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アウディA1に300万円の価値はあるのか?

アウディA1に300万円の価値はあるのか?

popo柿澤

免許を取る前から車が大好き!休日に車に乗らない日はない。運転好きで、お酒もほとんど飲まないので旅行に行くと重宝されます。普段はアイティメディアでフィジカルイベントの制作・運営をしてます。


アウディディーラーの前を通過すると、ショーウィンドウの一番手前にひときわ小さな車が鎮座していた。「お!A1じゃん」とそのままアウディディーラーに吸い込まれた。はじめは車だけ見られればいいや!と言う思いでディーラーに入ったのだが、なんと試乗車がすでに用意されており、しかも待ちなしで乗れるというではありませんか!!この奇跡的な状況を逃すわけもなく、A1の試乗にありつけたので、インプレッションを書いてみた。

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■噂通りのおしゃれなアウディ
まずは、ディーラー内に展示されているA1をなめ回すように見る。
この車の対抗馬は「MINI」や「FIAT500」になると思われるが、私の持った第一印象は、MINIやFIAT500は「かわいらしい車」。一方、A1は「おしゃれな車」だと思った。噂通りである。
MINIやFIAT500の内装は、「丸」を基調にデザインされており、メーター回りやエアコンの吹き出し口、FIAT500はシートのヘッドレストに至るまで「丸」を使っている。その結果、女性的なイメージを受ける。外装も、角が取れコロンっと丸みを帯びていてかわいらし印象を受ける。(MINIcooperSは別物ですが)

しかし、A1は違う。メーターやエアコンの吹き出し口こそ「丸」を基調に女性が好みそうなデザインになっているが、シートはスポーティー感を演出。外装もキリッとしたフェイスを中心に全体的にシャープ。加えて、コントラストルーフがおしゃれ感を演出している。実際見るとライバルであるMINIやFIAT500とあきらかに違う印象を受けるだろう。
IMG_4193s.jpg■シートが日本人にはちょうど良い!
試乗車の準備が出来たと言うことで早速試乗車に乗り込む。乗り込んだ試乗車はスポーツパッケージ装着車だ。通常モデルとの大きな違いは、16インチアルミホイール(通常は15インチ)、スポーツサスペンション、専用スポーツシートなどが変更になっている。さらに、試乗車はスポーツパッケージのオプションで17インチのアルミホイールが装着されている。

まず、気に入ったのがシート。A3やA4のSline(アウディのスポーティモデル)専用シートより、幅が若干タイト。しかし、元々ドイツ人体型に合わせた作りとなっているため、A3やA4のSline専用シートは日本人には幅が広すぎる。横揺れから体を支えるために両脇が張り出したシートも、広すぎて体を支えきれず揺れてしまう。しかし、A1のシートは日本人にとってちょうど良い。しっかりと体を支え、ある程度雑に交差点を曲がっても、気にならないくらいしっかりと支えてくれる。車がコンパクトになった恩恵をこんなところで味わうことができた。


■小さくても間違いなくアウディだ
同じプラットフォームを持つVWポロのエンジンは1.2L。それに対しA1は1.4Lのエンジンを搭載する。そのこだわりは、走り出してすぐにわかる。アクセルを開けるとグッと力強い加速を見せる。数値でこそ122馬力と1.4Lターボにしては非力に見えるが、実際に乗ってみると印象が変わる。
乗り心地も、A3やA4に比べるとホイルベース(前後タイヤとの距離)が短いため、ピョコピョコと跳ねる感覚は残る。ただ、試乗車は17インチホイール装着車のため、通常の15インチや16インチだと、印象が変わるかもしれない。どちらにせよ、とても1.4Lの小型車とは思えない乗り心地を実現している。ハンドルを切り込んでいくと、ノーズが「クイッ」と入り込むみ、同時にほどよいロールをしならが車が向きを変えていく。A3に比べてもかなり軽快な感覚を覚える。やはり約1.2tと言う、アウディでも軽い車重が大きく影響しているようだ。


