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電池と電波と自転車
»2011年3月13日
うふふなマーケティングの贈りもの
電池と電波と自転車
株式会社ことば代表“ことばのデザイナー”。Business Media 誠「うふふマーケティング」を連載中。生活者と商品の真ん中にある“やんごとなきこと”をえぐって、ことばのギフトを贈ります。
当ブログ「うふふなマーケティングの贈りもの」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/uff-recipe/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
「大事なのは電池と電波だ」と吉岡編集長も書いているが、同感。
地震発生時にぼくは、千代田区神田須田町にある印刷会社のビルの6F、ギャラリーの倉庫に居て、その揺れに壁に手をついた。しかしボロボロとモノが落ちてくるわ、閉じ込められたらあぶないわで、廊下に出た。廊下の手すりに立てかけた自転車になぜかつかまって祈った(笑)。
ノートパソコンは机から落ちかけていたが大丈夫。ニュースとツィッターを追うと、余震の中、電車は次々に止まり、「これは帰宅難民になりそう」と思った。発生後割とすぐに、相棒cherryさんとファミリーマートに行く。その時点ですでに食糧を買い求める人が多かった。ぼくはコロッケパンとハムカツサンド等を買っていると、携帯用の電池を買う女性がいた。これは賢い。
ファミマの店頭では、悠々と腹ごしらえする男の若者達もいたが、男はどうも刹那的というか、先を考えない生き物というか。やっぱダメだ(笑)。
【この2日間のブログ】
夕方になり、壮烈な事態が明らかになりながら、ライターとして自分でできることは何か?を考えた。ひとつブログを書こう。
無事を知らせることと、地震の時、何があったのか記録すること。読む人をささやかに元気づける内容にしよう。地震で被災している人はパソコンでブログを読むなんてできないけれど、ぼくにできることはそれくらいだ。
何が起きたか、どう感じたか。素直に書いた。以前、同じフロアに入居していた方々(当方にはシェアオフィスがある)がやってきて「避難させてください」というのは嬉しかった。結局、雑魚寝をしたわけだが、こんな絵のあるギャラリーで、一夜を明かしたブログ(東北・太平洋沿岸地震体験日記@TOKYO KANDA)を書く機会は、あんまりないでしょう。(動き出す猫、というタイトル)
そして何とか帰宅した翌日12日のブログでは、重要と思われる情報をツィッターのTLやフェイスブックを追いつつ、リンク先を検証した上で(デマとか不要なものの削除)、まとめる「恐らく有用だと思う地震情報関連RT 随時更新ブログ」を書いた。10回以上更新した。
たくさんRTをして、RTももらった。みんながどんな気持ちでいるかもわかった。ちょうど官房長官の会見や原発の発表もあって、ブログに臨場感があった。こういう書き方もあるんだ、と思った。
【備えあれば憂い無し】
前の勤め先では、ぼくは足元に運動靴、靴下、ティッシュ、フラッシュライト、電池、ラジオなどを詰め込んだバックパックを置いていた。今は私服の出で立ちで仕事することが多いので止めてしまったが、備えあれば憂い無し。使わないと思っても、使わないことが良いことなので、やっぱり備えた方がいい。
そのときと今の違いはツィッターやフェイスブックという、リアルタイムの通信手段があること。フェイスブックにつないでいると、知人のYukiさん(カリフォルニア在住)から「大丈夫?」とチャットが来た。「ひどかったですね」と返した。電話はなくともフェイスブック。これは大きいが、電源が切れていたり、モバイルなら、電池が必要だ。
iPhoneは優れているが、もう少し電池が持ってほしい。12日の帰宅時に、電車が動いたり止まったり、迂回して普段の3倍の時間をかけて帰宅した。運行情報の交換したり、ツィッターをチェックしたりしたら、ほぼ電池切れ。災害のときには、もっと持続時間の長いデバイスでないと使えない。
ふと思い出したのが『The nPower® PEG』。ずいぶん前に記事を書いたが、振って発電ができる携帯発電装置である。こんなデバイスがあればいい。
意外に使えなかったのがiPadだ。"フラッシュ"に対応していないので動画もほとんど見ることができない。電池の持続時間が長いこのマシンこそ、災害の時に役立ちそうなのに。
そして自転車。公共交通機関が止まった11日でも、自転車(ロードバイク)なら帰宅することはできた(花粉症が酷くてムリだった)。自転車店が襲撃されるように売れたというのはわかる。家屋が倒壊した災害地ではムリだが、自転車にiPhoneを搭載して充電する装置があれば、自在に動けそうだ。