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前向きな新入社員を作るコツ
コンサルタントが語る組織活性化のポイント
前向きな新入社員を作るコツ
『個人(タレント)』と『組織』の両方に適切な刺激を与え、行動変革を促すことにより、業績向上に寄与する「組織活性化コンサルティング」「タレントマネジメントの推進」を行っています。 ・組織活性化コンサルティング事業/タレントマネジメント推進 -HR領域(人事制度/人材育成) -診断領域 -方針・戦略策定領域 -マーケティング領域 -コミュニケーション領域 -ワークプロセス領域 -従業員情報一元管理システム
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昨今、就業環境が活況になり、どこの企業でも新入社員の獲得に躍起になっていると思う。この新入社員は、採用活動・人材獲得だけでなく、内定~入社後の定着や戦力化もよく話題になる。今回のコラムでは、テーマを内定~入社後の定着と戦力化に絞り、「前向きな新入社員を作るコツ」と題して、ポイントを以下にまとめたので、来期の新入社員研修の企画時の参考にして頂きたい。
諸説あるが概ね2008年度以降に入社する新入社員は、ゆとり教育を経て成長していることから、いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれている。この「ゆとり世代」に対する賛否はいろいろあるが、私はこの「ゆとり世代」を"オンリーワン世代"と捉えている。ゆとり世代よりも前の世代は、第二次ベビーブーム世代を中心として比較的年齢別人口も多く、高校・大学の受験や就職活動などの節目で常に競争を強いられてきた。また更に、第二次ベビーブーム世代よりも前の世代においては、高度経済成長期を経験している等、成長や競争を前提にビジネス経験を積んできた世代でもある。この成長や競争を前提に成長してきた世代をナンバーワン世代。そして、前述したとおり、ゆとり教育を経た世代を"オンリーワン世代"と私は捉えている。
「ゆとり世代」は、ゆとり教育という教育制度に準えて作られた言葉である。このゆとり教育を説明する際に、「徒競走では一番を作らないように手を繋いでゴールする」「円周率を3.14ではなく3と教える」など、教育における厳粛性が低下したかのように、一部の取り組みを揶揄して表現する場合も少なくない。そもそもゆとり教育の目的とは、個々の興味や関心を中心に、特徴を生かす(伸ばす)教育である。つまり、個々の自尊心や個性を重んじられて成長してきた世代が「ゆとり世代」であり、私が"オンリーワン世代"と捉えている所以である。この「ゆとり世代」に対して、「顧客よりも自分のやりたいことに拘る」「会社の飲み会に参加しない」「ストレス耐性が低い」などと嘆く声も多くある。しかし、ここで少し考えて欲しいことがある。それは「幼少の頃から受けた教育に沿って育った人物像をどのように変えるか」という観点よりも、「マネジメントをどのように変えるか」に目を向ける方がいたって建設的ではないだろうか。
ひとつめのポイントは、自尊心や個性にフォーカスしたマネジメントの確立である。これまでは幼少の頃の教育の流れから、競争や比較するマネジメントが功を奏してきた。しかし「ゆとり世代」に関していうと、自尊心や個性にフォーカスしたマネジメントが求められるといえる。つまり、新入社員個々の特性や特徴、職務志向や行動に目を向けて、マネジメントすることが求められるといえるが、これらはそう簡単な話ではない。なぜなら、このゆとり世代をマネジメントする層は、概ね常に競争や比較でマネジメントされた第二次ベビーブーム世代であったりするわけである。つまり、常に成長や競争を前提として経験を積んだ世代が、自尊心や個性を重んじている世代をマネジメントするのである。このギャップが現在の新入社員に対するマネジメント不全を生んでいる側面と言えるのではないだろうか。
もうひとつポイントは、新入社員に対する教育と現場とのギャップである。これは前述の「ゆとり世代」だけに限ったものではなく、全般的に言える課題である。例えば新入社員研修で「元気よく挨拶をする」ということを学んだとする。しかし現場に配属され、元気よく挨拶したところ、先輩社員から「新入社員研修で元気よく挨拶しよう!って習うよね。挨拶は良いからさ、そこに座って待っていて、あとでやってもらうこと指示するからさ」と言われるとする。恐らく、こういわれた新入社員が次に元気よく挨拶をすることはなくなるであろう。
ここで考えてみて欲しい。貴社の上司や先輩社員は、新入社員個々の職務志向や強み・弱みを理解しているであろうか。また新入社員研修で学んだことを、現場で浸透・定着する(させる)取り組みを齟齬なく実施できているだろうか。つまり、前向きな新入社員を作るコツは、新入社員そのものや新入社員に対する教育カリキュラムの内容だけではなく、現場の上司や先輩、また教育と現場との連携の在り方にあるのではないかと思う。物事の問題や課題は必ずふたつの物事の間に発生する。つまり、新入社員側だけではなく、マネジメント側を変革させることも念頭において施策を打つ必要があるといえる。
代表取締役社長 兼 CEO 大野順也
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