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現状に「行き詰まり」を感じたら・・・

現状に「行き詰まり」を感じたら・・・

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


若さ、体力、集中力・・・などなど、年とともにいろいろなものに衰えを感じるわけですが、最近より強く感じるのは「発想力」の衰え。発想力が衰えるということは、新しい価値を生み出すための力が著しく低下しているということ。これはビジネスをリードする立場にある人間にとっては致命的です。しかし、その発想力の衰えを、先日の誠ブログのオフ会「物撮り」で強く感じることになろうとは・・・。

ブロガー、オフ会のテーマは「物撮り」
「物撮り」は、スマホ、または、携帯カメラでその場にあるモノを撮り、撮影された画像を見ながら、写真を上手く撮るためのコツやポイントを教えていただくという、ありがたい機会。その場に用意されていたのは、缶ビール、ペットボトルのミネラルウォーター、ぬいぐるみ、おもちゃ、本など。そして、会議室なので、会議室内なら普通に用意されている、机、いす、プロジェクター、PCなど。

「今から10分時間をとるので、好きなものを撮影して、編集長のメールに送ってください!」

との指示をいただき、私が真っ先にしたこと。それは、「携帯に編集長のメールアドレスを入力すること」でした。そして、この入力に思っていた以上に時間をとられてしまい、写真を撮る時間がほとんどなくなってしまう始末。そこで、慌てて目の前の缶ビールとハリネズミのぬいぐるみを組み合わせて撮り、送信。写真はピンボケ。なんともお粗末な有様。

「価値」に差が出る時

さて、同じ時、同じ場所、同じ時間を与えられた他のブロガーさんたちはどうだったか。

一人ひとりがとった写真を見ながら、アドバイスをいただく場面でのこと。そのアドバイスと同じぐらい私が「はっ!」としたのは、ブロガーの皆さんが撮ったもの。つまり、「何に着目し」「どう扱ったか」でした。

さすが、プロとして自己表現に慣れている皆様。その中でも印象的だったのは、
・机に反射する蛍光灯の光と、持参の扇子を組み合わせて撮った「とんぼ」
・すりガラスの模様を生かし、室外から射し込む光のラインの陰影を写し取ったもの
・自分が着ているカラフルなストライプのシャツをテーブルクロス化し、ペンを乗せて写したもの
・用意されていたおもちゃを室外に持ち出し、室外とは違った構図で写したもの
・皆と談笑している編集長の笑顔を写したもの
などでした。

同じ時、同じ場所、同じ時間ー同じ条件下で、一人ひとりの感性の差によってこんなにも違いが出るとは!これがビジネスの場面だったら・・・価値の違いは大きなものになりそうです。

「発想力」を鍛えるには?

さて、その「物撮り」後、書籍をプレゼントしていただいたのですが、私が選んだのは「in Genius~未来を発明するために今できること~ スタンフォード大学 集中講義 Ⅱ ティナ・シーリグ著/高遠裕子訳 阪急コミュニケーションズ刊」。書籍には次のような記述がありました。

問いの立て方を学ぶことは、答えの幅を広げることであり、創造力を伸ばす上で特に重要です。そしてそれは、経験を積めば自然に出来るようになります。このスキルを磨くのに役立つのが写真撮影です。熱心な写真家フォレスト・グリックは、カリフォルニアのフォレンリーフ湖畔で開いた撮影講習会で、風景をざまざまな視点から見る方法ー1回ごとにフレーミングしてはリフレーミングする方法を教えました。まずは、全景が入るように広角度で写真を撮ってもらいます。つぎに、岸部近くの一本の木を撮ります。そして、どんどん焦点を絞り、一本の花、さらにはその花の雄しべを撮っていきます。グリックが伝えたのは、一歩も動かなくても視点を変えられる、ということでした。視野を上下に動かし、左右に振るだけで、まったく違った画像が撮れます。湖の反対側に回ったり、山をひとつ越えたり、湖でボートを漕ぎ出したりすれば、フレームが劇的に変わるのは言うまでもありません。

「発想力」を磨くには、「撮影」は良い訓練方法であると書かれているではありませんか!なんというシンクロニシティ。

ビジネスをリードする立場の我々は、自分自身が価値を生み出すことはもちろんですが、メンバーにも価値を生み出してもらわなければなりません。価値を引き出すことがなかなかできず、「行き詰まり」を感じることってないでしょうか?

この書籍では、一人ひとりに価値を生み出すための力「創造力(クリエイティビティ)」が内在している、と言っています。さらに、「それは訓練によって引き出すことができる」と言っています。つまり、リーダーが価値の引き出し方を学ぶことで、今感じている「行き詰まり」は簡単に打破できることを示唆しているのです。そして、そのための考え方ややり方が、データと共に惜しみなく紹介されています。会議やミーティングで「いいアイデア、意見が出てこない」と感じている時には、本書から大きなヒントを得ることができるでしょう。

ちなみに、書籍の裏オビには次のようなメッセージが記されています。

本書には、一貫したテーマがあります。
クリエイティビティとは、頭で考えるだけでなく、実際にやってみるものだということです。
言葉ひとつ、モノひとつ、アイデアひとつ、
そして一瞬一瞬が、創造性を発揮する機会になることに、目を見張るでしょう。
素晴らしいアイデアを思いつくのにコストはかかりません。
そして、その成果は無限大なのです。―ティナ・シーリング

先日の「物撮り」と、この書籍に触発されて、本の写真を撮ってみました。(普段なら本の画像を貼り付けるところを、あえて室外で撮影。書籍の印象が変わりませんか?)

 

IMG_1696.JPGのサムネール画像写真を上手に撮るためのコツ
↓↓
お二人のブロガーがまとめてくださっています。こちらもどうぞ!

開米瑞浩氏:ケータイで室内でエルモの写真を撮ってみた
http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/entry/4977.html

かわりものやさん:父の日のプレゼントとブツ撮り
http://blogs.bizmakoto.jp/kawarimonoya/entry/4985.html