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成長するため身につけるべき、最後の大切な姿勢。

成長するため身につけるべき、最後の大切な姿勢。

寺西 隆行

(株)Z会勤務。Z会東大個別指導教室プレアデス代表。Web広告宣伝・広報・マーケティングなどを担当した後、理科課課長を経て現職。(※本ブログ記事は一個人の見解です)

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楽しみながら「できる」ことを増やしていく、これが成長する第一歩です。
幼児や小学生の頃、多くの人が、成長過程でとる態度です。

しかし、楽しむだけで可能な成長には限界があります。
どこかで、瞬間的に「楽しい」、とは思えないものにチャレンジしなければいけない時がきます。
ここで人は、いわゆる「汗をかいて努力する」ことを経験し、スモールステップを着実に踏むことで、「努力すればできる」という感覚を身につけ、成長につなげます。
小学校高学年から高校生頃までのメインとなる成長の仕方だと思います。

この期間がかなり長いからか...
それとも「楽しんで成長する」ことよりも「負荷をかけて成長する」方法論の重み(とでもいいますか)がズッシリくるからか...
いつしか、人によっては
「汗をかいて努力すれば、必ず成長するんだ」
と、錯覚(とあえて申し上げます)してしまいます。


ですが、汗をかいて努力すれば成長が確約される、と過度に思うのはいけません。

ひと昔前では、毎日残業しモーレツに働き、俺がんばってるぜオーラを出していたサラリーマンなんかが、そう思ってしまうタイプでしょうか。
また、最近の若者では、こういう「バリバリ感」のオーラを出すのではなく、ピュアで言われたことを素直にやる"だけ"のタイプが、割とそう思っているようで、成長できずにもがき苦しんでいる気がします。
両者とも、一生懸命なだけに、なかなか自分の姿勢を改善することができません...。


成長するために身につけるべき、最後の大切な姿勢は、「工夫すること」です。
楽しい!という気持ちだけに頼るのではなく、遮二無二やる!という肉体!?や精神力だけに頼るのではなく、「考える」という知恵の部分を組み込む、とでもいいますか。


なんでこの姿勢が必要になるか、というと...
学生の頃と、社会に出てからと、決定的に違う点で
「周りや社会の要請に応える」
ために成長しなければいけない、という要素が加わることがあるからだと思っています。

高校生までの学業やスポーツ、或いは考え方そのものを成長させていくときには、自分だけのことを考えていればいいですよね。
しかし、社会に出てから、「仕事ができるようになる」「親として成長する」など、ほとんどのケースにおいて、周りや社会の要請に応えるレベルが上がっていくことを成長と言う気がします。
で、そのためには、相手のこと、社会のことを理解する「想像力」が何よりも必要となります。

いろいろなケースを経験しながら、想像力を蓄え、TPOに応じて「工夫」し続けることで成長する、これが成長の最後のステージだと思います。
余談ですが、「努力は必ず報わるわけではない」と教えることが重要だ、という論は、この最終ステージにおける態を身につけさせるための論であって、「楽しんで成長する」ことしか知らない人に向けての論ではないのは明らかです。


そして、「工夫する」ことすら楽しんでしまえば、人はいつまでも成長し続けられる人間になると思います。
このステージに立った人間は、他の人から見ると、「楽しみながら成長している」と感じられますが、幼児や小学生の頃の「楽しみながら」とは全然違うステージにいるんですね。
楽しむこと、汗をかくこと、工夫すること、成長にはすべて大切と弁えて、これらに折り合いをつけると、成長が楽しくなる、ってわけです。

※本ブログはZ会ブログ「和顔愛語 先意承問」2014年3月12日の内容を一部修正し掲載しています。