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教育の難しさについては前々から感じていたが、意外なところに理由があった(#190)

教育の難しさについては前々から感じていたが、意外なところに理由があった(#190)

森川 滋之

ITブレークスルー代表、ビジネスライター

当ブログ「ビジネスライターという仕事」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/toppakoh/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


教育がうまくいくかどうかは、教師がどのような問題を作るか次第。

中年以降の人の勉強ブームというのが、あるそうですね。

私も、ご他聞にもれず、『もういちど読む 山川日本史』をだいぶ前に読み終え、いまは『もういちど読む 山川世界史』をトイレにおいて、用足しの都度読んでおります。

昔は、「イスラム」だったのが今は「イスラーム」に。その反動かは分かりませんが「リンカーン」が「リンカン」などと、音声だけだと何やら不謹慎な名前に・・・。まあ、名前はともかく、ずいぶん中身は変わったようで、面白く読んでいます。

昔より、すんなり頭に入ります。なぜなんだろうと考えていたら、テレビにそのヒントがありました。

●パズルで基礎訓練

私が見たのは、「宮本算数教室」の授業風景でした。

「開成・麻布・栄光・筑東・筑駒・桜蔭・フェリスといった首都圏最難関中学校に、 多くの生徒が合格するという実績を持つ算数教室」というふれこみの塾です。2010年度までの開成中学の合格実績は、なんと77%!キャンセル待ちが500人というのも、あながち嘘ではなさそうです。

テレビでは、生徒にパズルを解かせていました。

▼パズルはこちらに
http://miyamoto-puzzle.com/kyoushitsu/puzzle.pdf

番組を見ていただけでは、上のPDFの2ページ目のパズルを解くだけで、難関中学に合格するという印象を持ったのですが、さすがにそうではないようです。

そこで、この塾のコンテンツをいろいろと見たのですが、パズルはあくまで数に対する苦手意識を払拭しながら、脳を鍛えるためにあるということのようです。

問題集を見ていると、パズルで鍛えたという前提の子供たちが、楽しみながら算数の問題を解くという趣向になっています。

算数の問題も、一種のパズルのようなところがありますから、どうせなら楽しみながらやれればいい。理に適っていると感じました。

●大事なのは設問

宮本算数教室が成果を出しているのは、教え方も上手なのでしょうが、「設問」を重要視しているからではないでしょうか?

苦手意識を払拭するための「設問」としては、パズルが最適だろう。それでは、算数の基礎を身につけるにはどうしたらいいか、応用問題が解けるようになるにはどうしたらいいか、など目的に応じて、設問のしかたを一生懸命考えているのではないかと思うのです。

ここで冒頭に戻ると、私は高校のときには、日本史はまだしも、世界史は頭に入ってこなかった。これが、今すんなり頭に入るのは、別に年齢を重ねたから、理解力が高まったということではないようです。

高校生のときよりは雑学的知識は増えているので、世界史の教科書に書いてあることは、常識中の常識と感じるようになったということもあるかもしれません。

ただ、私の頭の中にすんなり入ってくるものは、同じ時代の世界の全体像とか、アジアとヨーロッパの関係とか、それぞれの事件が起こった理由や意義などなのです。知識ではないのです。

思うに、高校のころは、テストで知識を問われるという前提があったので、固有名詞や年号ばかりを覚えようとしました。そういったものが暗記できれば、勝手に関連性が理解できると思っていたのです。

実際はまったく逆。今は、同時代の世界の全体像や事件の発生理由や意義を一生懸命、知りなおそうとして読んでいます。だから、すんなり頭に入る。

私自身の「設問」が変わったので、理解できるようになったということらしいのです。

●社会人教育でも同じ

何度も例に出して恐縮ですが、拙著『奇跡の営業所』のモデルになった吉見範一さんの営業マン教育の事例も、まさに設問を考えてうまくいった例と言えます。

吉見さんは、素人ばかりの営業マンしかいない営業所の所長に赴任しました。そこで、マイラインのシェアの奪回営業という、ベテラン営業マンでも難しい課題に取り組みました。そして、半年後には、全国100ヵ所の営業所でダントツのトップの契約数を達成しました。

営業マンたちには、明らかに教育の必要がありました。吉見さんは、彼らにどうやって営業を教えたのでしょうか?

普通のマネジャーなら、商品説明のやり方と売り方に関する基礎的な研修を受けされることでしょう。

吉見さんは、まったく違う「教育」をしました。時間も予算もなかったので苦肉の策でしたが、爆発的な効果がありました。

ポイントはいくつかありますが、教育という意味では次の2つだったと思います。

  • いきなり新規開拓に行かせず、既存客にヒアリングさせに行った
  • ペアで営業に行かせて、お互いの長所を朝礼で発表させた

これだけでは、なんのことやら分からないと思いますので、詳しくはYoutubeにアップした動画を見てください。

▼新規開拓組織の立ち上げ方
http://www.itbt.biz/333eigyo/etc/free_seminar_001.html

秀逸なのは、既存客にヒアリングに行かせたことでしょう。

テレアポ一つとっても、既存客は新規よりはるかに楽です。また、売り込みではなく話を聞かせてほしいということだったのでなおさらでした。これなら素人の営業マンでも、必ず実績がでますし、断られて落ち込むこともないので楽しくやれます。楽しくやりながら、接客にも自然と慣れていきます。

宮本算数教室で基礎訓練のためにパズルを解かせるのと、そっくりではないでしょうか?

●教育の難しさ

ここに教育の難しさもあるのではないでしょうか?

言葉で言うのは簡単ですが、適切な「設問」をしろと言われてもできない人がほとんどではないでしょうか?

私自身、研修ではワークを多用するほうです。しかしながら、本当に教育効果のあるワークの設問ができているかは、もう一度よく反省する必要があると感じています。

 

追記

ここに来て、中小IT企業からの相談を受けることが増えており、ここ数ヶ月の新規顧問先は、すべてIT企業という状況です。

そこで、中小IT企業の経営者あるいは営業マネージャ限定のセミナーを開催することにしました。

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