■思ったより狭くないリアシート
写真を見て想像するとかなり窮屈なイメージがあったが、実際に座ってみると意外と狭くはない。写真を見ていただくおわかりの通り、頭上はお世辞にも余裕があるとは言えない(ちなみに、身長は173cm)。しかし、足下は意外と余裕がありMINIやFIAT500に比べると、若干ながらこちらの方が広いようだ。
営業さんの話だと、身長160cm以下の方であれば、不満を感じることはないくらいの広さはあるとのことだ。しかし、アウディ全体に言えることだが、リアシートの背もたれが、若干立ち気味なのが気になる。
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■試乗車でも平均燃費が16キロ
そして、驚くのは燃費の良さである。試乗車はいろいろな乗り方をして試す人が多いため、一般的には燃費が悪い。しかし、この試乗車の燃費計で平均燃費を見てみると「16km」と言う表示になっていた。アウディの燃費計は、エンジンを切っても数時間はリセットされないので、ほぼ一日の平均燃費だと思われる。これは驚くべき数値だ。この数値は、アウディ初となるアイドリングストップ機能が大きく貢献しているのだろう。


■アイドリングストップ機能は要改善
アウディ初となるアイドリングストップ機能。停止時はいつ止まったかわからないくらい静かにエンジンが止まる。そして、ブレーキを少しでも緩めると再始動する。再始動時は、セルモーターをまわしエンジンを始動させる。このとき若干の振動があるが、今まで乗ったアイドリングストップ機能付きのどの車より揺れが大きく感じた。慣れの問題だとは思うが、私はこの振動がかなり気になってしまった。あわせて再始動時の反応が鈍い。普通にブレーキを離し、アクセルを踏み込むとワンテンポ遅れる。加えて、Sトロニック(2ペダルMT)のギクシャク感があるために、かなりの違和感を感じる。このアイドリングストップ機能はもう少し煮詰めが必要だろう。


全体的にこの車を評価してみると、車自体はおしゃれで乗り味も1.4Lの小型車とは思えない。内装などの作りも高級感があり、日本のコンパクトカーには見られないプレミアム感がある。でも、価格を考えるとどうだろう?このA1は289万円からである。この価格をみなさんはどう思うでしょうか?ちなみに、MINIはほぼ同じ価格帯。FIAT500は1.4Lモデルが222万円からだ。
おしゃれにお金をかけるという方であれば、決して高くはないと思えるくらい良い車だとは思う。しかし、コンパクトカーと言えば、日本はお得意分野。日本車ならこのクラスの車は150~200万円くらいで購入が可能だ。だが、日本車にはない走りと装備。正直、この車の評価は価格面で大きく意見が分かれそうだ。でも、決して見た目と価格だけで判断しないで欲しい車だと言うことは確かだ。ぜひ、この車の「走り」を体験して欲しい。なぜなら、車は乗らなきゃ分からないことだらけなのだから。

IMG_4201s.jpgグレード:A1 1.4 TFSI Sports Package
価格:304万円(試乗車:334万円 コントラストルーフ、バイキセノンパッケージ、5スポーク Vデザイン アルミホイール17インチ)
サイズ:3,970×1,740×1,440ミリ(全長×全幅×全高)
燃費:ガソリン1リットル当たり○○キロ(10・15モード)
最高出力:90キロワット(122馬力) / 5,000rpm
最大トルク:200ニュートンメートル(20.4キロ)/1,500-4,000rpm

試乗協力
Audi千葉中央
住所:〒262-0032 千葉県千葉市花見川区幕張町2-7697
TEL:043-350-1800
営業時間:10:00-19:00(ショールーム)
営業さんからの一言
現状A1の試乗は非常に人気が高く、30分以上お待たせしてしまう状況が続いています。試乗をご希望の際は、お電話でご予約いただけるとスムーズにご案内できます。どうぞお気軽にご連絡ください。


---popo柿澤の独り言---
昔は車と言うと「かっこいい車」が多かったし求められていた。しかし、最近は「おしゃれ・カワイイ」車が増えてきましたね。でも、日本車は実用性を重視するあまり、その波に乗り遅れていく気がする。もっと日本車にもがんばって欲しい!