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書籍編集者に学ぶ、「コレがなければ、始まらない」は、◯◯力
誰も書かなかった、広報女子部ログ
書籍編集者に学ぶ、「コレがなければ、始まらない」は、◯◯力
「広報女子部」発起人。美容室広報担当。中小企業の中での広報活動に限界を感じ、広報の集まりである「広報女子部」を設立。月1回の勉強会を通じて、他社の広報との情報交換をしている。
当ブログ「誰も書かなかった、広報女子部ログ」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/703mix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
おはようございます!久々の投稿です。
先日、書籍編集者さまのお話をお伺いする機会に恵まれました。お話くださったのは、脱力系というユニークなキャラクターで親しまれる絵本作家、エッセイスト、編集者、アートディレクターである松本えつを氏。今回は、童話や絵本を描く人たちの勉強会で、松本氏は、ゲストとしてお話されたのでした。お話のテーマタイトルは、「出版で夢を叶えるためのHAPPY10倍逆算法」。自分の本を出したい!と考える人に向けて、どのように夢を叶えていくか、お話くださいました。さすが書籍出版もメディアなだけあって、広報の仕事ともかぶることが多く、わたしにとっては頷けることも多く、大変有意義な勉強会でした。
■何があったら「書籍出版」の夢が実現できるのか?
お話の中で、松本氏が会場に向けて質問されたことー。
それは、以下の中で「"何が"あれば、書籍出版の夢が叶えられるか?」ということでした。補足して、「もちろんすべて必要なものです。でも、コレだけはないと成功がむずかしいと思えるものを上げてください」と。
広報のみなさんも是非考えてみてください!この質問の『書籍出版の夢』を、『我が社がメディアに取り上げられること』としてみると、広報の立場に置き換えられます。
もちろん広報は、プレスリリースを打ったり、PR会社さんと契約したり、セミナーに出て知識を得たり、そもそも人と付き合うのが苦手だとむずかしかったり、いろんな要素があります。でも、本当に本当にいちばん大切なものは、童話や絵本を書く人と同じでした。
か
ん
が
え
る
時
間
で
す。
いかがでしたか?ご自身の答えは出ましたか?
■「コレがなければ、すべてが始まらない」は、◯◯力
松本氏の答えは、「想像力」でした。
この「想像力」は、お話やイメージをするための想像力の他、自分の目標を達成した時のイメージやどうやって達成するかにまつわる想像力も含まれるとのことでした。
童話や絵本を出したいと思う時、多くの人が考えるのは、コンテストです。しかし、松本氏は「コンテストで受賞するよりも編集者と仲良くなったほうがいい」、と言います。「コネは無視できない。でも、作ることができる。編集者の立場から感情を想像する-。」と。
編集者が見るもの・アンテナはなんだろう?その人たちはどんな風に媒体を作っているだろう?この人たちが興味を持ちそうなことはなんだろう-?
作品を作りたい時も、誰のための作品だろう、と考える。
そして、その人に憑依する。その人に作品が渡った時、どんな気持ちになるだろう?と想像する。さらに、読んだ人が受け取った後にどう変わっていくか、想像する。例えば、3年後、5年後、読んだ人がどう変わっていくのか-。
その上で、「社会貢献度が高いものは、ほぼほぼ売れる可能性が高い。だから、企画も採用される可能性が高い」と言います。
ここまで聴いて、鳥肌が立ちました。
なぜならば、それは、わたしが初めて広報になってメディアに取り上げられた時に思ったことと同じでした。ある時まで、自社キャンペーンの告知でプレスリリースを作っていました。まったく取り上げられませんでした。しかし、社会の人々に注意喚起を促す情報を社会貢献的なプレスリリースを掲載したとき、初めてたくさんのメディアに取り上げられたのでした。テレビはNHK・日テレ・TBS・フジ・テレ朝・テレ東が来ましたし、新聞も2紙と小学生新聞にまで取り上げられ、自分たちがやりたいことを押し付けているだけではダメで、受け手のことを考えなくてはダメなのだと身にしみたのでした。
■わたしたちは誰に届けたいのか?
わたしはそれ以来、「ただうまく広報すること」に興味がなくなりました。PR会社さんなどはそれは上手にPRされるのだと思うのですが、広報の本質は、やはり会社の中枢から生まれなければならない。そして、その生み出すにあたっては、会社の中枢部の倫理観だったり、考え方、想いが絶対に必要です。そして、自分たちのサービスや商品を届けたい人にどのようにコミュニケートしたいか、その会社がどのように社会に作用したいか、ターゲットとなる人々や社会の気持ちに憑依するように"想像"することが、広報の醍醐味だと思いました。
会社によっては、新人さんを広報に据えることも多くあります。広報は、出世の道があまり広くなく、熟練者に不適切である場合も多くあります。よって、本当に能力がある人はフリーランスの方が稼げるでしょうし、もっと自信がある人は会社を立ち上げチームとしてPRに携わります。しかし、それでも、広報の本質は、コミュニケーションの部分における会社の本質であるべきです。
2012年、2013年、広報さん向けのセミナーや交流会を企画してきて、わたしにはもどかしさがありました。広報がイージーに知りたい情報は提供し、それなりに感謝もされているが、知識を得たいだけなら、有料のセミナーやPR会社が企画するセミナーに行けばいいだけのこと。そうではなくて、テクニックではなく、内部で働いているからこそできる社会貢献をみんなで考えていく、そういうことこそ女子に向いている気がしました。広報は仕事の中で"人間"としても成長をさせてくれる、仕事だと思います。1人ではむずかしいけれど、皆でチームとしてやっていく、そんなことをやっていきたいと、心から思いました。
◆松本えつを氏について◆
1975年生まれ。日本大学芸術学部卒業後、
<参考URL>
【ETSUWO.COM】http://etsuwo.com/
【松本えつをの脱力日記 バンザイ日和】 http://ameblo.jp/etsuwo/
<代表作>