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「ひよこ」は東京土産? 福岡土産?

「ひよこ」は東京土産? 福岡土産?

吉岡 綾乃

Business Media 誠で編集長をしています。本ブログ&Twitterでは、Webメディアや紙メディア、ネットビジネス、携帯電話、非接触ICなどについての話題が中心になる予定。


 先日、Twitterでつぶやいたら、思いの外盛り上がった記事が「帰省で持っていきたい東京土産」

 記事によると、1位は東京ばな奈、2位はねんりん家のバームクーヘン。ただこれ、東京土産としてはいずれもニューカマーです。そもそもの発端は、私が「ひよこは(東京ではなく、埼玉県の)草加でつくってるし、ガトーフェスタ ハラダのラスクは東京の土産ではないのでは?」とツイートしたことでした。「そもそもひよこは(東京ではなく)福岡銘菓では?」という返事が来たのは私も予想の範囲内だったですが、面白かったのはその先。

 「東京はぽんぽこでしたね」「ははは懐かしい。音楽も耳に残ってます。ロバ製菓ですね。たぬき饅頭なのにロバ」「東京銘菓としても『ひよ子』は売り出されているので、間違いではないかと。」「東京ローカルでのんびりやってたぽんぽこは福岡からのりこんできたひよこに一蹴されちゃいました。......うん、たしかにひよこのほうがおいしかった」「吉野堂本舗が「東京ひよこ」として東京に侵出して、従来種だった「ぽんぽこ」をつぶしてそのニッチに収まった...」と、いろんな方から次々にツイートが来たのです。......えっ、ひよこは東京銘菓でいいの? それから、ぽんぽこって何???

 私は東京生まれの東京育ちなのですが、「ひよこ」のCMは見た記憶があるものの、「ぽんぽこ」は全く記憶がないのです。検索してみるとヒットしたのはWikipediaの「ロバ製菓」ページ。「1951年創業。菓子製造業としては規模は小さかったものの、1963年、ひよ子にヒントを得た進物用菓子『名菓 ぽんぽこ』があたり、急成長した。1970年代から80年代にかけて、天地総子の歌う明るい歌に合わせて2頭身のたぬきが踊るスポットCMを大量に流して知名度を上げた。(略)アズキ相場や不動産への投資が失敗したことを主因として、1995年3月22日に2回目の手形不渡りを出して倒産した。」という記述がありました。幡ヶ谷にあった本社は倒産したものの、同社の元専務が型を元にまんじゅうを生産。現在も「ぽんぽこおやじ」という名前で生産・販売されているということでした。写真を見ると、たしかにこれは「ひよこ」のたぬき版......。

ponpoko.jpg  一方同じくWikipediaの「ひよ子」ページを見ると、筑豊・飯塚生まれで福岡土産の定番として成長したひよ子がなぜ東京土産を名乗るようになったかという話も書いてあるのですが、気になったのは「類似品・模倣品/商標をめぐる争い」というくだり。福岡・二鶴堂「二鶴の親子」など全国に類似の菓子が多数あるほか、韓国にも模倣品があるそうで(これは私もちょっと前にネットで見ました。ひよ子に比べると全然可愛くなかった......)、仁義なき偽ひよ子の戦いが繰り広げられている模様です。

 ひよこ/ぽんぽこの話以外にも「あのリストにナボナがないのが不思議」「なにせお菓子のホームラン王ですから」(王貞治さんの『ナボナはお菓子のホームラン王』というCM、ご存じですか?)「地方の人は全く知らないので、有り難味が分からないかも。」......と、ナボナの話も盛り上がりました。ナボナは自由が丘にある亀屋万年堂のお菓子なんですが、そうか、地方では知られていないんだ......と思ったり。ちなみに東横線沿線には以前「鶴屋千年堂」という和菓子屋さんもあったのですが、今調べてみたら、火事で閉店したそうです......全然知りませんでした。

 ご当地土産といえば、「「名物においしいものなし」は、本当なのか?」「面白い恋人VS. 白い恋人から、コンプライアンスを考える 」「『青い恋人』や『赤い恋人』も商標登録されている」といった記事もオススメです。こちらも併せてどうぞ。 ※このエントリは、メールマガジン「ビジネス通信 誠」7月31日配信分より転載したものです。ビジネス通信 誠は週2回配信です。申し込みはこちらからどうぞ。