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GoogleのMotorola買収戦略をちょっと違った視点で考える

GoogleのMotorola買収戦略をちょっと違った視点で考える

藤 優之

福岡県出身、1977年生まれ。横浜国立大学卒業後、上場会社の経営企画室長を経てトーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)に勤務。幅広い業界に対し、新規事業立案・実行支援、事業再建、M&A等多数のプロジェクトを経験。Facebook http://www.facebook.com/MasayukiTou twitterID:@MasayukiTou

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GoogleがMotorolaMobilityの買収を発表した。
これにより、Googleが初めて製造業を自社で担うこととなった。


Googleの狙いは、何だろうか?


これまで報道されている内容では、以下のような論調が多い。

 1 OSから携帯電話製造まで垂直統合を果たし、Appleに対抗する
 2 Motorola Mobilityが持つ多くの特許権を買うことで、訴訟リスクから回避する

Googleからの情報では、1の「攻めのM&A」というよりも、2の「守りのM&A」という側面が強いようだ。


しかし、これが本当の理由かどうかは、分からない。
企業買収においては、本当の理由というのは、実際のところ経営陣しか知らないことが多い。

わたしが手掛けたM&Aの中には、世間的には「多角化による収益多様性の確保」だが、社長の本音は「就職できなかった会社を買収し、見返してやる」というものがあった。

このように、本当の狙いというのは、誰にも分からないものだ。

しかし、Googleの狙いは分からないが、日本の携帯電話製造各社は対応を急がなければならない。


このように本当のところは分からないが、対応しなければならないという場合には、いくつか選択肢を考えて対応方針を練っておく必要があるだろう。

これを一般的には「オプション(選択肢)戦略」という。


日本企業の考えるオプション戦略は?


日本企業はどのようにオプションを考えるのだろうか。
業界全体が一気に変化しようという場合、「脅威」ととるか、「チャンス」ととるかで大きく対応は分かれる。

これまでAppleに負けてきた日本企業が巻き返すチャンスかもしれない。
今後日本企業が、どのような戦略を練ってくるか楽しみである。


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