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東芝「REGZA Tablet AT703」のある生活・2日目

東芝「REGZA Tablet AT703」のある生活・2日目

吉岡 綾乃

Business Media 誠で編集長をしています。本ブログ&Twitterでは、Webメディアや紙メディア、ネットビジネス、携帯電話、非接触ICなどについての話題が中心になる予定。


 先週から、東芝のAndroidタブレット「REGZA Tablet AT703」をモニターすることになりました。前回は箱から出してセッティング&キーボードで文章入力テストまでで終わってしまったので、今回は手書き機能の話を。

●タブレットは「見るため」のものなのか

 実はタブレット端末好きな私。初代iPad、Galaxy Tab(初代&10インチバージョン)、Nexus 7......といろいろ使ってきました。

 私の場合、一番の使い道は電子書籍。次がWeb閲覧(調べ物)、3つめが地図を見る、でしょうか。調べ物は正直スマートフォンでもいいし、がっつり調べたいときはPCに限ります。こうして考えると、タブレットの目的って「読むこと・見ること」なんですね。

 REGZA Tablet AT703を使ってみて思うのは、「これはもしかして、私にとって初めて『見るだけじゃなく入力もするタブレット』になるかもしれない」という予感です。

 前回書いた通り、REGZA Tablet AT703には、ノートPCと見まごうような立派なBluetoothキーボードが付いています。最初からATOKも入っているし、Windows PCにはさすがにかなわないものの、タブレットとしてはかなり「これで文章を入力したいな」と思わせる端末です。

 そしてもう一つの入力デバイスが、AT703にだけに付いている、電磁誘導式の「デジタイザーペン」。このペン、書き味がいいらしい、とは事前に聞いていたのですが、実際に試してビックリしました。

●TruNoteを試してみた
 プリインストールされている「TruNote」というアプリを使って、デジタイザーペンでいろいろ書いてみました。文字を書いたり、絵を描いたり......。

 ペンは3種類をサイドボタンで切り替えながら使うことができます。いろいろ試してみて、私の現在の設定は(1)ちょっと太めの万年筆・黒(2)やや細めの赤ペン(3)水色の蛍光ペン の3種類で落ち着いています。筆圧に応じて文字の太さが変わるので、本当に万年筆のように書けます。

 絵も描いてみました......が、人様にお見せできるほど上手じゃないので、ちょっと他の視点を。しばらく試してみて「これは便利!」と思ったのが、「写真をTruNoteに読み込んで、ペンで文字や矢印を書き込む」という使い方です

Screenshot_2013-07-17-17-07-12.png

 この仕事をしていると、写真の中の一部をマルで囲い、矢印を引いて文字で説明を書き加える、という作業がときどき発生します。普段はPhotoshopで作業するのですが、マルで枠だけ描くというのが実は結構面倒。急いでいるときはマウスを握って線や文字を描く、ということをしていました。しかし、息を止めて、精神統一して描いてもこれがなかなかうまくいかないのです。たかだか「ココ」と書くだけでも、線がプルプルしてしまう......。

 そこでTruNoteとデジタイザーペンの出番です。写真を読みこみ、そこで好きなペンでさらさらと書き込めば、まったくもってストレスなし。線が震えることもなく、それなりに見えます。複雑な曲線も問題なし。文字や矢印を書き込んだ画像はエクスポートすれば、PCからでも使えます。


 もう1つ、Webブラウザで調べものをしているとき、気になった部分をクリッピングしてTruNoteに貼り付ける、ということもできます。画像を貼り込んで、それに追加して自分でメモを手書き、という使い方がなかなか楽しくて「これは新しいなー」と思いました。

●文字認識でビックリ

 さらにびっくりしたのが文字認識です。同じくTruNoteに手書きでサラサラと文字を書いた後、範囲選択をして出力すると......おお、手書きの文字がちゃんとテキストになっている!

 画面キャプチャを載せますが(下の画像参照)、これくらいの殴り書きの文字でもしっかりテキスト化してくれるのでビックリです。出力先はいろいろ選べるのですが、私はPCからもスマートフォンからも見られるように、Evernoteに出力しています。

 実は私、普段の打ち合わせには「SHOT NOTE」を持ち歩いています。例えば筆者さんと打ち合わせをして、話した内容をSHOT NOTEに書き留めておくのですが、相手の人に「今日の打ち合わせ内容をメールでください」と言われると、SHOT NOTEにペンで書いたものをスマートフォンで撮影して、そのデータを送るんですね。大丈夫な人もいますが、人によっては「画像じゃなくてテキストで送ってよ」と言われるので、自分でノートを見ながらテキストに打ち直し......ということも、ママあるのです。

 でも、REGZA Tablet AT703なら、好きなだけ手書きしておいてあとでテキスト化すれば打ち直す必要がない!絵とテキストが混ざっているようなときも、Officeで使える形式で出力できるのであとでPCから編集できて安心です。


regza_hand.png


●打ち合わせといえばこんな機能も

 このことに気がついてから、REGZA Tablet AT703には打ち合わせとか、企画を考えるツールとして大きな可能性があるな、と思うようになりました。そうそう、打ち合わせといえばもう一つ、このタブレットには両面にWebカメラが付いているんです。フロントカメラは120万画素、バックカメラに至ってはなんと800万画素!

 何に使うの? と思ったら、「TruCapture」というアプリが入っているんですね。これ、ホワイトボードを両側から撮影すると、台形に写っているのを長方形に補正したり、蛍光灯の光などが写りこんでいるのを消してくれたりして、ホワイトボードの板書を見やすいデータに変えてくれる、というアプリなのです。そうか、打ち合わせのときはこれを抱えていけばいいんだ......と思った次第です。

 バリバリ入力したい時はBluetoothキーボード、絵や図を書きたいときはTruNote+デジタイザーペン、そして、ホワイトボードに板書した内容はTruCaputureでデータ化、ということが可能なREGZA Tablet AT703。これまでは「見る用途専門」だったタブレットに「書き込む」という可能性が加わったな、としみじみ思ったのでありました。

●次期モデルはぜひ、もっと小さい兄弟機を!

 そんなわけで、期待以上に手書きもイケてたREGZA Tablet AT703ですが、もし次期モデルが出るのなら......という話を最後に。

 1つ目、素晴らしい書き味のデジタイザーペンなのですが、収納するところがないんです。これだけ書き味がいいのだから、いつでもどこでもサッと取り出せるようにしたいもの。ケースに入れられるようになっているともっといいのになあ、というのが1つ。

 そして2つ目は、「もっと小さいモデルが欲しい!」ということ。具体的に言うと、Galaxy Noteみたいなモデルがあって、このデジタイザーペンが使えたら、利用範囲がもっともっと広がる気がするんです。こちらもぜひぜひお願いしたい点。

 今回は手書きの話だけで終わってしまったので、次回はテレビを見る話を......と思っています。