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【ワタクシの仕事術4】 優秀なビジネスマンに備わる5つの共通点
アラキングのビジネス書
【ワタクシの仕事術4】 優秀なビジネスマンに備わる5つの共通点
ビジネスコンサルタント&執筆業。荒木News Consulting代表。業界をまたいで中小企業経営者のサポートを行う「究極のフリーランス」。2012年より、ビジネス書の執筆ならびに雑誌の連載をスタート。
当ブログ「アラキングのビジネス書」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/arakinc/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
これまで実に多くのビジネスマンを見てきた。私の場合は多くが経営者だが、普通のサラリーマンも数多く見てきた。年代もいろいろ職業もいろいろ、相当に幅広い業界のビジネスマンと会ってきた。できることなら優秀な人と共に成長したい・・・と願う私は、知らずのうちに優秀なビジネスマンに共通する資質を、換言すれば『デキる人の法則』を見つけた。
1)愚痴を言わない
愚痴を聞かされても気分の良いものではない。喋っている本人はすっきりするのだが、聞かされる方としてはたまったものではない。愚痴はストレス発散効果があり精神衛生上プラス作用があり、ココロのバランスを保つための"健全な自衛行動"なのだが、度が過ぎればよろしくない。
デキないサラリーマンは可哀そうなほどに愚痴をこぼす。毎日こぼし、いつもこぼし、飲み屋でこぼす。若いうちは仕方ないこととして、30歳過ぎてもこぼし続けるような人は、もはや成長は望めない。
私はビジネスコンサルタントのほかに、友人とふたりで農業ビジネスを経営しているのだが、この相棒が実にたくましい精神の持ち主である。
彼は学生時代に父親の莫大な借金を背負う羽目になったのだが、それなら給料の良い業界で早く返済してしまおうとスッパリと頭を切り替え、むちゃくちゃに働きまくり、わずか数年で借金を完済してしまった。普通、こんな不運を背負わされたら愚痴がとめどなく溢れても不思議でないが、彼の口からその辺の愚痴を聞いた記憶がまるでない。
彼は給料の良い業界に興味を失い、本当にしたい仕事を探し始め、辿り着いたのが給料の悪い業界・・・農業だった。自然が相手の農業ビジネスは苦難の連続である。"予想外のコト"がいつも訪れ、解決しようのない事態は日常的ですらある。そんなときでも彼は黙々と働き、現状を冷静に見つめ、最善の解決策で地道に対処する。やはり愚痴は出てこない。
愚痴の少ない人は、自分で解決すべき術を心得ている。
愚痴の多い人は、結局、何も自分で解決できない。
2)遊び上手
仕事はマジメに取り組めばよいというものではない。残業をし過ぎれば頭は動かなくなるしミスは増えるし、イライラするし、精神にも悪影響を及ぼす。またビジネス書ばかり読んでいては頭も硬くなり過ぎるというものでしょう。
まったく遊ばないビジネスマンと話していると、ほとんど仕事の話しか出てこない。人間的な引き出しが少な過ぎて、話していても面白くない。
とある飲食店を経営している50代半ばの経営者がいるのだが、彼はいつも遊んでばかりいる。朝、お店のセッティングを終えると、後はスタッフに任せて自分はふらりとどこかへ消えてしまう。そして適当な時間にブラリ帰ってくる。
では帰ってくると仕事するのか? いやいや、これがまた、しないのだ。常連のお客さんたちと酒盛りを始めてしまう。たまにカワイイ女の子が通り過ぎると「へ~い、彼女~」と、ナンパを始める。常連の酒がなくなるといそいそとレジに戻り、みんなのぶんのお酒を持って帰ってくる。私はいつも「あら、ご馳走さん~」と、飲み続ける。
さて、彼は本当にお店をほっぽり出して遊んでいるのだろうか? まあ、遊んでいることに間違いはない。しかし彼の持論は「常連たちと飲むことでコミュニケーションを取っている。お店のためだ!」と言い張っている。一理ある。たまに飲み過ぎて、「じゃあ、オレ、ちょっと別のところに飲みにいくから・・・」と、常連を置いてどこかへ消えてしまう。こんなお店、経営者はそうそういないだろう。独特なのだ。
彼は遊びが最優先であるが、決して遊んでいるだけでもない。常連たちと酒を飲みながら楽しくビジネスなどの話をしていると、おもむろに携帯電話を取り出し、誰かに連絡していることもしょっちゅう。誰? とたずねると、う~ん、とある議員サンと言う。不思議な人脈を持つハブズな人でもあり、酔っ払った勢いで勝手にアポを取り、常連のためにさっさと動いてしまう。
私はそんなファンキーな彼が大好きだ。常連もみんな同じ想いで、彼の「飲みまくり作戦」は多くのお客さんを呼び込むことに成功し、その愛すべきキャラクターがまた、次なるお客さんを集めという連鎖が続く。彼はこんなスタイルで長いことやってきた。
遊び上手な人は<ビジネスに意味のある遊び>を知っている。
遊び下手な人は、意味のない仕事に精を出す。
3)誰も真似できない
ビジネスとは誰かの真似をすることから始まる。先輩や上司から教わったり、ビジネス書から学んだり、知識を蓄えて場数を踏むことで成長していく。しかしそれもどこかで曲がり角が訪れるもの。ここでやはり誰かの真似をしてやり過ごそうと考えると、成長はない。
