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女子が「家で料理をしたら負け」と言わざるを得ない国、ニッポン

女子が「家で料理をしたら負け」と言わざるを得ない国、ニッポン

広報女子部 部長

「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。

当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


最近、多く見受けられたマタハラのニュース、そしてVERYのtwitter事件は、わたしにとって、「日本はこんなにダメな国だったんだ」と気づかされるきっかけでした。

ニュースのすべてを信用するわけでなくても、こんなくだらないことがまかり通っているとは、まさか思っていませんでした。もっと日本は進んだ国だと思っていましたが、日本の産業が落ち込んでいることやさまざまなことがココにリンクしているような気がします。

これは...、"広報"としては、関係のない話になるのかもしれません。

が、わたしの活動の根本では関係しますので、敢えて書かせて頂きたいと思います。


小さな頃、我が家は母が専業主婦で、父は絵に描いたような昭和の父。

土日、父は寝転びながら母に「母さん、茶」と言えば、お茶が出てきたそんな家庭。


それが、すごく、嫌でした。


父だって、平日は家族のために働いていたのでしょうが、子供の目に見えるのは、家では王様で母を顎で使う(言い過ぎかもしれませんが、幼い目に写ったのはこんな感じ)様子が、女性蔑視のような気がして、嫌でした。


もちろん、両親はともにそれぞれ愛してくれていたとは思うので、もちろん両親には言いませんけれども、それぞれの人生や社会に対する姿勢と、たぶん自分の家庭は縮図で、日本全国がそんな感じ、という風に受け止め、世の中に絶望しました。


子どもながらに、憧れるヒーローのようなカッコイイ生き方が、女に生まれた以上、到底できない、と思ったのです。


女性もきっと、男性ができないことができるはず、と思ってはみるものの、20冊セットの伝記を見ても、シートン、ファーブル、ニュートン...などと続き、女性はキュリー夫人くらい。


幼い頃、なんだかずいぶんと偉人にベンチマークしていたわたしは、
ああ、功績の残せないこんな世界なら、早く命は終わってしまった方がいいや、と思っていました。


とはいえ、そんなことで命を終えるのは、それはそれで馬鹿らしく、じゃあ、どう落とし所をつけるのか、と思った時に、「こんな現状では厭だ」と思った時に、自分なりに「1mmでも世界を変える"行動"をできるようになりたい」と思ったわけです。


わたしは社会人になってから、お菓子づくりを趣味にするようになりましたが、そんなことをしていると、決まってくる質問があります。それは「昔から好きだったの?」という質問です。「実家で料理したら負けだと思ってたから、最近つくるようになった。やってみたらたのしかった」というのがわたしの回答。

そして、実はうちはこんなんで・・・と続けると、「ああ!わかるわかる!うちもそうだった!!」という女子がいます。その比率は、決して少なくありません。今の30前後は、父親から母親への接し方を文字通り背中を見ていると、黙ってはいても、不満だったり、傷に思っていたりする人がいると思います。しかし、世の中では知られていないですよね。

わたしもこのようなことを書きながら、決して求められているニュース内容ではないのだろうな、と思います。熟年離婚を迫られる男性(我が家は違いますが)には、それなりの理由があり、それは本人以外の家族の目にも明らかだったりするのだと思いますが、今更それ以上に追い込んでも仕方がないだろうな、とも思います。しかし、事実は事実。誰かが発信していかなければならないのでは?とも思い、書きました。

世の中的に、まだまだ女性は家事が好きなもの、みたいな思い込みは強いと思います。わたしはお菓子を作るけど、決して"家事"が好きなわけではないし、"ものづくり"が好きなんです。しかし、男性が蕎麦打ちをすれば、"趣味の人"と言われるのに、女性で料理すれば"家庭的な人"というレッテルを貼られることには辟易します。(実際のところ、反論するのもめんどくさいので、何も言いませんが)


たまたま、広報の活動を立ち上げたのは、広報というものが目の前にあっただけであって、わたしの最終ゴールは、女性も蔑視をされず敬意をもって扱われる、そんな社会の創造であるのだと思っています。


世の中の多くの男性が協力してくれないのであれば、やはりそれもちいさな力を集めてスイミーみたいにお互いを助け合う、そんな活動ができるとよいですね。


そんなことを思いながら、毎日を過ごしているわたしには、自分のことではなくても胸を痛めるニュースが多発の日々でした。


こういう世界を変えるために、ほんとの意味で力をつけて、みんながひとりひとりだと怖くて世の中に発信できないことを、一緒に発信し、世界を変えていければよいのですけど。

広報女子会に来てくれていた女子は、20代が多く、"妊婦"や"子どもを持つ"というところには、直接関わる人は少なかったのですが、きな労働組合みたいな感じで、全国でタックを組んで、日本の企業に立ち向かっていけるといいなぁ...と思いました。

それはそれで大それた夢すぎますが、女性が女性として生まれたことを後悔しないような世界を作る一躍を担えれば、と思っています。

わたしの一緒にやりたいと思う広報さんは、自社のことだけでなく、社会に対してどう接していけるかを考えていける広報さんです。自社の売上・取材歴、もちろん、それも大切なのですが、成果を収め、社内で力を持ち、もっと大きなことをしていける、そんな風に皆で活動できたらいいなぁ、と改めて考えました。