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あまちゃん最終回というか被災地めぐりというか

あまちゃん最終回というか被災地めぐりというか

吉岡 綾乃

Business Media 誠で編集長をしています。本ブログ&Twitterでは、Webメディアや紙メディア、ネットビジネス、携帯電話、非接触ICなどについての話題が中心になる予定。


先週土曜日、「あまちゃん」最終回が放送されました。普段朝ドラ見ないし、宮藤官九郎のドラマも大ファンということはないのですが、たまたま放送直後、ドラマ好きの同僚にお勧めされて2週目くらいから見始めたんですよね。そうしたらドハマリしまして......。
 
今までわたし、NHKの朝ドラというものを見たことがなかったのに、録画して毎日見てました。 そりゃーもうガッツリ見ましたとも。小ネタがいちいち面白いので、それを確認するべく同じ話を2回以上見た日もかなり多かった(私だけじゃないはず!)。朝ドラ云々という以前に、これほど真剣にテレビドラマを見たことがあっただろうかというくらいのハマりっぷりでした。
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......という話とは別に、今年の夏、私、岩手に行ってたんですよね。
花巻とか遠野とか内陸部を周り、旅程後半は海沿いへ。でも、あまちゃんの舞台である久慈には行かず、もっと南、釜石から海岸沿いに、国道45号線を南下する旅でした。

三陸の海岸線はほぼ全域東日本大震災の被災地です。

釜石から、三陸駅、大船渡、陸前高田、気仙沼と南下していきました。釜石こそ哲の博物館に行ったけど、あとはひたすら被災地めぐり。

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三陸駅近くの(元)小学校。「なんだろうこの謎な小屋は」と思って近づいたら、中には震災関連の真面目な展示がありました。
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壁に貼られた時間入りのたくさんの写真。津波がものすごい勢いで迫ってくるのが、写真の右下に入っているタイムスタンプでよく分かります。そして、午後3:20で止まったままの時計に言葉を失う......

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気仙沼の第18共徳丸。そう、津波で海から遠く離れたところまで打ち上げられた漁船です。ちょうど交差点のところで、道をふさぐようにこの巨大な船がある姿は実際に見るとやっぱり言葉を失ってしまう。
私が行ったのは8月中旬のお盆の頃でしたが、その後9/9から解体が始まってます。なので、今はもう、こんな姿ではないはず。

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共徳丸のすぐ近くに駅があるんだけど、気仙沼線はいまBRT(専用道路を走るバス)なんですよね。鉄道は......というか線路は使われていなくてこの草ボウボウぶり。BRTっていいなと思っていたけど、被災地で見たBRTはあまりに寂しかった。


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街がまるごと消えてしまった、陸前高田の道の駅。ここは本当に、初めて行って自分の目で見たときには体の震えが止まりませんでした。

......という脈絡のない2つの話がつながるのがコレ ↓

『あまちゃん』最終回記念:来てよその"日"を飛び越えて――今こそ、震災復興ツーリズムのススメ 

夏に見た被災地の話、どこかで書きたかったし、写真も出したかったんだけどなかなかその機会がなかったんですよね。そうしたら先週、誠ブロガーである本橋ゆうこさんから、それはそれはアツい(そして長い)旅行記の持ち込みがあったのです。「誠で記事載せてくれませんか?」って。

さっそく読んでみました。すごく長くて熱くて面白い旅行記でした。でも、内容は被災地巡り。震災記事、2011年以来誠でもずっと載せていたんだけど、残念ながら読まれなくて、連載も1年くらい経ったところで断念せざるを得ませんでした。原発の話はまだ読まれるけど、津波の話は本当に読まれないんです。 

そんなタイミングで、あまちゃん最終回。そして、ハッシュタグでTwitter上に流れる最終回感想を見ているうちにたどり着いた、「あまちゃん」チーフ演出井上剛さんのインタビュー。そこには、劇中歌「潮騒のメモリー」の歌詞「来てよその火を飛び越えて」は「また東北に来てね」という意味では?ということが書かれていました。

「今だ、あまちゃん最終回のこのタイミングで載せるしかない!」ということで、先週末は、一生懸命編集作業をして、なんとか月曜日に掲載しました。 どさくさに紛れて、4ページ目と8ページ目に自分が撮った写真を紛れ込ませるという強引ぶりw 

多分、東京から見るともう震災は過去の話だから、記事にしても読まれないんですよね。現地に行くとしみじみ「ある程度片付いてるけど、復興なんてまだまだこれからだなー」と思いますもん。

そんなわけで、このブログに気がついた方は、ぜひこの記事を読んでいただけないかなあ、と。文字読むのがめんどくさかったら、写真を追うだけでも。よろしくお願いいたします!