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Googleが学歴重視の方針を転換
»2013年5月 2日
未来の人事を見てみよう
Googleが学歴重視の方針を転換
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
以前、Googleがいわゆるビッグ・データを使って、働きがいのある会社となるよう様々な分析を行っている旨の記事を紹介しました。
Googleが働きやすい、働きがいのある会社であり続ける理由
その続報的な位置づけですが、Googleが採用面で大きな方針転換を行ったことが明らかになっています。元記事はBUSINESS INSIDER War Room。
Google Cares Less About SAT Scores And GPA Because They Have Better Hiring Data
Google, known for rigor in evaluating people, has devalued SAT scores and college GPA, which have long been critical tools for gauging potential.
人の評価を厳密に行うことで定評のあるGoogleが、潜在能力を測定するのに欠かせないツールとして長らく君臨し続けていたSATの点数や大学のGPAについて、その位置づけを下げ始めている。
SATとはScholastic Assessment Testの略で、アメリカで大学に進学する際に受験する適性試験のこと。センター試験のようなものですね。また、GPAは大学改革の議論で最近よく見るようになっていますが、在学中の成績を点数で指標化するもの。日本の大学で多く使われる優/良/可/不可の代わりに、4点~0点の点数がつきます。
いずれにせよ、大学と企業との接続部分において、もっと大学時の成績を入社の基準に置くべきだ、という議論がやっと日本でも声高になってきている中、すでにGoogleはその何歩も先を行っている、ということですね。
Googleのpeople analyticsグループを率いるPrasad Setty氏によると、
those numbers alone didn't lead to success at the company, and "are no longer used as important hiring criteria." According to their data, the most innovative and happy workers feel like they have autonomy and a strong sense of mission, so Google looks for more than just the best grades and test scores.
これらの数字を単独で扱っても、会社の成功に導かれることはなく、「重要な採用基準としてはもはや使ってはいない」。これらのデータによると、最もイノベーティブで幸福感あふれる社員は、自主性が高く、ミッションについての強い思いを持っている人のようであり、Googleは学校での最高レベルの成績やテスト結果といったものに留まらない、それ以上のものを追求している。
このデータの出元は、冒頭に紹介した以前の記事でも取り上げたPiLabによる膨大なデータだそうです。
このように、社員のデータをフルに活用して、よりよい人材マネジメントを行う取り組みは、IBMをはじめ、他の多くの企業で既に始まっているようです。
Each company looks for different things and will collect different data. But increasingly, management, hiring, and promotions are going to be more focused on Big Data rather than people's opinions and other measures...
各社はそれぞれ違うものを見て異なるデータを収集している。しかし、確実に言えることは、マネジメントや採用、昇進といった事柄は、個々人の〔経験等に基づく〕意見やその他〔SATやGPAなど〕の基準ではなく、よりビッグデータにフォーカスが置かれるようになってきているということだ。
あなたの組織でも、教育問題などと同様、個人的な経験による理由付けだけで、施策が決定・実行されたりしていないでしょうか?
人事の分野でも、より統計的・科学的アプローチが求められているようです。
ご一読感謝!
~
今回のBUSINESS INSIDERの記事が書かれた発端は、The New York Timesの以下の記事です。Googleだけでなく、他の企業の試みも多く掲載されています。この分野に興味のある方は是非原文に当たられるとよいかと思います。
Big Data, Trying to Build Better Workers
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