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新規開拓営業組織の立ち上げ方【2/5】~5つの制約条件とは?(#115)

新規開拓営業組織の立ち上げ方【2/5】~5つの制約条件とは?(#115)

森川 滋之

ITブレークスルー代表、ビジネスライター

当ブログ「ビジネスライターという仕事」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/toppakoh/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


前回より5回に渡って、我が333営業塾の無料セミナー動画をお届けしています。

動画が見られない環境にある方のために、文章だけでもある程度分かるように要約していますので、ご安心ください。

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制約条件が奇跡を呼ぶ。

●解説

今回はこちらです。14分49秒です。

第2回は、吉見が起した「奇跡」の内容と、実際にとった7つの施策のうち4つをご紹介しています。

 

吉見は、素人ばかりの営業所を半年で、全国百箇所以上ある営業所の中でのダントツのトップにしました。

しかし、このことをもって「奇跡」と言っているわけではありません。

これはあくまで成果です。

吉見には、誰もが尻込みするような5つの制約条件がありました。

それにも関わらず、一生懸命手を打っていたら、「奇跡」としか思えない出来事が起こり、結果として成果が出たということです。

■5つの成約条件

では、具体的にはどのような制約条件だったのでしょうか?

  1. メンバーのほぼ全員が営業経験がなかった
  2. シェア奪回というベテラン営業マンにでも難しい仕事だった
  3. 赴任期間が短く、すぐに結果を出すことが求められていたので、営業マン教育をする時間がなかった
  4. 吉見自身が一匹狼の営業で、マネージャー経験がなかった
  5. 吉見も派遣の雇われ所長であり、著しく権限を制限された

どうでしょうか。あなただったら引き受けますか?

セミナーでは触れていませんが、吉見を雇った企業側の論理が透けて見えるように思います。

  • 営業のやり方やツールは(頭である)我々が考える
  • その通りにやっているかどうかを「監督」する人がまず欲しい
  • 営業経験ある人を雇うのは、うまく行っていない個人がいたらアドバイスして欲しいから

しかし、こんなやり方が通用したのは、せいぜい15年前までです。

それなのに未だに、このようなやり方をしている会社は、企業の規模に関係なく、全国いたるところに存在します。

もう、こんなことはやめて、プライドをもって、楽しんで事業をやりませんか?――これが333営業塾が常に主張するところです。

その実現のためのコミュニティも立ち上げました。
http://www.itbt.biz/333eigyo/BKclub.html

■「奇跡」の内容

さて、吉見は5つの制約条件を抱えながらもダントツの結果を出しました。

このとき、2回「奇跡」が起こります。

3ヶ月目に、売り上げ目標を達成しないと営業所をつぶすと言われたときには・・・。

それまで法人営業をいやがっていた帰国子女の女性が、駆け込みで目標を達成します。

6ヵ月目に、営業コンテストの結果が芳しくなければ営業所をつぶすと言われたときには・・・。

それまでずっと大口顧客ばかりを狙っていて結果を出せていなかった若者二人が、その月の締め日の夜ギリギリに契約を取ってきて、全国1位となります。


さて「奇跡」とカッコで括っているのは、見た目は奇跡だけれど、起こるべくして起こったことだと、我々が思っているからです。

■なぜ行動に移れないのか?

吉見は7つの施策を打ちました。

今回ご紹介しているのは、そのうちの4つ。

  1. 安心して働けるマインドの醸成
    成績が出ないとクビにするといわれてびくびくしていた派遣営業
    たちに対して、絶対にクビにしないと宣言。その代わりつぶれるときは一緒だと「運命共同体」宣言
  2. 既存顧客への訪問
    そうでなくても不慣れな営業マンばかりなのでいきなり新規開拓をさせずに、行きやすい既存顧客に行ってもらい、やりやすい情報収集に努めさせた
  3. 営業ユニット制の導入
    必ずペアで訪問させた。役割分担できる、訪問が楽、顧客からも一目置かれるなどのメリットがあり、確かに営業所全体での訪問件数は減るが、それを上回るメリットがある
  4. 長所の引き出しと認め合い
    ペアで訪問させたメリットの一つでもあるが、お互いの長所が見えてくるので、それを朝礼の場で共有させた。続けていくうちに自然と適材適所になっていた


前回も書きましたが、営業がうまくいっていない会社は、まずは施策をそのまま真似してしまえばいいと思うのです。

やってみて、何か失うものがありますか?

失うよりも、周囲を説得するのが面倒だし、軋轢が起こることを避けたいだけ。

社員は必ず改革の抵抗勢力になりますからね。何かちょっと変えるだけでもいやなものです。私もそういう会社員でした。

※一人でやっておられる方なら、配偶者や恋人が社員に当たるでしょうか。いずれにしろ、彼らは必ず「あなたのためを思って」言っていることなので、つらいのはよく分かります。

しかし、そうやって手をこまねいているうちに、日一日と取り返しのつかない状況に近づいていきます。

やってみてうまくいかなければ改良していけばいい。

やってもいないのに、できない――もう、こんな言い訳とは一日も早くおさらばしましょう。

コンサルタントを悪役に使うのもありかもしれませんよ。


次回は、残り3つの施策と、7つの施策に共通する本質とは何かを語ります。ご期待ください。

追記

※今週は、333営業塾メルマガと連動企画です。

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