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なぜ、今、「営業をしろ」なのか
当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
前回の記事「営業をしろ」と突然言われたらでは、「30代~40代の技術担当者に、営業感覚を持たせてほしい」というご相談が、最近増えているということをお伝えしました。
それではその理由は一体なぜでしょうか?今日はその背景について考えてみます。
指示を受けた側の、よくある捉え方と反応
技術担当者や、営業以外の人が「営業をしろ」と言われると、「うちの会社はヤバいのか?」、「リストラか?」と、会社の置かれている状況を懸念したり、「業績が厳しくなってくるとよくやることだ。嵐の過ぎ去るのを待とう」と、身を伏してじっとするケースがよくあります。こうした反応は当然で、私もそう考えている時期がありました。
というのも、このような指示が出る時と言うのは、たいてい業績が厳しくなっている時で、「とにかく全員営業」といった指示がよく出されてきたからです。そして、しばらくして本業に回復の兆しが見えると、何事もなかったかのように、専門分野の仕事に戻され、また、元のように低価格、短納期で高品質な製品やサービスを提供するよう求められてきました。
指示の背景に意識を向けてみると
しかし、私の場合は30代半ばから、経営者層とご一緒する機会が増え、自分でも会社をつくり人に動いてもらおうとした時に、会社の状況を憂うことや、嵐の過ぎ去るのを待つだけの発想や考え方は「センスがないんだな」と思うようになりました。
その理由は、「全員営業」と言われる時期を見ていると、世の中の変わり目というか、人の意識の変わり目というか、大きく潮目が変わっている時だと気づいたからです。
そのような目で見ると、そのタイミングにお客様のところに行き、じっくりお客様が何を考えているかを聞き、お聞きしたことに基づいて製品やサービスを提供する努力をした会社は、その後、時代に合った商品やサービスを提供し、時流に乗っていくことができていました。そして、そこでお客様との関係性を作った人達は、将来自分が組織を任され、経営者として組織全体を見る必要性が出てきたときに、その時の経験が大きく生きているのを、目の当たりにしてきたからです。
そこで現状を見ると、2011年に東日本大震災に見舞われ、人の意識や価値観が大きく変わりました。また、同年にはタイの大洪水の被害、2012年には国際関係のバランスが崩れやすくなっていることから、企業経営者も様々な転換を迫られています。その上に、政権が交代し、「経済再生」という方向性が打ち出されている今は、その「潮の変わり目」にあたります。
特に近年、マーケティングでは「個」というキーワードがよく使われるようになっていますが、法人に対してビジネスを展開する企業も、企業を1つ1つの「個」と捉えて情報収集に努める必要性が出てきています。このタイミングに「似たような課題を抱えた複数の企業」を「同じ」ように扱い、今まで通りだと思って取り組むことは、将来に大きなリスクとなります。
そうした背景があり、各企業が何を考え、どう取り組もうとしているのか、お客様のところに足を運び、お客様の将来のイメージ、やりたいこと、困っていることなどのお話をじっくり伺うことが今、必要なタイミングなのです。
上に「説明」を求めないこと
忙しい中で負荷がかかるため、上司の意向に不安を覚えたり、「ケッ」と思うことがあるかもしれませんが、今は、上の意向を汲み、お客様のところへ伺う活動にも取り組む重要な時期だと思った方が良いです。そしてその時と言うのは、お客様からの「お問い合わせ」を待つ時期ではなく、自分から「お聞きしに行く」時期です。
このタイミングに必要な行動が取れていないと、以降数年間の業績がガタガタになる、場合によっては、会社の存続にも関わる、非常に重要な時期であるという危機感を、様々な経営者のお話から感じています。また、私の経験からもそう言えます。
もしかしたら私がお伝えするようなことを、「上はそうは説明してくれていない」と感じることがあるかもしれません。しかし残念ながら、その説明を上に求めるのは、あきらめた方が良さそうです。というのも、このような時代を乗り切れる企業経営者の多くは、ロジカルに対応しているというよりも、動物的な直観力を元に、伝えることが多いからです。
その直感を肯定的に解釈し、自分のできる努力をするか、否定的に解釈し、何もせずにやり過ごすか。その選択は、個人の判断となりますが、本記事を信じていただけるのであれば、是非、肯定的に解釈してほしいと思います。
そして、肯定的に解釈して下さった方のために、具体的にどのような考え方や進め方をすればよいのかを、今後、お伝えしていきます。
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