誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

10・15モード燃費にだまされるな!

10・15モード燃費にだまされるな!

popo柿澤

免許を取る前から車が大好き!休日に車に乗らない日はない。運転好きで、お酒もほとんど飲まないので旅行に行くと重宝されます。普段はアイティメディアでフィジカルイベントの制作・運営をしてます。


リッター○○キロで低燃費!と言う言葉を良く耳にする。このリッター○○キロというのは、ほとんどの場合10・15モードという計測方式で計測された燃費である。しかし、リッター20キロと、言ってもそんなに走った試しはない!!とか、実際はそんなに走らないと言うことを知っている人も多いはず。では、なぜそんな乖離が生まれているのか、理由をご存じな方はどれくらいいるだろうか?理由まで知っている人は少ないはず。実はその測定方法に問題があるため、実燃費との乖離が生まれている。そんな、10・15モードについて書いてみようと思う。


■10・15モードとは
10・15モードの「10」と「15」は測定項目の数を表している。市街地を想定した測定方法が10項目。郊外を想定した測定方法が15項目である。それぞれの測定方法は以下の通り。

・測定条件
3,000キロ慣らし走行後の車両
暖機後に測定
車両(空車)状態に110キログラムのおもりを載せて計測(2名乗車を想定)
搭載電気機器(エアコン含む)はオフ

・10モード(市街地を想定)
1.  アイドリング状態 (20秒)
2.  20キロまで加速する (7秒)
3.  20キロをキープして走行 (15秒)
4.  20キロから減速して停止 (7秒)
5.  アイドリング状態 (16秒)
6.  40キロまで加速する (14秒)
7.  40キロをキープして走行 (15秒)
8.  40キロから20キロまで減速 (10秒)
9.  20キロから40キロまで加速 (12秒)
10. 40キロから減速して停止 (17秒)

・15モード(郊外を想定)
1.  アイドリング状態 (65秒)
2.  50キロまで加速する (18秒)
3.  50キロをキープして走行 (12秒)
4.  40キロに減速して走行 (4秒)
5.  アクセルをオフにした状態 (4秒)
6.  40キロから60キロまで加速 (16秒)
7.  60キロをキープして走行 (10秒)
8.  60キロから70キロまで加速 (11秒)
9.  70キロをキープして走行 (10秒)
10. 70キロから50キロまで減速 (10秒)
11. 50キロをキープして走行 (4秒)
12. 50キロから70キロまで加速 (22秒)
13. 70キロをキープして走行 (5秒)
14. 70km/hから減速して停止 (30秒)
15. アイドリング状態 (10秒)

この項目を10モードは3回、15モードは1回測定し、その結果から燃費が算出される。測定はシャーシダイナモという測定器の上で行われ、走行時に起こる抵抗をかけながら測定する。車重によってもかけられる負荷が変わり、燃費計算に影響を及ぼす。そのため、サンルーフやエアーバックなど、重たいオプションを付けると大幅に10・15モード燃費が悪くなるケースが存在する。


■10・15モードの弊害
市街地と郊外での走行パターンを想定して作られた10・15モードだが、上記の測定方法を見ると勘の良い人はすぐにこの測定方法が現実離れしていることに気づくと思う。たとえば、10モードの6番「40キロまで加速する (14秒)」。40キロまで加速するのに、14秒もかけて加速する。実際にはそんなにゆっくり加速することはないだろう。そして、計測時間にも問題がある。10モードの場合たったの133秒×3回しか計測されない。あわせて、1回あたり133秒の中にアイドリング時間が36秒も含まれる。最近急激にアイドリングストップ機能を搭載する車が増えてきているが、アイドリングストップ機能でエンジンが停止状態の場合は、このアイドリング時間がガソリン消費としてカウントされない。アイドリングストップ機能は、10・15モード燃費に対して、非常に有利な機能なのである。

この現実離れした測定方法を基準に燃費を計算している。しかし、各メーカーのカタログには、この10・15モードで燃費が表記され、消費者も記載されている燃費を見て車を検討する。メーカーとしては燃費が良い車であることをアピールするため、この10・15モードで一番良い数字が出るように車を作るケースが多い。その結果、A車の方が10・15モードの燃費は良いのに、実燃費を比較するとB車の方が燃費が良いという現象がおこる。


■新測定方式JC08モード
測定方法があまりにも現実離れしており、測定した燃費と実燃費に大きな乖離があることが指摘され、新しく生まれたのがJC08モード。2011年4月以降に発売される車は、この新しいJC08モードでの燃費記載が義務づけられる。当面の間は10・15モードの記載も可能となる。JC08モードは2006年に国土交通省より公示されているため、すでにJC08モード燃費も掲載しているカタログも少なくない。

JC08モードは、10・15モードに比べると、燃費が悪くなるケースがほとんどである。たとえば、トヨタのプリウス。10・15モードでは38.0キロ。JC08モードでは32.6キロと、5.4キロ悪くなっている。これに対して、実燃費を乗っている人数名に聞いてみると、平均燃費は17~20キロのようだ。10・15モードに比べれば実燃費に近づいたものの、まだまだ乖離があるようだ。


JC08モードに結構期待をしていたが、まだまだ参考程度に見た方が良さそうだ。実際に燃費を知りたい場合は、同じ車に乗っている人に聞く。インターネットなどで実燃費を公表しているサイトがあるので自分で調べるなど、まだまだ努力が必要なようだ。

「同じ車に乗っている人がいない」「インターネットで調べ方がわからない」そんなときは試乗に出かけてみよう。そして、営業の方に実燃費を聞いてみると、正直に教えてくれる誠実な営業マンが増えている。そのほか、最近のエコカーは「燃費計」が付いているケースが多い。試乗をお願いし、燃費計の値をリセット。その後試乗をして、燃費計を確かめると言うのが一番近い燃費を知ることができるだろう。やはり、実際に自分で車に試乗し、自分の目で確かめるのが一番である。それに試乗をすれば燃費だけでなく、その車のいろいろなことがわかるかもしれない。車は乗らなきゃ分からないことだらけなのだから。


---popo柿澤の独り言---
10・15モード。この言葉を使わなくなる日は近いが...読み方に注意しよう。まれに、「じゅってんいちごうモード」と呼ぶ人がいる。これでは、15が小数点以下の数字に聞こえてしまう。実際には15項目のテストを行うのだから「じゅう、じゅうごモード」もしくは「テン、フィフティーンモード」と読もう。じゅってんいちごうでは、郊外を想定したテスト項目がかわいそうです(笑  (読み方:ご指摘頂き修正しました。おっしゃるとおりテン・フィフティーンです^^;)