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素人でも高反応率のセールスレターを書く方法

素人でも高反応率のセールスレターを書く方法

森川 滋之

ITブレークスルー代表、ビジネスライター

当ブログ「ビジネスライターという仕事」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/toppakoh/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


「1000枚配って 10件☆ 感動で胸がじ~んとします」(神戸 インターネット回線営業 増田陽子様)

ゴールデンウィーク直前の4月28日に、このようなお礼のメールをいただきました。

1000枚は配布したチラシの枚数。10件は成約件数です。

1%の成約率!

これがどれだけすごいことか、チラシを撒いたことがある人にはお分かりだと思います。

コストはほとんどかかっていません。Wordで作成したチラシをプリンタで印刷して、手配りしただけ。

手配りしたと聞いたあと、ぼくは「なぜ、ポスティング業者に頼まなかったんですか?」と聞きました。

答えは、「そんな業者がいるのを知りませんでした」(微笑)。

そう。彼女は実は、チラシを作って撒くということにはじめてチャレンジしたのでした。

● なぜ、はじめてのチャレンジでこの高反応率?

1%の成約率のチラシと聞いて、どんなプロが作ったのかと思われた方は、拍子抜けがしたかもしれません(その前にタイトルをきちっと読みましょうと言いたいですが)。

増田さんは、昨年秋に開催したニューズレターのセミナーに参加してくださいました。

ニューズレターは、ご存知の通り、長期的視野で見込み客との信頼関係を作ることを目的に定期的に配布する営業レターです。増田さんも、見込み客とじっくりと関係を作るつもりで参加されました。

ところが、その後売るものが変わり、とにかく短期的な成果を出す必要に迫られました。

そこで、個別コンサルで、契約が獲れるセールスレターの書き方を教えてほしいとメールで相談があったのです。

ぼくもセールスレターに自分軸を応用すれば効果が出ることには確信を持っていましたが、もっと事例が欲しいと思っていたので、お引き受けすることにしました。

さて、増田さんがはじめてのチャレンジで、驚異的な高反応率をたたき出した理由ですが、それは彼女がきわめて素直で、ぼく以上にぼくの言うことにまじめに取り組んだからに他なりません。

なので、あなたも以下に書くことに、まじめに取り組めば、高反応率のDMやチラシがかけるようになるはずです。

● きわめてシンプルな指示

ぼくが、セールスレターのご指導をするときに、お伝えすることはきわめてシンプルです。

  • 自分軸(「誰に」「何を」「なぜ」)をまず明確に言語化する
  • 「呼び水」「つかみ」「物語」「メリット」「クローズ」「行動指示」の順番で書く
    ⇒ 見出し、罫線などを駆使して、この構造・順序で書かれていることを明確にする
  • 内容は、言語化した自分軸に沿って書く

考え方としては、これだけです。これだけを意識すれば、反応率が数倍違ってくるはずです。

実際に事例もあります。

● 6ステップセールスレター作成法

ぼくは、上記のセールスレターの書き方を「6ステップセールスレター作成法」と呼んでいます。

自分軸の説明は、このブログの読者にはすでに無用でしょう(必要な方は適宜バックナンバーをお読みください)。

6ステップのほうを少し説明します。

  1. 呼び水: 「誰に」向けているのか明確に書いた部分(自分軸の「誰に」を書く)
  2. つかみ: ヘッドコピー(キャッチコピー)+冒頭の引き込みの文章
  3. 物語: 利用者のビフォー&アフターを書き、読者の共感を獲得する(顧客価値を明確にする部分)
  4. メリット: 商品の効用(ここまできてようやく商品の説明をして構わない)
  5. クローズ: 見込み客が持つであろう不安の解消
  6. 行動指示: 行動して欲しいことを明確に(購入なら申し込みの方法など)

世の中に氾濫しているチラシやDMを見ていると、4のメリットばかり書かれたものが多いようですが、うそ臭く共感できません

意外と書かれていないのが、1の呼び水です。誰向けなのか分らずにズルズルと読まされるレターほど腹の立つものはありません。逆に、自分向けだと最初に分れば、読んでもらうことができます。

また、6の行動指示が不明確なレターも、けっこう多い

どうやって申し込んだらいいのか分らないレターは論外としても(しかし、実際に存在します)、購入のオファーだと思っていたら、資料請求のオファーもあり、どっちなんだ?と文句を言いたくなるようなものがたくさんあります。 

ということで、きわめてシンプルな指示ですが、これらを忠実に守るだけでも、他のレターとは一線を画するものとなります

増田さんは、指導している側のぼくがついついいい加減に済まそう(慣れるとやりがちなことです)とするところを細かく質問してこられました。

「これは、呼び水になっていますか?」

「物語になっているか不安なんですが・・・」

などなど。

ときどき、ぼくのほうが、そんな細かいことはどうでもいいなどと言い出す始末。

それでもめげずに、とにかくまじめにレターに取り組んだ結果が、成約率1%の快挙だったのです。

● 問合せのほとんどが契約に

先ほどの事例で不思議に思ったことはありませんでしたか?

レター改良後は、訪問先の契約率が100%でした。要するに問合せした見込み客は、すでに購入を決めていたということです。

実は、増田さんの場合もそうでした。

レターの行動指示は、購入申し込みではなく、問合せにしましょうというのがぼくの指示でした。

はじめてのレターです。あまりに反応がないとめげるだろうというぼくの配慮でした。購入よりも問合せのほうが反応率が高くなりますからね。

ところが、増田さんの場合も、問い合わせてきた見込み客の契約率はほぼ100%でした(※)。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

※契約率がほぼ100%なら、最初から購入のオファーにしておけばよかったのではと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、オファーはあくまで問合せのほうが良いのです。そのほうがチラシの読者が安心できるからというのが理由です。

● 自分軸を明確にするだけで訪問効率が数倍になる理由

それは、やはり自分軸が明確だからです。

まず「誰に」を絞りきっています。なので、冒頭の時点で関係ない人は一切読んでいない

また「何を」(顧客価値)を、明確に提示しています(「なお、「物語」の部分は、顧客価値が明示されていれば、ストーリー仕立てになっていなくても構いません。見込み客が頭の中で物語を作ってくれればOKです)。

さらに、クローズで自分軸が決定的な役割をします。

クローズは不安解消だと書きました。不安解消には二つの要素が必要です。

その一つが、「なぜ」こんないいものをこのような価格で売っているのかという理由。高額でも低価格でも理由が分らないと購買側は不安になります。その不安の解消に「なぜ」が必要になります。

もう一つは、あらゆる不安を想定して、すべて解消するということ。そのためには「誰に」向けて書いているのかが分っていなければできません。

自分軸を明確にして、6ステップでレターを書くことができれば、問合せしてきた見込み客のほとんどが購入してくれるということが実際に起こっています

これは営業マンの訪問効率が数倍になるということです。やらない手はないと思うのですが。

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