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「正しく怖がる」ために~"富士山が心配"と言う人が多いようですね~

「正しく怖がる」ために~"富士山が心配"と言う人が多いようですね~

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

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震災直後の3月12日に、「放射線被曝(ひばく)のリスクについて(報道で得られる原発の情報に元に)」という記事を、永松和弘さん(ブログタイトル:理系博士研究者の一人が考えるビジネスマインドと実践例)が書いて下さいました。その中の一言に、「正しく怖がる」という表現がありました。私はその表現は、大事な考え方だと思っています。今日は、「正しく怖がる」を元に、富士山について考えてみたいと思います。

富士山を心配する人が多くないでしょうか?

インターネット上では、"富士山の噴火可能性"を示唆する書き込みが増えていたり、私の会社内でもそのような噂があると言う話しが出ています。このような話を聞くと、不安感が増しますよね。実際に、私も不安です。

そこで、富士山の噴火を想定し、どのようなことが必要そうかを表にまとめてみました。

タイミング

対応ポイント

対策

1.自治体のハザードマップの確認

  富士山ハザードマップ検討委員会報告書(全文)

  http://www.bousai.go.jp/fujisan-kyougikai/report/index.html

  上記の抜粋版(簡易にまとめれています)

  http://www.bousai.go.jp/chubou/5/siryou5-1.pdf

  [ハザードマップについて/富士山の噴火史/噴火口が生じる可能性のある

  領域/噴火による溶岩流の流れる様子/溶岩流が到達する可能性のある 

  範囲宝永噴火の降灰に合わせた土石流が発生する可能性と渓流と氾濫     

  範囲/宝永噴火の降灰分布図/宝永噴火が発生した場合の被害想定]

2.火山灰への健康影響(地域住民のためのしおり)

  独立行政法人防災科学技術研究所 発行

  http://dil.bosai.go.jp/library/image/health.pdf

  [呼吸器、目、皮膚、間接的な健康影響 など]

3.必要な防災品の準備

  通常の防災用品に加え下記の用意

  屋内:空砲による窓ガラスの損傷対策、塵が入りこまないように対策

屋外:防塵対策(ゴーグル、マスク、車を覆うビニール、清掃用品など)

4.その他

  避難経路の確認、安否確認手順、交通経路の確認、外出時/出張先時に

  戻れない場合の対応など、被災想定地域との連携強化(連絡手段、リスク

  の想定状況の確認、対応方法など)、保険の確認・見直しなど

 噴火期間が長引く際の影響の洗い出しと対応策の検討

噴火直後

安全な場所への迅速な避難、安否連絡

噴火後の

対応

(短期)

1.安全性の確保 2.社内/社外連絡先・手段・手順の明確化 

3.緊急時の役割分担

4.移動交通手段や物流手段が確保できない場合の対応 5.その他

噴火後の

対応

(長期)

会社ごとに想定したリスクに基づいて対応

 

調べてみて気付いたことですが、巨大な地震を伴う噴火でなければ、余裕を持った対策や、落ち着いた対応ができそうです。ポイントは、火山灰は肺や目に影響があるので、防塵対策が必要となることでしょう。また、灰は、短期的には飛行機への影響、長期的には関東⇔東海圏への交通手段(物流)、被害地域で作られているものに影響が出る可能性があります。こうしたリスクにどのように対応しておくかを検討する必要があるかもしれません。

過去の噴火から影響を予測する

2010年4月にアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトルで噴火が起きた際には、欧州30ヶ国で約1週間にわたり航空路線が麻痺しました。その時の影響としては、ウィキペディアに書かれていた情報を元にすると、(1)生産拠点から送られる部品などの調達の遅れによる影響(2)農作物の影響 などがあったようです。

日本では、2011年1月から新燃岳が噴火し、まだ活動状態にあります。鹿児島県(2月28日現在)、宮崎県(3月18日現在)の被災状況を見ると、人的被害:鹿児島県 軽傷1名、宮崎県 重症 15名、軽傷 21名、住居被害:両県ともなしでした。被害が大きいものとしては、農作物への影響と、観光業のようです。(イベントの中止や、被災地域への観光目的の旅行の自粛など)

鹿児島県:霧島山(新燃岳)の噴火による被害状況 http://www.pref.kagoshima.jp/bosai/saigai/h22/shinnmoe.html

宮崎県:霧島山(新燃岳)噴火による被災および対応状況http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000156384.pdf  

上記のケースと同じとは言えませんが、参考までに頭に入れておくと判断の役に立つでしょう。

調べ終わっての感想

新燃岳を例に挙げると、気象庁から噴火の3カ月前に、予報警報が"レベル3"に引き上げられ、入山規制となっていました。このことから、火山については、予報の信頼性が高いと言えます。なお気象庁発表による週間火山概況によると、2011年4月1日~7日現在の富士山の予報は"レベル1"です。

気象庁の週間火山概況は下記サイトを参照ください 

 http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/STOCK/weekly_report/2011/2011w14/2011w14.htm

いつかは噴火する可能性もあるかもしれませんが、それまでの間に、様々なシミュレーションが出来そうです。今日の記事をヒントに、職場ごと、家庭ごとの対策を検討する材料にしていただければ嬉しく思います。

不確実な情報に、不安な気持ちが湧きおこったら、「正しく怖がる」取り組みをしてみると、安心できますよ。

(参考情報)

永松和弘さん(ブログタイトル:理系博士研究者の一人が考えるビジネスマインドと実践例)のブログ一覧

http://blogs.bizmakoto.jp/nagamatsu/