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「はじめに」はイマイチだが「著者からの挨拶」がすばらしい~『7つの習慣』【1】(#119)

「はじめに」はイマイチだが「著者からの挨拶」がすばらしい~『7つの習慣』【1】(#119)

森川 滋之

ITブレークスルー代表、ビジネスライター

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信頼と比べればテクニックは枝葉末節。(S・R・コヴィー)

●解説

『7つの習慣』を、今さらながらですが読み始めました。

「はじめに」の次に「著者からの挨拶」があります。冒頭の言葉は、そこにあったもの。

「はじめに」があまりに杓子定規でつまらないので、「著者からの挨拶」もいったんは読み飛ばしたのですが、読み直してよかった。

おそらく、「著者からの挨拶」だけでも本の半分ぐらい元が取れるのではないかと思えるほど、この部分はすばらしい。名言がいっぱいです。

他の名言もご紹介しましょう。

  • 「効果性」を司る不変の原則または自然の法則と調和した行動をとるとき、必ず長期において繁栄している
  • 原則は時や場所を問わず作用するもの
  • 戦略は変わるが、原則は変わらない/仕事は変わるが、原則は変わらない etc.
  • 誰しも「原則」に立脚した人生を送っている人を本能的に信頼する
  • 信頼感が深まっているとき、コミュニケーションの苦労はなくなり、自分の意志(ママ)が瞬間的に相手に伝わる/信頼がくずれているとき、コミュニケーションは我々の時間とエネルギーを浪費させ、意志(ママ)疎通が極めて困難なものになる
    ※訳者は、意志と意思の違いを知らないらしい・・・
  • 「世界に変化を望むのであれば、自らがその変化になれ」ガンジー

個条書きの下から二番目にははっとさせられました。

ビジネスにおいて一番大きいのはコミュニケーション・コストではないかと思うのです。

会議の害悪を糾弾する識者は多いのに、ダメな会議は自体はなくならない。その都度、大量の人×時間が取られる。すべて人件費としてコストになります。

会議用の資料を作る時間ももちろんコミュニケーション・コスト。

社員全員がメールに費やした時間のトータルを聞きたいと思う経営者はいないでしょう。これに電話やFAXなども加わってきます。

客先への移動に関わる旅費交通費も人件費もコミュニケーション・コストでしょう。

交際費などまさしくコミュニケーション・コスト。

かように会社のコストの大部分は、コミュニケーションに関わる人件費です。

それが信頼があるかないかで大幅に違ってくると言うのです。

まさに、「テクニック」など「枝葉末節」と言えましょう。

●裏解説

『7つの習慣』の著者スティーブン・R・コヴィーが来日するということで、キャンペーンをしているそうです。

ITメディアも主催会社の一つであるらしく、ブロガーに書評を書けば本をあげると言う。

実は、読みたかったのだけど、今さらという感じがあって手に取りづらい本だったのです。なので、これは神様が読めと言っているなと思い、お引き受けしました。

書評と言っても、読んだと書くだけでもいいというゆるーいもの。とはいえ、おそらくネタの宝庫であろう本だから、ゆっくり使わせていただくつもりです。