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基地問題をなぜ葬儀場に例えたのか?

基地問題をなぜ葬儀場に例えたのか?

吉岡 綾乃

Business Media 誠で編集長をしています。本ブログ&Twitterでは、Webメディアや紙メディア、ネットビジネス、携帯電話、非接触ICなどについての話題が中心になる予定。


Business Media 誠では毎週火曜日と木曜日、メルマガ「ビジネス通信 誠」を配信しています。火曜日配信分は私が、木曜日配信分はBiz.IDの鷹木編集長が作っていまして、必ず記事に載らないテキストが読めることがウリになっています。

今日(5月18日)配信分は私が担当したのですが、冒頭部分に以下のように書きました。 

Business Media 誠の吉岡綾乃です。普天間基地の問題を見ていると、葬儀場建設に反対する住民運動を思い出します。葬儀場は必要なものだからどこかには建てなくてはいけない。自分だってお世話になるかもしれないところ。でも、自分の家の近くにあるのは嫌だ......スケールは違いますが、根本にある問題は同じではないかなと思うのです。そんなことを思いつつ、今日も「ビジネス通信 誠(まこと)」第141号をお送りします。

 

この内容に対して、何名かの方からメールやTwitterで反論をいただきました。「米軍基地は日本にとって必要不可欠なのでしょうか?」「あなたは基地がどれだけ危険なものかご承知でおっしゃっているんですか? また、基地の米兵による犯罪の歴史をご存知ですか?」などです。

メールをいただいた方には返信をしましたが、直接私に連絡を下さった方以外にも「それは変なのでは?」と思った方がいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、メールをいただいた方に私が送った返信内容を、ここで転載したいと思います。

 

●選択肢は「日米同盟続行」「独自の軍隊を持つ」「(日本全滅の覚悟の上)丸腰」の3つ

アイティメディア Business Media 誠編集部の吉岡です。
メール拝見いたしました。以下、基地問題についての私見です。

まず私は、国が独立していられるためには、軍隊は必要だと考えています。完全に丸腰でそれでも外交努力などで独立国として生きていくとするならば、それはまたものすごく高度な戦略と、他国に侵略されても仕方ないという国民の覚悟が必要になるでしょうが、そこについて国民の同意は得られていません。

軍隊が日本に必要だとして(それがどこか国内の基地にいるとして)それが米軍であるべきなのか、日本が自力で持つ軍隊であるべきなのか。そこも合意がとれておらず、日米同盟の傘の下でズルズルと続いているのが現状です。

別に私は、今の姿を絶対と思っている訳ではありません。
米軍に日本から出て行ってもらって、日本が自力で軍隊を持つ、という選択肢もアリだと思います。そのためには憲法九条の改正が必要なわけですが今の日本はその選択をしていませんよね。(自衛隊は何なんだ?という話はここではしません)

つまり、今の日本は消極的に「米軍に日本にいてもらう」という選択をしているわけです。それであれば、たとえ基地がとても危険な必要悪だったとしても、日本のどこかに米軍基地があるのは仕方がないこと。
仕方ないとはいえ、それが自分の家のそばにあるのは嫌だ......という図式を、葬儀場に例えた文章のつもりでした。

今の日本が、日米同盟のしわ寄せを一部地域に押しつけている、という認識は私にもあります。米軍基地がとても危険で、米兵の犯罪は許せないというのであれば、どういう形で米軍に出て行ってもらうのか、それを筋を通して考えなくてはいけないはずです。出て行かないということであれば、今までとは違ったアプローチで、住民が納得できるような共存の道を探る必要があるでしょう。普天間に限らず、基地問題を解決するというのはそこまで踏み込むことだと考えています。

以上が私の見解です。
ですが、前提の部分を取っ払って、葬儀場のくだりだけを短いスペースで書いたのは確かに良くなかったと思います。

記事やメルマガの内容についての批判は、メールアドレスや名前を伏せて送られてくることが多いのですが、お名前・メールアドレスを開示してご意見いただけたことに感謝します。

今後とも、Business Media 誠をよろしくお願いいたします。

======(メール引用ここまで)=======

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