポーツアナウンサー、元群馬テレビアナウンサー兼記者。テレビ番組プロデューサー、たばこ広報団体事務局長、エネルギー広報団体、不動産会社広報PRを経て、PR会社勤務

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ショーパンのニックネームで親しまれているフジテレビの生野陽子アナウンサーが、現在出演しているめざましテレビから、夕方のスーパーニュースに移籍することが話題となっている。

タブロイドの無責任な記事には、アナウンス室がカトパンこと加藤綾子アナと生野アナ派で真っ二つになっているなんということも書かれているが、そんなことがあるのだろうか?いや、ありえない。

地方局ではあるが元アナウンサー出身として、裏側を探ってみたい。

 

私がいた群馬テレビは視聴率をそれほど気にしない局だった(失礼!)というのも、敵は全て日テレや、フジテレビなどのキー局なので、蟻が象と対決するようなものだったからだ。しかし、フジテレビは昨今視聴率低下が大きな問題となっており、振り向けばテレビ東京などとも言われている。スポンサー獲得には当然のことながら視聴率が大きなファクターであり、視聴率至上主義で批判も浴びるゆえんだ。

 

そのような状況での「異動」。実際はどんなことがあったのだろう。

私の経験で言えば、加藤アナと、生野アナには当然ライバル心はあっただろうが、そんなことを気にできるような余裕はない。自分自身で精いっぱいだと思う。

画面に出ているだけがアナウンサーの仕事ではなく、様々な情報収集をしておかなければ伝える側のアナウンサーとしてディレクターやプロデューサーから、あいつは使えないとすぐ烙印を押されてしまうのがアナウンサーだ。所詮、使う側でなく、使っていただく側、社内タレントとも言ってもいい。

よく、プロ野球選手が女子アナと結婚するが、要するに時間がないので、出会いがお互いにないのである。玉の輿とは言うが、プロ野球選手だっていつケガをしてしまうかわからない。明日の生活の保障はないのだ。

同じくフジテレビの中村仁美アナウンサーがさまぁーずの大竹と結婚した後も仕事を辞めないのは、もちろんアナウンサーの仕事が好きということもあるが、浮き沈み激しい芸能界、自分はちゃんと堅実に稼ぐという気持ちなのだと思う。

 

私がいた群馬テレビでも、女子アナはツートップ状態だったが、お互いにとても忙しく、いがみ合っている暇などない。とにかく放送局は忙しいのである。

 

これまで、バラエティ色が強かった生野アナの報道アナへの異動。そこには、①視聴率をもっている生野アナへの期待②生野アナの元々の希望があったと思う。

前回、大江麻里子アナ(結婚おめでとうございます!悔しいけど...)と夏目三久アナについてのブログにも書いたが、フリーアナウンサーではオーディションを受けてアナウンサーの中での何十倍もの倍率を突破して、ようやく1つレギュラーが決まる。

そのレギュラーだって少しへまをすればすぐに首だ。某キー局の元アナウンサーは、柔道の実況中継で、もともとハーフで、国籍は完全に日本人の高校生選手を、外国からの留学生選手と紹介したままずっと放送してしまい大問題となり、その局からは二度とお声がかからなくなってしまったという話もある。

その点、局アナは上司にずっと自分がやりたい分野をアピールし続ければ、意外とすんなりとその番組を担当させてもらえるとってもありがたい環境にいる。私もサッカー実況がやりたくてアナウンサーになったので、アピールを続けていたら、入社1年目で、日本テレビの高校サッカー中継へ、局の代表として派遣してもらった。大抜擢してもらったわけである。

今回の異動の話を聞いたとき、生野アナも、もともと報道アナ志望でずっとアピールし続けていたのだなとピーンときた。

 

よって、視聴率が欲しいスーパーニュースの制作側と生野アナ自身の希望が合致したというのが、今回の真相だと思う。

これで、バラエティのカトパン、報道のショーパンと、ツートップが誕生することになるので局としても願ったりかなったりだろう。

報道の仕事はバラエティとはまた違っていろいろハードなこともある。事件取材や、官邸取材などこれまで記者クラブ(各報道機関が、政治、経済など専門の記者であつまっている場所。クラブ内では情報を教えあったりするが、記者クラブに入っていない会社、例えばネットメディアにはとことん冷たいので最近は批判されることも多い)経験のない生野アナだが、頑張ってその荒波を乗り切ってほしいものである。