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イルカの睡眠とビジネスマンの動物的繋がり

イルカの睡眠とビジネスマンの動物的繋がり

波多野 謙介

コラボリズム株式会社 代表取締役で文系プログラマー。超朝型へのスイッチで、仕事と家庭の両立を目指す二児の父。

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最近、早起きやショートスリープ論が活発です。常に他社の製品・サービスと競争する起業家や、社内の熾烈な競争にさらされる猛烈サラリーマンにとっては、毎日2時間づつでも自分だけが先に進む事のできれば、競争を優位に運べることは間違いありません。

時間を確保するためには、通勤時間を削るとか、家族との時間を削るとか、飲む回数を減らすとかいろいろ手段はありますが、家族も大切だしコミュニケーションも重要です。通勤時間を減らすには引越しが必要だし・・・といろいろ考えていくと、現実的に減らせるのが睡眠時間だけという結論になる人はたくさんいると思います。

また、最近の研究では1日8時間睡眠は人間にとって少し長く、7時間くらいが丁度という論が多くなってきています。ショートスリープは思ったほど健康に悪影響を与えない、むしろ適切に実践する事は体に良いといったような意見が出てきたことも、ショートスリープ論が活発になる要因なのでしょう。

dolphinedolphine /  Life is a wonder 

僕自身は仕事の事ももちろんですが、わが子と遊ぶ時間を確保するためにも昨年の冬に朝型シフトしました。朝型シフトした後は11時半に床につき、4時半に起きています。僕の場合もともと8時間寝ると頭がスッキリしませんし、よく肩が凝ったり首の寝違えを起こすので、1日5~6時間程度の睡眠の方が体調が良いようです。

昼間に眠たくなったときは可能であれば15分程度の仮眠を取ります。起きた後10分くらい経つと不思議と集中力が異常に冴える時間帯があって、そのスッキリ感は夜の睡眠の後とは比べ物になりません。短い睡眠には長い睡眠とは別の機能が働いているように感じます。

人間に隠された動物としての機能

非常に深く潜水するフリーダイバーには、通常イルカやクジラにしか起こらない末端の血液が体の中央部に集まる「ブラッド・シフト」という現象が起こります。これは環境と訓練によって動物としての秘められた機能を引き出す事ができる一つの例と考えられます。

睡眠にも同じような事が言えるかも知れません。環境と訓練が、通常は隠されている人間の機能を引き出すのです。動物には結構ショートスリーパーが多く、これらの動物には短い睡眠を効果的に活かす機能が備わっていると思われます。例えばイルカは、約1分間の睡眠を1日に300回~400回もとるそうです。

イルカは一度も泳ぐのをやめず息継ぎもきちんとしながら常に泳ぎ続けている事から、かつてはイルカは全く眠らないのではないかと言われていた。しかし、イルカは右の脳と左の脳を交互に眠らせる事(半球睡眠)ができる特殊な能力があることが分かってきており、眠らないという説は現在ではあまり有力ではない。目をつむってから息をするまでの約一分間×300回~400回が一日の睡眠時間であり、一定方向に回転しながら眠ることが知られている。

「回転しながら眠る」というのは本当に気持よさそうですね。僕も水の中で回転しながら眠ってみたいです。イルカは水の中なので睡眠の例としてはちょっと極端ではありますが、すごく気持ちよさそうなので挙げてみました。

それでは他の動物はどうでしょう?以下のサイトにさまざまな動物の1日あたりの睡眠量がまとめてあります。


他の動物にも結構ショートスリーパーがいます。この表を見ると、草食動物は絶えず外敵を警戒しているためか非常に短い睡眠しか取っていないようです。ウマは2時間、牛は3時間しか寝ていません。警戒のあまり寝れないなんて、競争を気にしてショートスリーパーになる起業家みたいです。起業家は肉食系だと思っていたのになあ。

ショートスリープが人間に密かに備わっている動物としての機能であるとしたら、短い睡眠をとる時にショートスリーパーの脳の中で何が起こっているのか調べてみたら面白そうですね。「成功」して時間ができたら、是非ともそんな研究をやってみたいです。