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本は己の考えをまとめ戦略を練るために読む!「広報系の書籍」、決して鵜呑みにしないで下さい。

本は己の考えをまとめ戦略を練るために読む!「広報系の書籍」、決して鵜呑みにしないで下さい。

広報女子部 部長

「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。

当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


●今回、記事を書くことになったきっかけ●

先日、昔ビジネススクールでお世話になった先輩から、「やっと(サービスを)リリースすることにしたんだ」と言われた。「へぇ~、よかったですね。なんだか連絡が一向に来なくて心配していたんですよ」なんてやり取りをした。この先輩には起業された時に、「サービスを開始する時、ご祝儀でリリース書きますので!」と言ってあったこともあり、本当に心から応援していたので、嬉しかった。

既に広報系のアドバイザーが入っているとのことで、自分の出番はなさそうだけど、「何か手伝ってもらいたいこと出るかもしれないから、相談したい」と言われて、会いに行った。

12月中にはリリースを配信する予定の先輩。
リリース文書を見せてもらった。

瞬時、絶句した。

私  :え?これはどうしてこのような・・?

先輩:アドバイザーに相談しながら、つくったんだよ

何をどう相談したら、こんなリリースが・・・。

アドバイザーという方は、広報系の書籍を書かれている方だった。「いろんな本を見た結果、これが一番わかりやすくてよかったので、著者の方に相談したんだ」と先輩。

ああ、先輩よ。
なぜその時点で相談してくれなかったのか il||li _| ̄|〇 il||li
リリ-スする間際で相談されてもできることは限られている・・・。

アドバイザーは、おそらくその業界の中では成果を収めていて有名人だと思う。Amazonでの評価もそこそこある。そして、本も実例が豊富で読みやすかったんだろうと思う。

しかし、書籍を読むときの注意点は、「誰が」「どんな立場で」書いているか、である。

広報系の書籍を読む時、ただ一冊の本で判断するのは危険すぎる、とわたしは思う。

【新米広報さんにお勧めしたい、広報系書籍の読み方】

上記のようなことを踏まえて、わたしが広報さんにお知らせしたいことを書いてみる。自社が取りたい方法に一番近い方法を示すものに一発で出会えればいいが・・・案外出会えない。もしくは、出会ったつもりで本を頼りに広報活動してみると梨のつぶて・・・となる。なので、わたしがおすすめするのは、「広報の基本の本」を一冊たしかなものを購入し、その付随的にカテゴリ別に書籍を読みあさることである。

●「広報の基本の本」は以下の様な本

広報という活動の全体を見る時に、「軸」となる。もちろん鵜呑みにするのではなく、「一般的にはこのように言われているのだな」と読む。

広報入門―プロが教える基本と実務 (宣伝会議の基礎シリーズ)

そこにメディアごとに対応した書籍を、乱読する。例えば、以下の書籍の組み合わせ。「著者は誰」で「どんなバックボーン」を持っていて「だからこういうのだ」を確認しながら読む必要がある。

広報入門―プロが教える基本と実務 (宣伝会議の基礎シリーズ)新版 戦略PR 空気をつくる。世論で売る。 (アスキー新書)+  テレビであなたの商品・会社をPRするとっておきの方法元新聞記者が教える マスコミが取材したくなる! 「プレスリリース」の法則プレスリリースはラブレター―テレビを完全攻略する戦略的PR術

これはどういう書籍たちであるかというと、
・「広報入門」="広報の基本の本" 宣伝会議の人気講師による広報王道の書籍
・「新版 戦略PR」=PR会社代表著
・「テレビであなたの商品・会社をPRするとっておきの方法」=元テレビ番組制作者の本
・「マスコミが取材したくなる!プレスリリースの法則」=元新聞記者の本
・「プレスリリースはラブレター」=放送作家の本
ということになる。

※上記は、あくまでもイメージの一例として上げさせて頂いたので、個々の会社ごとにどのメディアと相性が良さそうか、アプローチしたいか等によって、変えるとよいだろう。

●上記にプラスして、広報周りを埋める本

広報がやらなくても当然ちいさい会社なら社長がブログでうっかりやったり、社員が軽い気持ちでやったことが経営の命取りになることもある。広報のカバーすべき範囲は意外と広い。

メディア社会やって良いこと悪いこと +  ネットでやって良いこと悪いこと

●更にプラスして、広報やメディアの今後をさぐる本

「広報」という仕事すら、なくなってしまうかもしれません。メディアの記者だって食べていくのに大変な時代。関係ないや~、とは言ってられません。

5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?

※広報の基本の本は、この業界のドン、山見さんの書籍なども出ているので、そこそこ大きな会社の方は山見さんの本などもいいだろう。記者会見や危機管理についても触れてあったりするので、飲食関係や情報に注意が必要な会社など危機管理が経営の大きな課題となる会社の広報さんは見たらいいと思う。

この1冊ですべてわかる 広報・PRの基本  広報・PR 実務ハンドブック  小さな会社の広報・PRの仕事ができる本  わかる! 使える! 広報活動のすべて (PHPビジネス新書)

ちなみに危機管理については、山見さんの本と合わせて以下の本も良さそうだ。(左は山見さんの書籍「完全マニュアル」)

企業不祥事・危機対応 広報完全マニュアル  危機管理と広報: 事例に見るこの10年

その噂の先輩についてだが、彼と話をしていて、その"アドバイザー"なる人物にかなりいろいろ話を聞いているようであって、わたしの意見は聞いてもらえなさそうであった。誰によって最初に説明を受けるか、ということは大切だとわたしは思う。わたしが説明しようにも何か"アドバイザー"の方から指導を受けている「思い込み」のようなものがあるように感じて、違和感だった。このリリースだとどこも振り向いてくれないと思って、提案したリリースは不採用になり、アドバイザーに指導してもらったもので行くという。

それについては、残念でありながら、ある種想定の範囲内であった。自分自身、テレビに出るまで本は読んでもちんぷんかんぷんだった。やったことがないものは、「やったらそんな結果が出るのかなぁ」と思うしかなく、アドバイスしてくれる人なり書籍なりに従いながら模索する・・・という感じだろうか。メディアに一回出てみることで、「あ。こういうことだったのか!」と霧が晴れた感覚は忘れられない。

というわけで、こんな記事を書いてみたところで、どれほど受け入れてもらえるのかはわからない。でも、定例会を最近やめてしまったわたしが、広報女子の皆さんにできることは、自分の学んだことをシェアすることだと思うので、記事にさせて頂いた。ご参考になればうれしいです。

<お知らせ>
書籍についてはtumblrでブログをつけてみることにしました。一気にはできませんが(^^;、順次アップしていこうと思っていますので、よかったら、覗いてみて下さい。
【広報女子部 "広報"さんへのオススメ本】