とある外資系生保に勤める古い友人がいる。彼も当初は誰かの真似からビジネスをスタートさせ、かなりの報酬を得ることができるようになった。普通は「もうこんくらい稼げばいいかな」と、保守的になるところだ。ところが彼は成功体験を捨てて戦略を変更し、誰も手をつけていない特殊なマーケットに目をつけた。
彼はひとりで着々と顧客開拓を始めた。その特殊マーケットに即したオリジナルのアプローチ法を自分で編み出し、実践し、じわりじわりと信頼を集め、やがて相当なシェアを築くに至った。彼はこんなことをいつも口にする。
「俺の真似をしてもいいけど、誰も真似できないからね・・・。」
圧倒的な自信である。そして彼の言っていることは本当である。ビジネスモデルを模倣することはできても、それを死ぬほど考え抜いてスタイルを確立した本人でなければ、真似してもニセモノビジネスになってしまうだけである。
誰も真似できない、は、最強である。
真似ばかりするビジネスマンは、決して誰からも真似されない。
4)金を追わない
仕事は金を稼ぐための手段である。出世すれば給料は上がるし、うまく転職できれば一気にベースを上げることができるし、働く上でお金が重要なモチベーションになっていることは間違いない。ただし、金を追い過ぎると、転職も仕事も起業も失敗する。
働くことの本質が「社会との関わり合い」にある以上、この本質、つまり何のために自分の労働力を提供するのかということを置き去りにしてしまうと、最終的にはお金も自分のところへ巡ってこない。
カリスマ美容師なる言葉が流行するずっと前からの"カリスマ的な美容師"がいる。腕前は超絶、多くの有名人を顧客に抱えているが、しかし彼は金儲けにあまり興味がないようだ。決して値段は高くないし、お高くとまってないし、カリスマ風に振る舞うような言動もない。私が「ボクの値段はもっと高くてもいいですけど・・・。」と進言すると、いやいや、よそのカリスマが高過ぎるだけだから・・・と、いたって謙虚かつ冷静。
私がいつも奥さんと一緒に予約を入れると、ふたり分の時間として6時間くらいを用意してくれる。カット&パーマだけならふたりで3時間もあれば充分であり、現に仕事はむちゃくちゃ早いので3時間もかからずに終わってしまう。では後の3時間は何をしているのかというと、3人で喋っているだけである。
海外旅行の話、音楽、クルマ、ファッション・・・共通の趣味で盛り上がる。この"余分な3時間"を他の予約客に充てれば売り上げは倍になるはずだと毎回考えてしまい、そして少々申し訳なくなるのだが、彼にとっては"必要な3時間"であると言う。その発言にはいやらしさがない。超絶テクニックに加え、そんな優しき実直な人柄が、お客がお客を呼ぶ好サイクルを生み出している。
お金を追わない人には、価値ある人脈が寄ってくる。
金ばかり追う人からは、多くの人が逃げていく。
・・・・・・
これら4つの特性を備えている人は、私の経験上、優秀なビジネスマンであることが多い。年齢問わず、業界問わず、うまくいっている人が多い。ひとつひとつの特性を持っている人はいても、同時に4つとなると、なかなか難しいものだ・・・。
『愚痴を言わない』とは、問題解決能力の高さを証明している。ストレス耐性が強く、常に自分で問題を解決しようという高い意識がある。
『遊び上手』とは、仕事だけに頼らない世界観を持っていることを意味する。視野が広く、バランス感覚に優れており、人生に幅がある。
『誰も真似できない』とは、柔軟な発想力と、それを実行するだけの行動力が必要である。強烈なメンタリティーがなければ無理である。
『金を追わない』とは、仕事の本質や意義を深く理解していることである。力みがない分、ビジネス発想がダイレクトに良い方向へ向く。
ところで、優秀なビジネスマンとは何なのか? という定義も重要である。お金を稼いでいる人? いや、それは違う。仕事をきちんとこなす人? それはプロとして当たり前。出世している人? 仕事ができなくても出世はできる。じゃあ何だろうか?
この分野のことはこの人に任せよう、聞いてみよう、頼みたいなどと、まっさきに想い出すような<存在感ある人々>であると、私は考える。独特のプレゼンスや仕事ぶりに明確な個性があること、ただそれ自体が、強烈な差別化となっている証拠だ。
優秀なビジネスマンほど、次に会った時に必ず<前回とは異なる面白い話>をするものだ。引き出しが多く、魅力的だから、また次も会いたいと思う。
愚痴ばかりこぼす人は次もこぼすであろうし、金ばかり追いかける人は目先のことしか見えていないので、次も目がギラついたままである。次に会った時の会話が想像できてしまい、実際に会うと、前回と同じような話をしている。成長の痕跡や明るい将来性がまったく見えないので、もはや会うメリットも楽しみもない・・・。
そうそう、忘れていた。5番目として、例外なく、みな異様に【我が強い】ことを最後に付け加えておく。折れない、曲げない、流されない・・・。頑固なのだ。付き合うにはやっかいな時もあるが、だから優秀なのだ。頑固な代わりに、みな<愛と笑い>に溢れているのも、デキる人の特性だろうか・・・。
(荒木News Consulting 荒木亨二)
*イオンの新規ビジネス花屋『ルポゼ・フルール』、ブランドプロデュース中
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