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〔ケーススタディ〕でビジネス力を高める~あるホテルでの対応~

〔ケーススタディ〕でビジネス力を高める~あるホテルでの対応~

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


すっかり秋めいてきた今日この頃。行楽シーズンですね。旬の食べ物や、美しい景色を求めて旅行に行く方も多いのでは?私も先日の連休は、ちょっと遠出をしてきました。せっかくのリフレッシュの機会です。楽しく過ごすのが目的です。しかし、あるホテルでの出来事があまりにもひどく、残念な気持ちになりました。

通常このような経験は、個人の中での"嫌な思い出"としてとどまります。しかし、こうした嫌な思い出は、少し引いた目で〔ケーススタディ〕として客観的に見直すことで、様々なヒントを得ることができます。

そこで今回は、私の経験を元に、"もし、あなたがこの組織のトップだったら?"と仮定し、どのようなことを課題とし、どう解決するかを考える〔ケーススタディ〕にしてみました。よかったら、チャレンジしてみてくださいね。それではいってみましょう!

〔ケーススタディ~あるホテルでの対応~〕

連休初日の朝5:00過ぎに家を出て、都内から約400km先の観光地をまわった後、16:00に宿泊先に到着。そのホテルは、地方都市のターミナル駅にも近く、徒歩圏の立地。設備も新しく、費用もリーズナブルなため、とても人気があります。以前宿泊した際に、連休中などの混み合うタイミングでは、ホテルに隣接する駐車場に入庫できず、歩いて7~8分ほどの契約駐車場を利用しなければならなくなったことがありました。荷物を持っての移動は大変なので、早めに到着。隣接駐車場に入れることを期待しながら、前方に並ぶ5台ほどの車の様子を見ていました。

そして、私たちの入庫の順番がきました。

【駐車場係(20代後半、男性)の対応】-------------------------------------------

駐車場係:ご宿泊ですか?

私たち:はい、そうです。

駐車場係:すみません。現在こちらの駐車場が満車でして、提携先の駐車場をご案内しております。

私たち:はい、そうですか。では、どちらに行ったらいいんですか?

駐車場係:(案内地図を渡しながら)こちらが提携先の駐車場なんですが、実は、先ほどご案内したお客様のお話では、既に満車とのお話をいただいておりまして・・・

私たち:はぁ。じゃぁ、どうすればいいんですか?

駐車場係:こちらの駐車場が満車ですと、他の駐車場に行っていただくしかなく・・・

私たち:その場合、料金はどうなるんですか?

駐車場係:お客様のご負担となります。

私たち:はぁ?それじゃぁ、ずいぶん不公平じゃないですか。

駐車場係:あっ、でも、提携先の駐車場は時間貸しですので、駐車場から出る方がいらっしゃれば、入ることができますので、お待ちいただくのも良いかと。

私たち:それじゃぁ、今、空いているかどうか、そちらで確認していただけないですか?

駐車場係:いえ、先ほど他のお客様から「空いてないじゃないか」とお叱りを受けたばかりで・・・

私たち:はぁ?じゃぁ、意味ないじゃないですか。

駐車場係:申し訳ありません。行っていただくしかないんです・・・

私たち:わかりました。では行ってみるのでいいですよっ

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ホテルに少しでも近い提携先の駐車場に向かおうと思ったものの、地図がわかりづらく迷ってしまいました。迷っているうちに、新しいオフィスビルの中にある駐車場の案内を発見。値段もリーズナブルだったので、自費負担となるものの、そこに入庫することにしました。入庫後、ホテルに向かって歩いていくと、道路に車の列ができています。

その列の先を見ると、ホテルの提携先の駐車場を起点としていました。その駐車場は15台ほどしか入らない、小さな場所。そこに入庫待ちの車7~8台が並んでいます。どうやら、駐車場係の「時間貸しですので、お待ちいただくと・・・」という言葉通りに待っている様子。

"これは、クレームになるだろうな・・・"

と、思いながらホテルに着くと、ホテルの前には先ほどよりも車の列が長くなっています。

その列に、たった一人で一生懸命対応する駐車場係のお兄さん。しかし、先ほど私たちに言ったことと同じことを繰り返しています。

"案内される人たちも、お気の毒に・・・"

そう思いながら、ホテルのフロントで、チェックイン手続きをしました。

【フロント係(20代半ば、女性)の対応】---------------------------------------

フロント係:ご宿泊ですか?

私:はい

フロント係:○○カード(ホテルのメンバーズカード)はありますか?

私:はい

フロント係:お支払いは、現金ですか、クレジットカードですか?

私:クレジットで(・・・・・うん?ちょっと待てよ)

  あの・・・、駐車場の件なんですが、こちらのホテルの駐車場が満車だったので、ご案内された提携先も満車のようでしたので、他の駐車場にとめたんですけど、その費用は私どもの負担なんでしょうか?

フロント係:申し訳ございません。満車の場合は、お客様にご負担をいただいております。

私:そうなんですね。でも、駐車場の件って、事前に案内も、確認もされなかったんですけど。

フロント係:メールでご案内しているはずですが・・・

私:(ブチッときつつ)確認しなかったこちらが、悪いんですね。

フロント係:そのようなことでは・・・

  (何事もなかったかのように、クレジットカードの明細をこちらに向け)

  こちらにサインをお願いいたします。

  それでは、お部屋は○Fになります。お部屋のキーはこちらになります。

私:(サインをして)・・・あの・・・、駐車場の件は、仕方のないことだというのは分かっていますが、駐車場の係の方のご案内もわかりづらくて、ご案内いただいた提携先の駐車場でも列が出来て待たなくてはならない様子でした。これからチェックインされるお客様は、そうしたご不便があってお越しになっているはずですよ。

フロント:(別のフロント係 30代前後 女性も加わり)申し訳ございません。

   どうぞこちらを召し上がってください。(ペットボトルのお茶を人数分渡され)

私:(腑におちないまま)すみません。ありがとう。

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"お茶を濁され"部屋に向かったのでした。

さてこのホテルでの対応は、いったい何が問題でしょうか?また、自分がこのホテルの運営を任される立場だったら、どのように解決を図るでしょうか?

(補足情報)

・ホームページ(および宿泊予約サイト)では、隣接駐車場、或いは提携先駐車場を利用した場合の費用として、1泊1,200円が宿泊者負担であることが明記されています。

・ホームページ(および宿泊予約サイト)では、隣接駐車場及び提携先駐車場へは、先着順の案内であることが明記されています。

・利用した宿泊予約サイトからの案内メールには、駐車場の件は触れられていません。